「国際協力って何?誰が、どんなことをしているの?途上国で起きている問題について知りたい」
「国際協力ボランティアに参加したいけど、自分には何ができるの?何に注意すべき?」
このようなお悩みを解決するために国際協力についてお話ししていきます。
国際協力とは「国際社会の平和や安定のための様々な活動」のこと
そもそも国際協力とは何なのでしょうか。
JICAによると、国際協力とは、
国際社会全体の平和と安定、発展のために、開発途上国・地域の人々を支援すること
と定義されており、途上国への支援などの幅広い活動を指していることがわかります。
目標はSDGsの17のゴール
誰もが暮らしやすい社会を達成するために、国連は「持続可能な開発目標(SDGs)」を定めています。
17の目標が設定されていて、多くの企業やNPO・NGOが目標に合わせて取り組みをしています。
SDGsについて詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
国際協力に関わる様々なアクター
国際機関や政府などだけでなく、民間企業や自治体も国際協力の役割を担っています。
国際協力機構(JICA)
JICAはODA(政府開発援助)を一元的に行っています。
ODAとは政府が開発途上国に行う資金や技術の協力のことをさします。
具体的な取り組みの一つに、「水道や電気の整備」があります。
日本は世界181カ国・地域に支援をしていて、特にアジアを中心として支援しています。
ODAについて詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
国際機関(国家が集まって作られる団体のこと)
国際機関は国際連合を中心に、多数の専門機関で構成されています。
例を2つを紹介します。
1. 国際連合
紛争を終結させて和平を結ばせたり、紛争解決のための仲介や停戦の指示などを行っています。
国連について詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
2. 世界銀行
世界銀行は途上国の貧困削減や開発支援を目的として「資金を貸す」ことや、「資金を提供」したりします。
金銭面だけでなく、「技術を伝える」取り組みもあります。
世界銀行について詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
NGOやNPOなどの非営利組織
NPO・NGOの役割は政府や行政では行き届かない支援を民間の立場で解決することです。
地域に密着したきめ細かい支援が可能であり、ニーズに合った活動ができます。
さらに、支援現場からのデータを分析した情報と専門知識を提供することで、途上国の現状を伝えることができます。
また、社会問題の当事者、代弁者として問題解決のために声をあげて活動することもNPO・NGOの役割の一つです。
参考 JVC NGOの役割を考える
民間企業
企業のCSR(企業の社会的責任)の考え方から国際協力をする企業が増えています。
例えば、ソフトバンクモバイル株式会社の場合、ケニア共和国で通信サービスの支援を行っています。
企業の培った技術を途上国に伝えるのですね。
また、技術提供だけでなく、NGO団体に寄付をする会社もあります。
参考 Softbank CSRトピックス 2013年
地方自治体
あまり地方自治体が国際協力に関わっているイメージは無いかと思いますが、実は途上国のまちづくりのためにノウハウを提供するなどの形で、発展に貢献しています。
具体的には、自治体がこれまで培ってきた、上下水道、廃棄物処理、保健衛生・母子保健、社会福祉、農業普及、公共交通などの分野のノウハウを、JICAを通して、途上国の自治体に提供しています。
参考 JICA 自治体との連携
市民・ボランティア
市民は国際協力の活動に参加することで途上国の問題を身近な問題として意識することができます。
国際交流事業に参加して世界の様々な文化に触れ、理解を深めることで社会問題に関心が高まりますね。
また、帰国したボランティアの市民が国内の課題解決に活用されることもあります。
開発途上国で起きているさまざまな問題〜紛争・教育・水と衛生〜
ここまでで国際協力では国際機関から市民の私たちまで、幅広い人たちが関わっていることがわかりました。
多くの人たちが途上国の発展のために仕事をしていますが、現地ではどんな問題が起こっているのでしょうか?
具体的な国際的な問題の例をご紹介します。
紛争・内戦
資源を巡って争ったり、異なる宗教の考え方の違いなどの原因から「紛争」が起こります。
また、野心的な政治家の影響で国の中で争う「内戦」が起こることもあります。
紛争について詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
教育問題〜低い基礎学力〜
途上国には教育を受けていない人が多く、読み書きができないなどの原因で貧困から抜け出せない状態にあります。
教育を受けることで職業を選択する幅が広がり、安定した収入を得られることによって家族を養うことができるようになるのです。
教育問題について詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
水と衛生
途上国では下痢が幼い子どもたちの死因に多くみられます。
水が汚染される理由として、下水のシステムが整っていないことや川に生活排水を直接流していることが考えられます。
人々の利用する水源も川の水ですから、汚染された水を使うしかなくなるのです。
参考 UNICEF 水と衛生
国際協力ボランティア参加に必要な事前準備
では、国際ボランティアに参加する前に何をすればよいのでしょうか?
