「プロボノってなに?参加してみたいけれどプロボノの参加手順がわからない」
「被災地のため、防災のために何かしたいけど何からしたらいいの?ボランティア前に最低限知っておくべきことは?」
このような疑問やお悩みを解決するため、サービスグラントのホームページやプロボノ経験者のブログ、内閣府、首相官邸、全社協等の情報をもとに、5年間災害や防災を専門的に学んだ筆者がまとめました。などを元に、ガイドページをご用意致しました。
プロボノとは自分のスキルや専門知識を生かすボランティア
プロボノとは、サービスグラントによると、
社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや専門的知識を生かしたボランティア活動
と説明されています。
そもそも、プロボノのはじまりは弁護士などが無料で相談や弁護をはじめたことがきっかけとされています。
プロボノの語源は「公共善のために」を意味するラテン語「Pro Bono Publico」です。
そのため、プロボノ活動は「お金」のサポートではなく、「スキル」でサポートすることを目的としています。
現在では、法律業界だけでなく、一般企業で働く様々な職種の方が社会問題と向き合うために自分のスキルを提供されています。
プロボノの魅力・メリットは「価値観を広げられる」&「スキルアップ」につながること
プロボノ活動は業種や職種も「バラバラなメンバー」で活動するので、新たな発見を得られます。
また、自分の仕事が社会の役に立つ経験を通して、自分の仕事の価値を再確認することができます。
さらに詳しくプロボノの魅力について知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
プロボノの具体的な仕事内容
では、どのような職種の方がプロボノとして活躍されているのか詳しくみてみましょう。
デザイナーやマーケティングなどの多様な職種が活躍
例をあげると、
などがあります。
詳しくはサービスグラントのサイトを見ていただくと、さらに詳しく知ることができます。
実際にプロボノをした方の体験談が知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
プロボノ参加前の心がまえ
プロボノに参加する前に知っておいてほしいことをまとめてみました。
どのような意識で取り組むべきなのかみていきましょう。
プロボノは難しい活動であることを知っておく
「プロボノ」はプロとして求められる活動です。
そのため、求められるレベルも高く、「難しい」と感じる場面が多くあります。
その「難しさ」を受け入れる覚悟があるかもう一度考えてみましょう。
団体と「共同で作り上げる姿勢」で参加する
活動中は、団体側と課題解決のために「共同で作り上げる」という姿勢を持つことが大切です。
逆に、「教えてもらう」姿勢で活動に取り組んで学びを吸収しましょう。
課題・ニーズの共有を行う
自分が持つスキルが団体の根本的な解決に結びついているか確認しましょう。
ニーズにあったものが作れないと、団体側にもプロボノ側にも負担になってしまうだけですね。
責任を持って最後までやり遂げる
様々なバックグラウンドを持った人たちが集まるため、業務がスムーズにいかないことはよくあります。
どんな状況でも、柔軟に対処できるようにしましょう。
さらにプロボノ参加前の心がまえについて知りたい方は以下のリンクをご覧ください。
参考 サービスグラント プロボノワーカーの声
プロボノの参加前から参加後までの流れ 〜自分で調べて参加するパターン〜
プロボノに参加する方法には「自分で探す場合」と「プログラムを利用する場合」の2つがあります。
最初に「自分で探す場合」の参加の流れを紹介します。
自分にあう団体をネットで見つける
自分のスキルが活かせるか確認が必要です。
NPOに直接アポイントを取る方法もあります。
プロボノに応募する
自分で直接団体側に連絡を取るときは、自分のプロフィールを相手の団体にわかりやすく伝えることを心がけましょう。
実際にプロボノとして参加する
業務を始める前に支援先団体と支援者との認識の確認が重要。
プロジェクトが始まる段階でも、目的が曖昧だったりすることもあり、プロボノ側が整理して、課題を見つけ進めていくこともしばしばあるようです。
参考 note はじめてのプロボノ 体験記 ~プロジェクトスタート編~
成果物の提出をしてプロジェクト終了
支援先の団体に成果物を確認してもらい、細かな修正を加えてプロジェクトは終了です。
自分で調べてプロボノに参加する場合について詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
プロボノの参加前から参加後までの流れ 〜プログラムに参加するパターン〜
