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持続可能な開発目標(SDGs)とは?内容と取り組みまとめ

公開日 2019.05.30 更新日 2019.06.24
by activo編集部


SDGsは一度は目にしたことがあったり、企業にも考え方が取り入れられるほど広く浸透している国際目標となっています。

しかし、

「そもそもSDGsってなに?」
「SDGsを達成するために団体や組織はどんな取り組みをしているの?」

このように考えていませんか?

それではSDGsの内容と具体的な取り組みついて説明していきます。

SDGsは「2030年までに貧困に終止符を打ち、持続可能な未来を追求する」ための17の目標

SDGsは「誰一人取り残さない」持続可能な社会の実現のために目標が立てられ、「17の目標」と「169のターゲット」で構成されています。
ここではSDGsの17の目標について一つずつまとめてみました。

なお、内容は国際連合広報センターのホームページをぎゅっとまとめたものです。

本文ではふれていませんが、「169のターゲット」について詳しく知りたい方はグローバル・コネクト・ネットワーク・ジャパンのサイトをご覧ください。


1.貧困をなくそう











世界が健康と教育の改善に向けた行動を取らなければ、2030年までに1億 6,700 万人の子どもが極度の貧困の中で暮らすことになります

世界の11%の人々は1日を1ドル90セント未満で過ごしている

世界人口の11%である約7億の人々は極度の貧困の中で暮らしています。
どのくらい極度な貧困かというと、1日を1ドルと90セント未満で暮らすことを指します。

このような環境の中では、健康、教育、水などにアクセスすることも難しい場合があります。


先進国の子どもたちも貧困の中で暮らしている

貧困は途上国だけでなく、実は先進国の問題でもあります。
豊かな国の3000万人の子どもは貧困のなかで生きているのです。

貧困は失業、災害、社会から疎外される状況に陥ることで起きます。

貧困をなくすために政府が雇用促進の政策を進めたり、企業が経済のノウハウを伝えたり、
子どもたちが教育を受けることができる環境を整える事で貧困を減少させることができます。


2.飢餓をゼロに

  









現在、飢餓に苦しむ7 億9,500万人と、2050年までに予測される世界人口増加分の20億人の食料を確保するためには、グローバルな食料・農業システムの根本的な変革が必要です

飢餓が生活のサイクルを壊す

飢餓になると栄養不良になり、病気にかかりやすくなります。
そして病気にかかりやすくなると、働くことが難しくなります。

世界で飢餓に苦しむ人が8億2100万人に達していて、
主に南アメリカとアフリカの地域で飢餓が起こっています

飢餓が起こる理由は、不安定な収穫活動や戦争によって作物を植える土地を失ったり、

食料の入手が困難になるからです。


安定した収穫システムが食糧難を防ぐ

先進国の私たちは食料に困ることがなく飢餓に無関係に思えますが、
世界の人口は増加する一方であり、2050年には今の人口より20億人増えます

人口が増えるとより多くの食料が必要になることから、世界で食糧の奪い合いが始まる可能性もあります。
争いを防ぐためにも安定した収穫ができる制度を作る必要がありますね。


3.すべての人に健康と福祉を












予防接種に10億ドルを費やせば、毎年100万人の子どもの命を救うことができます

健康な生活が豊かな社会を作る

医療技術は日々進歩していますが、その恩恵を受けられない人は世界にたくさんいます。
例えば、開発途上国で適切な医療を受けられる女性は半数しかいないのです。

途上国の人たちは適切な情報にアクセスすることが難しく、
体の仕組みを知らないために感染症にかかったり、暴力や差別によって健康的な生活が制限される場合もあります。

健康的な生活が得られないと、働くことができず、社会に出ることがでません。
高水準の医療を全ての人が受けられるようにすることが目標とされています。



4.質の高い教育をみんなに

  











開発途上国の小学校就学率は91%に達した一方、依然として5,700 万人の子どもが学校へ通えていない状況にあります

教育が貧困の連鎖を断ち切る

途上国では教育を受ける時間が増えるごとに所得格差が減少する傾向にあります。
教育を受け、知識を得ることで貧困から抜け出すスキルを身につけることができるのですね。


サハラ以南のアフリカでは就学率が低い

先進国では教育を受けることが当たり前のことでありますが、
世界では学校に通うことの出来ない子どもは5700万人にも及びます。

開発途上国の小学校就学率は91%に達しましたが、サハラ以南のアフリカでは多くの子が学校に通うことができません。


女性の就学率も低い

女性は不利な立場であることから教育を受けていない割合が高く、
スキルを身につけられないため、社会に出ていくことが難しくなります。

教育を受けることは貧困の連鎖を断ち切ることにつながります。
全ての人が教育を受けることで仕事に就き、生活を安定させることが求められます。



5.ジェンダー平等を実現しよう

  











