「ファンドレイザーってどんな仕事? ファンドレイザーになるためにはどうすればいい?」
「NPOで働くって?メリットやデメリットとは?給料の実態は?」
「国際協力って何?誰がどんなことをしているの?途上国で起きている問題について知りたい!」
このような疑問やお悩みを解決するため、ファンドレイジング協会や市町村のホームページ、activoの代表取締役である小澤の経験、外務省やJICAのホームページなどを元に、ガイドページをご用意致しました。
ファンドレイザーはNPOの活動資金を集める職業
NPOなどの非営利組織が活動資金を集めることを「ファンドレイジング」と言い、その資金を調達する人を「ファンドレイザー 」といいます。
「ファンドレイザー」はNPOでは職業の一つとして知られていて、日本ではあまりなじみがありませんが、海外ではすでに人気の職種のようです。
「ファンドレイジング」は単なる資金集めではありません。
支援者と話し合ったり、理解を得るために活動し、社会問題の解決に向けて活動資金を調達します。
人と人をつなげる職業ともいえますね。
ファンドレイザーの資金調達の方法
資金を得る方法は様々です。
例えば、
「国」が対象であれば、「補助金」や「助成金」
「企業」が対象であれば、「事業収入」や「寄付」や「協賛(企業の活動に賛同し、金銭的援助をすること)」
「個人」であれば、「会費」や「寄付」
などがあります。
参考 八王子市民活動支援センター ファンドレイジングって何?
ファンドレイザーになるためにはどうしたらいい?
実はファンドレイザーは無資格でも業務を行うことができます。
これからファンドレイザーを目指すための2つの例を紹介します。
日本ファンドレイジング協会の試験を受けて資格を得る
認定試験を受け、合格すると「ファンドレイザー」の資格がもらえます。
ファンドレイザーを資格として認定しているのは日本ファンドレイジング協会だけです。
先ほど、資格は無くても活動できるとお伝えしましたが、資格を持っていると、
- ファンドレイジングについて専門性の高いファンドレイザーとなれる
- 寄付される方の信頼につながる
というメリットがあります。
今まで独学や長年の経験による感覚でファンドレイジングをされていた方も、改めて認定試験を受けてさらにスキルアップされている方もいらっしゃいます。
営業やマーケティングなどの他の職業から転職する
ファンドレイザー は、人と関わる職業であるため、営業経験や企画経験があれば、ファンドレイジングの経験がなくても採用されるケースがあります。
ファンドレイジングのアイデアを考えるためには「企画・マーケティング」のノウハウを生かすことができます。
また、「社会問題を解決したい人」と「社会貢献したい人」を繋げるためには「営業」のノウハウを生かすことができますね。
ファンドレイザーのお給料事情
ファンドレイザーの月給はだいたい20~24万円ですが、所属するNPOによってお給料が変わってきます。
また、アルバイトやパートの場合は、ほとんどが時給1000円以上です。
NPO自体がまだまだ低賃金であるため、ファンドレイザーのお給料も決して高いとは言えませんが、社会貢献度がかなり高い職業です。
社会をもっとよくしたい気持ちがある方にはぴったりの職業だと思います。
そもそもNPOってどんなところ?
NPOは社会をより良くするために活動する団体のこと
NPOは、「Nonprofit Organization」の略で、非営利団体という意味があります。
NPOは行政で補えない問題を解決する役割があります
行政の活動規模は大きいため、細かなニーズに応えることに難しいのが現状。
そこで、行政が拾いきれなかった「細かな社会問題をNPOで解決」しようとしています。
NPOではどんな活動をしている?
「保険・医療系」または「福祉系」の活動をされているNPOが多いです。
逆に、「途上国の貧困をなくす」といったような活動は意外と少ないのです。
さらに NPOについて詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
社会貢献を仕事にする「7つ」の選択肢
「社会貢献」を仕事にしたい場合は以下の方法があります。
- NPOなどの公益法人で働く
- 社会的企業・ソーシャルベンチャーで働く
- 企業のCSR担当者として働く
- NPOや社会的企業を立ち上げる
- プロボノとして非営利プロジェクトに参画する
- パラレルワークで社会貢献事業に携わる
- ボランティア・寄付で非営利活動に参加する
上記の内容を詳しく知りたい方は以下のリンクをご覧ください。
新卒でNPOに就職予定の方向けに、以下のリンクで「内定までのステップ」を解説しています。
学生や主婦の方にはNPOバイト/パートもおすすめ
社会問題に興味がある方はNPOでのアルバイト、パートする方法を考えてみてはいかがでしょうか?
将来NPOに就職したい学生はもちろん、NPOは小規模での活動が多いので、アットホームな雰囲気でお仕事をしたいパートの方にもぴったりです。
詳しくは以下の記事をご覧下さい。
NPOで働くメリット・デメリット
NPOで働くメリット、デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
メリット
・やりがいと感じやすい、働く意味を見出しやすい
・少人数、裁量の大きい厳しい環境下で成長できる
・「持っているスキル×NPO業界」で希少な人材になり得る
デメリット
・給与水準の低いNPOが多い
・一般企業に転職しづらい可能性もある
・研修が充実していない傾向にある
「NPOで働くメリット・デメリット」について詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
NPOのお給料事情
NPOの収入は少ないイメージがありますが、実態はどうなのでしょうか?