続いて、「プログラム型」のプロボノに参加する場合の流れを説明していきます。
説明会などに参加する
サービスグラントさんのサイトを利用する場合、まず最初にweb上でスキル登録をします。
その後、プロボノワーカーとの交流会や説明会の参加が必要になります。
実際にプロボノとして参加する
自分の経験から希望する職種を選びます。
条件がマッチした団体と連絡を取り合い、プログラムに沿って活動が始まります。
成果物の提出をしてプロジェクト終了
支援先の団体に成果物を確認してもらい、細かな修正を加えます。
例えば、チラシ作成プロジェクトだった場合、作成したチラシをSNSで拡散するために「Facebookを始める提案」や「今後のチラシ活用案の提案」をします。
プログラムを利用してプロボノに参加する場合について詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
参考 note はじめてのプロボノ 体験記 ~プロジェクト完了編~
そもそも災害とは何を指すのか
災害とは自然現象そのものではなく「社会に被害を及ぼしたもの」を指す
毎年、災害が発生している災害大国日本。
しかし、「地震」「豪雨」そのものは「災害」ではありません。
あくまで自然現象であり、その自然現象が社会に被害を及ぼしたときはじめて「災害」となります。
自然現象が大きいだけでなく人や社会の脆弱性が関係しているといえます。
総務省・文科省設置の防災科学研究所や気象庁を参考に、日本でよくみられる災害についてまとめてみましたのでご覧ください。
地震
地震は大きく分けて2種類。
内陸型地震(断層型地震)と海溝型(プレート境界型)があります。
- 内陸型地震は断層のずれが原因で起こる、突き上げるような短い縦揺れが特徴です。
- 海溝型地震は、大陸プレートがひずんだり、戻ったりする力によって起きる津波を伴いやすく、長い横揺れが特徴です。
津波
地震により、海底が隆起もしくは沈降するのに伴って海面変動が大きな波となり到達するものです。
必ずしも海溝型地震のみで起こるとは限らず、阪神・淡路大震災でも小規模な津波を観測しています。
東日本大震災では15m以上の津波を観測、6県に浸水被害が出ました。
豪雨(台風)・洪水など水害
台風や梅雨前線をはじめとした大雨の影響で、川の増水や決壊を起こし、被害を及ぼすものです。
水害が土砂災害を引き起こすこともあります。
土砂災害
土砂災害といわれるものにも、実は3つの種類があります。
①がけ崩れ:急な斜面が崩れ落ちる現象。
突然起きるため、避難する間もなく被害が出る場合も少なくありません。
②土石流:大雨などにより、巨石や土砂などが一気に下流へと押し流される現象。
高速で流れるため、一瞬のうちに人家などを壊滅させる破壊力があります。
③地すべり:ゆるやかな斜面がすべるように移動する現象。
ゆっくりではありますが、 移動する斜面の規模が大きいのが特徴です。
火災
日本における発災原因は日の不始末や放火がほとんど。
また、地震発生後の二次災害で発生することも多くあります。
火山噴火
首相官邸によると、
災害として認識の低い火山噴火ですが、日本には111もの活火山が存在。
噴火により噴出される火山灰や火山ガスは広範囲に影響を及ぼすため、人への健康被害・農作物への被害が懸念されます。
1995年以降に発生した災害
内閣府が発表した平成30年版防災白書(附属資料)や全社協「災害アーカイブ」をもとに、1995年以降にボランティアが活発に動いた災害の一部を紹介します。
阪神・淡路大震災(1995年1月発災)
1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震では、気象庁観測史上初の震度7を観測。
全国各地から救援が広がり、ボランティア元年といわれました。
東日本大震災(2011年3月発災)
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震。
M9.0、震度7を観測。
さらに、津波や福島第一原発事故発生による風評被害などの影響により、甚大な被害が及びました。
2014年広島土砂災害
広島県内の複数の地区で土砂災害が発生。
「真砂土」という広島県周辺の地質が大きく影響しました。
この被害を受けて土砂災害防止法が改正されています。
さらに、広島では2018年にも平成30年豪雨による大きな被害が出ています。
平成28年熊本地震(2016年4月発生)
2016年4月、2度にわたる震度7を観測。
「前震」が認知され始めたのはこの地震からのことです。
平成30年豪雨災害
台風と梅雨前線による約10日間の豪雨が発生。
西日本を中心に河川の氾濫や洪水によって甚大な被害が発生しました。