いくつか注意するべきことをまとめてみました。
現地の文化を調べる
渡航前に現地について知識をつけておきましょう。
現地の方と話す時に英語を主に使っていても、現地の言葉で挨拶やちょっとしたコミュニケーションをできるようにしておくと親しみを感じてもらえます。
現地の人とコミュニケーションをうまく取れることで現地の方の要望や事情がより理解でき、ニーズに合った活動ができますね。
現地の生活に慣れるためにも渡航先の情報はできるだけ集めておきましょう。
予防注射を打つ
途上国には日本にはない病気があり、免疫がないまま渡航するのは危険です。
免疫ができるまでに時間がかかるため、出発の3ヶ月以上前からワクチン接種をしておくことをおすすめします。
現地で感染症を防ぐために、食べ物は火の通ったものを口にしたり、野犬にむやみに近づかないようにしましょう。
詳しい海外の感染症対策については首相官邸ホームページ 海外での感染症対策をご覧ください。
現地の治安・犯罪について確認する
治安を確認する
日本は比較的安全ですが、途上国では治安が悪く、一人で出歩くことが危険な場所もあります。
外務省海外安全ホームページで渡航先の治安を確認しましょう。
犯罪対策をする
途上国は犯罪が日本より多いです。
身を守るために防犯グッズをそろえましょう。
ダイヤル式の南京錠をカバンのチャックに取り付けたり、スキミング防止用のパスポートケースを使うと効果的です。
海外保険に加入する
海外では交通マナーが悪く、事故に巻き込まれる可能性や盗難に遭う可能性が非常に高いです。
また、日本とは違う環境の中で活動することで免疫力も落ち、病気にかかりやすくなります。
そして海外で病院に行くと、日本とは違い高額な医療費がかかります。
手術するとなると何十万、入院となるとさらに費用がかさみます。
「病気は滅多にならないから大丈夫」と思っているかもしれませんが、万が一に備えて海外保険に加入しましょう。
現地生活の注意点を知る
信頼関係を築く
まずは、現地のスタッフとたくさん話して信頼関係を作りましょう。
関係作りができていないと活動する中で問題が生じやすくなります。
主に英語でのコミュニケーションだと思いますが、「おはよう」を現地の言語で話してみたり、
現地の言葉を会話に取り込むことでより親しみを感じてもらえます。
関係性が築けてきたら、現地の方を活動のメインで動かしてもらい、支援者は活動をサポートする側に回りましょう。
ボランティアに行く方は現地の人に「教える」という立場ではなく、「協力しながら一緒に活動する」という気持ちで接することが大切ですね。
物乞い
道を歩いていると小さい子どもやおばあさんがお金を求めてきたり、物を求めてきます。
実は物乞いはビジネス化されている場合があり、渡したお金が物乞いをしている人でなく、元締めに回っている事実もあります。
物乞いをされて、どうしてもその人を助けたいと思うならお金ではなくその人が欲しい物を直接渡しましょう。
例えば子どもであれば食べ物を買って一緒に食べたり、赤ちゃんを連れているお母さんであれば粉ミルクを買ってあげるなど、物を直接渡すようにします。
現地の人や団体に注意されたことは守る
現地での活動をするときはボランティア団体や現地の人からの注意をよく聞いて守りましょう。
一見安全そうな場所でも夜になると現地の人も避けるエリアだったりします。
現地のことをよくわかっている人の話を聞くことでトラブルに巻き込まれることを未然に防ぎましょう。
国際協力に関わる5つの方法を紹介
インターンやボランティアをする
多くのNPOやNGOが募集しているため、ネットで検索して自分の条件にあうものを見つけることができます。
忙しい方も参加しやすい1週間などの短期間プログラム、長期休みを利用した1~2ヶ月のプログラムや1年に及ぶ長期のプログラムまで、インターン・ボランティアには多様なプログラムがあります。
インターンやボランティアに参加するとリアルな途上国の現状や課題を知ることができ、日本いてはわからなかったことが見えてきます。
できれば1ヶ月以上滞在すると現地の生活が見えてくるのですが、学校などの都合もあると思うので自分のプランにあったものを探してみてはいかがでしょうか。
activoではインターンやボランティアを掲載しております。ぜひご覧ください。
activoの海外プログラム
activoの国内外インターン
activoの国内ボランティア
国際協力のイベントに参加する
国際協力のイベントは様々な団体が開催しています。
イベントでは途上国で起こっている問題について講演会や国際協力を仕事にしていきたい人向けのセミナーなどがあり、幅広く国際協力について知ることができます。
JICA主催のイベント情報 https://www.jica.go.jp/event/index.html
activoが掲載しているイベント情報
青年海外協力隊に参加する
任期は基本2年間で、自分が持っている知識や技術をボランティア活動に生かすことができる制度です。
JICAのプログラムなので安全面もきちんと管理されていたり、帰国後のキャリアサポートも受けれるので安心して活動することができます。
応募できるのは20~69歳の方で、日本国籍を持つ方なら何回でも応募できます。
募集分野も農林水産、保健衛生、教育文化、スポーツ、計画・行政などと幅広い分野で募集がされています。
くわしくはJICA海外協力隊ホームページをご覧ください。
プロボノとして活動する
プロボノとは専門分野の知識を持った人がその知識を活かして社会貢献をすることを指します。
国際協力ではお金関連、教育、医療、食料、インフラなど生活全般に関わる知識を必要としています。
プロボノを募集しているNPO団体は増えてきているため、ネットなどで団体を見つけることができます。
activoではプロボノの募集を掲載しております。興味のある方はぜひご覧ください。
activoのプロボノ応募サイト
寄付をする
寄付というとお金のイメージがありますが、お金の寄付だけでなく本・文房具の寄付もできます。
途上国の子どもは何年も使い回したボロボロの教科書や本を使っています。
そんな子どもたちにとって白い紙とペンは宝物です。
もし家で使わなくなったノートやペンがあれば捨てるのではなく、寄付されてみてはいかがでしょうか?
activoでは物品寄付の募集を掲載しております。興味のある方はぜひご覧ください。
activoの物品寄付サイト
自分のスタイルで国際協力に参加しましょう
「国際協力をする」というと自分がボランティアに行って現地の人のために活動するというイメージがありますが、国際協力の関わり方は色んな方法があるのですね。
社会問題に少しでも関心を持ったり、問題を解決するためにはどうしたら良いのかな?と考えるだけでも十分です。
国際協力というとハードルが高いように思えますが、まず興味を持つことが第一歩ですね。
社会問題について一緒に考えていきませんか?