労働政策研究・研修機構の平成27年度の調査によると、「平均的な人」の平均年収が約260万、「高めな人」が370万だと報告されています。
企業と比べると、低いと感じる方も多いかもしれません。
しかし、NPOに興味はあるけれど「給料が低いから職業にしない」のはもったいないです。
なぜなら、近年NPOの給与水準は改善傾向にあるからです。
給与水準、ビジョン、仕事内容、得られる成長などを総合的に判断することが重要ですね。
NPO職員の「給料・年収」について詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
NPO求人に応募する前に確認したいこと
2点確認しておきたいことがあります。
- 志望先と自分が「マッチ」しているか考える
- 志望動機には「理念への共感」&履歴書には「アピールしたい内容」が伝わるようにする
ということです。
団体の理念と自分の考えが異なっていると、後々働くのがしんどくなってしまいますし、「自分に合った」働き方や職場を見つけることが大切ですね。
ピッタリな団体が見つかれば、しっかりと自分をアピールできる内容を考えましょう。
以下のリンクで志望動機・履歴書の書き方を解説しています。
NPO面接準備でやるべきこと
面接では、「団体の理念への共感」や「今までの経験やエピソード」をうまく伝えられることが重要となります。
NPO面接準備前にやっておくべき事をまとめてみましたので、以下のリンクからご覧ください。
国際協力とは「国際社会の平和や安定のための様々な活動」のこと
そもそも国際協力とは何なのでしょうか。
JICAによると、国際協力とは、
国際社会全体の平和と安定、発展のために、開発途上国・地域の人々を支援すること
と定義されており、途上国への支援などの幅広い活動を指していることがわかります。
目標はSDGsの17のゴール
誰もが暮らしやすい社会を達成するために、国連は「持続可能な開発目標(SDGs)」を定めています。
17の目標が設定されていて、多くの企業やNPO・NGOが目標に合わせて取り組みをしています。
SDGsについて詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
国際協力に関わる様々なアクター
国際機関や政府などだけでなく、民間企業や自治体も国際協力の役割を担っています。
国際協力機構(JICA)
JICAはODA(政府開発援助)を一元的に行っています。
ODAとは政府が開発途上国に行う資金や技術の協力のことをさします。
具体的な取り組みの一つに、「水道や電気の整備」があります。
日本は世界181カ国・地域に支援をしていて、特にアジアを中心として支援しています。
ODAについて詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
国際機関(国家が集まって作られる団体のこと)
国際機関は国際連合を中心に、多数の専門機関で構成されています。
例を2つを紹介します。
1. 国際連合
紛争を終結させて和平を結ばせたり、紛争解決のための仲介や停戦の指示などを行っています。
国連について詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
2. 世界銀行
世界銀行は途上国の貧困削減や開発支援を目的として「資金を貸す」ことや、「資金を提供」したりします。
金銭面だけでなく、「技術を伝える」取り組みもあります。
世界銀行について詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
NGOやNPOなどの非営利組織
NPO・NGOの役割は政府や行政では行き届かない支援を民間の立場で解決することです。
地域に密着したきめ細かい支援が可能であり、ニーズに合った活動ができます。
さらに、支援現場からのデータを分析した情報と専門知識を提供することで、途上国の現状を伝えることができます。
また、社会問題の当事者、代弁者として問題解決のために声をあげて活動することもNPO・NGOの役割の一つです。
参考 JVC NGOの役割を考える
民間企業
企業のCSR(企業の社会的責任)の考え方から国際協力をする企業が増えています。
例えば、ソフトバンクモバイル株式会社の場合、ケニア共和国で通信サービスの支援を行っています。
企業の培った技術を途上国に伝えるのですね。
また、技術提供だけでなく、NGO団体に寄付をする会社もあります。
参考 Softbank CSRトピックス 2013年
地方自治体
あまり地方自治体が国際協力に関わっているイメージは無いかと思いますが、実は途上国のまちづくりのためにノウハウを提供するなどの形で、発展に貢献しています。
具体的には、自治体がこれまで培ってきた、上下水道、廃棄物処理、保健衛生・母子保健、社会福祉、農業普及、公共交通などの分野のノウハウを、JICAを通して、途上国の自治体に提供しています。
参考 JICA 自治体との連携
市民・ボランティア
市民は国際協力の活動に参加することで途上国の問題を身近な問題として意識することができます。
国際交流事業に参加して世界の様々な文化に触れ、理解を深めることで社会問題に関心が高まりますね。
また、帰国したボランティアの市民が国内の課題解決に活用されることもあります。
開発途上国で起きているさまざまな問題〜紛争・教育・水と衛生〜
ここまでで国際協力では国際機関から市民の私たちまで、幅広い人たちが関わっていることがわかりました。
多くの人たちが途上国の発展のために仕事をしていますが、現地ではどんな問題が起こっているのでしょうか?
具体的な国際的な問題の例をご紹介します。
紛争・内戦
資源を巡って争ったり、異なる宗教の考え方の違いなどの原因から「紛争」が起こります。
また、野心的な政治家の影響で国の中で争う「内戦」が起こることもあります。
紛争について詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
教育問題〜低い基礎学力〜
途上国には教育を受けていない人が多く、読み書きができないなどの原因で貧困から抜け出せない状態にあります。
教育を受けることで職業を選択する幅が広がり、安定した収入を得られることによって家族を養うことができるようになるのです。
教育問題について詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
水と衛生
途上国では下痢が幼い子どもたちの死因に多くみられます。
水が汚染される理由として、下水のシステムが整っていないことや川に生活排水を直接流していることが考えられます。
人々の利用する水源も川の水ですから、汚染された水を使うしかなくなるのです。
参考 UNICEF 水と衛生