北海道胆振東部地震
2018年9月6日に発生し、震度7を観測。
火力発電所の緊急停止によるブラックアウトで広範囲の停電も起こりました。
災害ボランティアに行く前に知っておくべきこと
災害時に聞くわかりにくい言葉
災害発生前の元の状態に戻すことが「復旧」災害前よりも良い状態・生活にすることが「復興」
まずは、よく耳にする「復旧」と「復興」の違いを簡単にすると、
「復旧」とは、災害発災前の元の状態、元の生活に戻すこと。
「復興」とは、災害前よりも良い状態、生活にすること。
となります。
発災直後の緊急時に募集されるボランティアは主に「復旧」に関わるものだということです。
しかし、明確な期間の区切りはなく、同時進行で行われることがほとんどです。
「義援金」と「支援金」の違いは全額が被災地に届くかどうかが異なる
街中やテレビでよく見かける募金活動。
「義援金」と言っていたり、「支援金」と言っていたり。
「募金」であることに間違いありませんが、何が違うのでしょうか。
義援金と支援金の違いは「全額 被災地へ届けられるかどうか」です。
義援金は「お金」として、被災地に全額届けられます。
それに対し、支援金は団体が被災地へ行くための交通手段、活動に必要な道具を買うお金として使われることもあります。
災害支援で利用できる「災害ボランティア保険」
災害関連のボランティアを行うにあたり、重要なのが、ボランティア保険です。
復興ボランティアにも使用できる場合もあるのでチェックしてみてくださいね。
災害直後、被災地支援に行く前に全社協ホームページでニーズ確認
災害時、迅速に被災地支援のボランティアに行くことも大切ですが、現地のニーズが最優先です。
全社協や被災地域の社会福祉協議会がボランティアセンターを開設する場合、ホームページで情報を公開しています。
そのほか、気象庁、総務省消防庁やNHK生活・防災の公式Twitterアカウントでもリアルタイムの情報が公開されています。
参考にしてみてくださいね。
災害ボランティアには大きく分けて2つある
災害とは何かわかったところで、災害ボランティアの種類について紹介していきます。
災害関連ボランティアは大きく2つ、発災前のものか、発災後のものに分かれます。
発災前のボランティア「防災」「減災」
発災前、すなわち防災や減災といった活動のボランティア。
「防災啓発(防災教育)」や「防災意識向上」を目的とした活動が中心になります。
各自治体や消防団が主催となる防災訓練もその1つです。
発災後のボランティア「復旧」「復興」
次に、発災後。復旧ボランティアと復興ボランティアがあります。
明確な定義はありませんが、復旧ボランティアでは、主に、がれきの撤去や清掃、避難所運営などがその例です。
発災後は、次に起こる災害に対しては発災前でもあるため、次の災害に向けた防災・減災の取り組みが必要です。
災害後を想定してまちづくりや都市計画を行う「事前復興」の考え方も進んでいます。
災害に関連する社会問題
災害に関連する社会問題も多くあります。
災害時要援護者
災害時要援護者とは、主に、高齢者や障がい者、一時的な行動支障のある妊婦・傷病者、情報を得にくい外国人、理解力判断力の乏しいこどもなど「災害から身を守るため、安全な場所に避難す るなどの一連の防災行動をとる際に、支援を必要とする人々」を指します。
以下のように内閣府から報告されています。
平成 23 年 3 月の東日本大震災においては、非常に多くの尊い命が失われ た。その中でも、被災地全体で 65 歳以上の高齢者の死亡率が約 6 割であり、 また障害者の死亡率は被災住民全体の死亡率の約 2 倍等となるなどの調査も なされている。
風評被害
東日本大震災による原発事故の影響で起きた風評被害。
正確な事実が伝えられないことで広まった噂などにより、大きな経済的・倫理的影響を及ぼすことです。
被災地の人口減少
風評被害も原因の1つである被災地の人口減少。
県外避難後そのまま移住、立ち退きを命じられた、危険区域に指定されたなど理由は様々ではありますが、被災地の大きな課題といえます。
PTSDと心のケア
厚生労働省によると
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、強烈なショック体験、強い精神的ストレスがこころのダメージとなって、時間がたってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるものです。
突然、怖い体験を思い出すフラッシュバック、めまい、頭痛、眠れないといった症状が出ることがあります。
災害関連死
災害直後は助かったが、その後命を落としてしまう「災害関連死」も少なくありません。
主に、避難所生活・車内泊や、孤独死などがあげられます。