上級・中級管理職に占める女性の割合は、平均で3 人に1 人に達していません

女性の活躍は社会を成長させる

2014年時点のデータによると、
男女平等を憲法で保障している国が143ヶ国に対し、52ヶ国では保障されていません。

女性や女児の地位が低いことで児童婚をさせられたり、男性から身体暴力性的暴力を受けています。
そして児童婚をすると教育を受ける機会を失い、就職することもできません。

男性のいいなりになって生きるしか選択肢がなくなってしまうこともあります。

女性が社会で活躍することは経済成長につながります。
あらゆる権利を男女平等に受けられる世界を目指しているのです。



6.安全な水とトイレを世界中に

  











世界人口の10人に3人が、安全に管理された飲料水サービスを利用できていません

安全な水の使用で命が救われる

約18億人が汚染された水を使用し、
約24億人がトイレや公衆便所などの衛生施設を使うことができません。

そして排水の80%以上は処理されないまま川や海に排出されています。

このような状態であるため、世界中で毎年200万人以上が下痢で命を落としています
そのほとんどが子どもです。

環境汚染の原因でもあり、死因にも大きく関わる水の問題を解決するために、
インフラ整備や管理システムを作らなければいけません。



7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに

  











全世界の人々が電球を省エネ型に変えれば、世界は毎年1,200億ドルを節約できることになります

化石燃料は限りがある

電力が普及する事で安定した経済を築くことができたり、夜でも勉強することができます。
私たちは電気を得るために石炭、石油、ガスなど化石燃料を使った発電をしてきました。

しかし、化石燃料には限りがあります。
化石燃料を使用することで地球温暖化を進行させ、環境を破壊することになります。

環境対策として、水力発電などの再生可能なエネルギーを使った発電に切り替えることが求められています。


普段の生活から省エネを心がけよう

私たちも、できるだけ公共交通機関を使用したり、コンセントをこまめに抜いたり、
電球を省エネなものに変えるだけで大きく世界が変わってきます。

できることから始めてみませんか?



8.働きがいも経済成長も

  











3,000 万件:世界の生産年齢人口の増大に合わせ、毎年、労働市場への新規参入者に提供する必要のある雇用の数

雇用を生み出すことが世界の安定に繋がる

この項目ではディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)という言葉がキーワードになります。
この言葉には公正な所得、安心できる社会保障、雇用を誰もが得られるという意味が含まれています。

しかし、2017年時点で世界人口の5.6%に当たる1億9200万人が失業しています。

もし、職に就いている人でも安定した賃金の高い仕事でなければ、
十分に家族を養うことができません。

また、職に就けないことで不安が生じ、平和が乱れないようにするためにも、
雇用を生み出すことが求められます。



9.産業と技術革新の基盤をつくろう

  











産業化による雇用増加作用は社会に好影響を与えます。製造業で雇用が1件増えるごとに、他の部門で2.2 件の雇用が生まれます

基礎インフラが経済成長を促す

多くの途上国では電力や水などの基礎インフラが未整備です。
基礎インフラがどれだけ整っているかでその国の成長が変わってきます。

産業の基盤があると雇用も生まれ生活が安定していきますが、
基盤がない状態であると貧困から脱出することができません。

また、技術革新をしなければ産業の発展が進まず、
医療の分野では先進国では救える病気でも技術がないため救えなくなってしまいます。

途上国が成長していくためには基礎的な基盤づくりが大切なのです。



10.人や国の不平等をなくそう












世界人口のいずれの部分を除いても、持続可能な開発を達成することはできません

不平等は社会全体にマイナスの影響を与える

世界には所得、障害、人種、宗教などを理由とした不平等があります。
そして、不平等の考え方が原因で人々の自尊心を奪ったり、必要なサービスが受けられないことがあります。

これは先進国、途上国問わず起こり得る問題です。
社会が発展していくためには誰も排除してはいけません。


11.住み続けられるまちづくりを

  











2030年までに、50億人が都市で暮らすことになると予測されています

スラムの巨大化を止め、住みやすい環境を整える

世界の人口は増加する一方であり、
2030年までに都市に住む人の数はあと15億人増える見込みです。

ずさんな都市化が環境に大きく影響してきます。
例えば、スラムの巨大化です。
スラムの人口は8億3300万人であり、スラムでの生活環境は悪く寿命を縮めたり、GDPも低下させます。

また、今住んでいる街に住み続けられるように生活環境を考えることが大切です。
例えば、まちの治安は良いか、大気汚染はないか、近くに医療施設は整っているかなどを確認してみましょう。



12.つくる責任つかう責任












世界人口が2050年までに96 億人に達するとすれば、現在のライフスタイルを維持するために、ほぼ3つの惑星が必要になります

持続可能な消費と生産のバランスをめざす

人口が増えると今までよりもさらに天然資源を消費します。
今まで使ってきたようなエネルギーの使い方では地球が汚染されていきます。

実際に、川や海は浄化される前に再び私たちが汚染しています

自分たちが食べる分だけ、使う分だけを生み出して、出来るだけゴミや資源のムダを減らすことが求められています。


13.気候変動に具体的な対策を












パリ協定により、新興市場で気候変動対策に対応する投資として23 兆米ドルに相当するビジネスチャンスが生まれました

エネルギーの使い方を考える

異常気象により南極の氷が溶けていく映像を誰もが一度は見たことがあると思います。
その原因となっているのは地球温暖化です。

私たちは暮らしの発展のためにたくさんのエネルギーを使ってきました。
その影響から、地球全体の気温が上昇しています。

対策をせずにいると、気候変動が起こり災害を引き起こします。

手遅れになる前に企業や個人がエネルギーの使い方を考え直す必要があります。


14.海の豊かさを守ろう












海洋と沿岸の生物多様性に生計を依存する人々は、30 億人を超えています

海洋ゴミと魚の乱獲から海を守ろう

海は私たちの暮らしには欠かせない重要な天然資源でもあり、観光資源でもあります。

しかし、海ではゴミの問題が深刻です。

海洋ゴミが魚や鳥の体内に入ることで命を落としたり、綺麗なサンゴ礁の海をゴミだらけの海に変えています。
汚染された結果、世界のサンゴ礁の20%が失われています。

また、乱獲による漁業の損失も大きな問題です。

私たちにできることは、海の環境を守るために電気の使い方を見直したり、
プラスチック製品の使用を控え、使用したらリサイクルする事です。

海の環境問題に目を向け、意識するだけで環境は変化していきます。



15.陸の豊かさも守ろう












16億人近くが生計を森林に依存し、その中には7,000万人の先住民が含まれます

森林が私たちの暮らしを支えている

海と同様に森林も私たちの暮らしと密接に関わっています。

実は、世界の動植物・昆虫の80%以上が森林にいます
生態系のバランスを壊さないためにも森林を維持、管理していく必要がありますね。

森林が破壊されると生態系が壊れるだけでなく、土壌浸食によって土地が変化したり、大気の炭素の排出量が増えます。

森林を守ることは自分たちの生活のためにもなるのです。



16.平和と公正をすべての人に

  











持続可能な開発目標を達成するためには、平和で公正かつ包摂的な社会が必要です

暴力と平和について関心を持ちましょう

平和で公正な世の中であることは人々が安心して生活できる環境を生み出します。

例えば、法律や政策は差別することなく、すべての人々のために作られなければなりません。
紛争も解決される必要があります。

誰にとっても住みやすい世の中にするためには、私たちが暴力や平和について関心を持つことから始まります。



17.パートナーシップで目標を達成しよう












各国が定めた開発の優先課題と成果に見合う開発協力を行うためには、特に脆弱な国々で、より一層の取り組みが必要です

世界の全員が目標達成に向けて行動しましょう

SDGsを達成するためには政府や国際機関だけでなく、民間である私たちの協力も不可欠です。

「誰も置き去りにしない」ための17の目標を達成するために、
SDGsの達成に向けた活動をしている団体で活動してみませんか?


SDGsの前身であるミレニアム開発目標(MDGs)

次にSDGsの前身であったミレニアム開発目標(MDGs)について説明します。


2015年までに貧困撲滅するための8つの目標「ミレニアム開発目標」

ミレニアム開発目標は貧困撲滅のために2015年までに8つの目標を達成することを定めたものです。
極度の貧困や飢餓の撲滅、初等教育の完全普及など全部で8つの目標が定められていました。


ミレニアム開発目標は一部の目標を達成できなかった

2015年までに一部の目標は達成したものの、乳幼児・妊産婦の死亡削減などは未達成に終わりました。

ミレニアム開発目標の成果としてあげられる例は、
初等教育の普及が2011年には93%に達したり、HIVやエイズ、マラリアなどの感染者が大幅に減ったことです。

世界的にHIV感染者が2001年から2011年の間で21%下がり、
2000年から2011年にかけてマラリアの死亡率は世界的に25%以上減少しました。

達成できなかった目標に加えて、今の世界の問題を解決するために作られた目標が今のSDGsです。

参考 国際連合広報センター


政府・NPOやNGO・企業によるSDGs目標達成のための取り組み

ここまででSDGsの内容についてお伝えしてきました。

SDGsが大切なことはわかりましたが、目標達成のためにどんなことをしているのでしょうか?
SDGsを達成するために政府やNPO・NGO、企業が取り組んでいる活動を紹介します。

政府

日本政府は、2016年5月に「女性の活躍推進のための開発戦略」を発表し、この分野における国際協力を強化しています

日本政府はジェンダー平等を実現するために「女性の活躍推進のための開発戦略」を発表しました。

具体的には、インドで女性専用車を作り、防犯設備が整ってた地下鉄システムを支援しています。
安全な地下鉄を作ることで女性も安心して外に出ることができ、女性の社会進出のための良い取り組みですね。


日本は、地震や台風など過去の自然災害の経験で培われた自らの優れた知識や技術を活用し、緊急援助のみならず、事前の防災対策及び災害復旧復興において積極的な支援を行っています

防災面でも日本は支援をしています。

日本は災害大国であり、災害に対する知識が豊富です。
その知識を生かして国際的な防災戦略に助言しています。

参考 外務省 持続可能な開発のための 2030アジェンダと日本の取組


NPO・NGO

先進国では健康に配慮したメニューを推進し、開発途上国では子どもたちに学校給食を届けることを通じて、7つのゴール達成に貢献しています

引用 TABLE FOR TWO SDGsのゴールと達成に向け高まる、企業との協働

女性に識字や子育ての知識を教える取り組みをされていたり、
企業とコラボして飢餓の子どもを救うために学校給食を提供しています。

今まで学校に来ていなかった子どもも、給食がきっかけで学校に来るようになり、教育を受けることができます。
こうして、貧困から脱出する知識を得ることができるようになります。

もちろん、途上国の支援だけでなく先進国でも活動は行われています。
社員食堂で健康に配慮した献立を提供し、人々の健康を守ると共にメニュー代金の一部を寄付する取り組みがあります。


企業

ゴミゼロの引越をめざして、紙資源を使わないエコ楽ボックスシリーズの開発、ダンボールのリユース(再利用)を進めています

引用 アートグループの SDGsの取り組み

引越業者ではゴミを出さないようにするために紙資源を使わないボックスの開発をしています。
繰り返し使えるボックスを使う事で資源の利用を大幅抑えられますね。

また、ダンボールを再利用するために使用ずみのダンボールを回収しています。


途上国などの生産者に対して、原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、生産者や労働者の生活改善と自立を目指す

引用 わたしたちができること【京都 小川珈琲 SDGs宣言】

コーヒー豆を扱っている企業ではフェアトレード認証を受けた豆を使っています。

実はコーヒーの産地は開発途上国が多く、豆の価格を知らない小規模な農家は公正な取引をされていない場合があります。
公正なコーヒー豆を購入する事で、農家の家族の生活が安定し、より良い労働条件を保障できます。


SDGsはすべての人に関わる目標

今回はSDGsの内容と具体的な取り組みについてお話ししました。

SDGs17の目標は途上国、先進国関係なく
政府、国際機関、企業、NPO・NGO、大学、民間それぞれの役割があり、世界の全員に関係するものですね。

SDGsに少しでも興味を持っていただけましたでしょうか。
ひとりひとりの意識で世界を変えることができます。

SDGsの目標達成に向けてできることから始めてみませんか?


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    この記事のライター

    activo編集部

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