「地域活性化の仕事にはどんなものがある?地域活性化・まちづくりを仕事にするにはどんな方法がある?」
「ソーシャルビジネスって何?ソーシャルビジネスに関わる方法って?」
このような疑問やお悩みを解決するため、「まちづくりの仕事ガイドブック まちの未来をつくる63の働き方」(饗庭 伸編著/ 小泉 瑛一編著/ 山崎 亮編著)の本や総務省のホームページ、内閣府が提供する情報やactivoの代表取締役である小澤の監修などを元に、ガイドページをご用意致しました。
地域活性化に関わる5つの仕事分野
では、5つの仕事分野をみていきましょう。
プロジェクトを起こす仕事
以下に具体的な職業の例を挙げてみます。
- 地域おこし協力隊・集落支援員
- コミュニティーデザイナー
- NPOまちづくりセンター
- 社会起業支援
ここであげた仕事は、「よそから来た人」がその土地に住む人と協力して問題解決に取り組むような仕事になります。
いくらアドバイスできる立場だからと言って、提案ばかりするのではなく、現地に住んでいる方とコミュニケーションをとってプロジェクトを進めていることが求められます。
まちの設計・デザインする仕事
まちづくりの中で建築関係の仕事は必要不可欠です。
例えば、以下のような仕事があります。
- ゼネコン
- 設計事務所
- 工務店
- アートディレクター/グラフィックデザイナー
「まちをつくる」ことで活性化につなげる仕事です。
土地・建物を動かすビジネスの仕事
- 鉄道
- 再開発コンサルタント
- 建築・不動産プロデュース
例えば、鉄道の再開発によって人の動線も変化します。
その変化を生かして、カフェなどを作ってまちに人を集める工夫がされます。
まちづくりを支える調査・計画する仕事
「まちづくりコンサルタント」って何?
「編集者」の仕事にはまちづくりって関係があるの?
このように思われる方も多いのではないでしょうか。
「まちづくりコンサルタント」の役目は地域の活力を向上させるための取り組みを考える仕事です。
「経営コンサルタント」という職業がありますが、そのまちづくり版と考えていただくとイメージがつくかと思います。
また、「編集者」の仕事ではまちづくり活動を雑誌などのメディアで取り上げ、地域盛り上げていくことがで来ます。
制度と支援の仕組みを作る仕事
国や都道府県、市町村がまちづくりに関して制度や大きな仕組みを作るものの、地域ごとに問題をどうしてもカバーすることは難しいものです。
そこで、NPOは地域に入り込み、独自に問題にアプローチした活動を行います。
NPOなどの団体が起こした地域活性事例については以下の記事をご覧ください。
地域活性化に関わるその他の方法
観光資源や名産を利用してまちおこしをしたり、イベントを開催してまちに人を呼びます。
地域活性化の5つの関わり方
5つのアイデアを紹介します。
スキルを生かす
例えば、デザイナーや設計士としての経験がある方は、コミュニティーデザイナーやアートディレクター/グラフィックデザイナーとして活躍することが可能です。
また、コンサルの経験がある方は、「まちづくりコンサルタント」などの職業で街を活性化させる活動に関わることができます。
「地域おこし協力隊・集落支援員」に参加する
地域おこし協力隊員
おおむね活動期間は1年以上、3年以下で、日本の過疎化が進む地域で地域おこしに貢献する活動です。
例えば、地域ブランドの開発やPRを行います。
参考 総務省 地域おこし協力隊の概要
集落支援員
総務省によると、集落支援員とは、
地域の実情に詳しい人材で、集落対策の推進に関してノウハウ・知見を有した人材
を指し、活動内容は、
集落支援員が、集落への「目配り」として、集落の状況把握、集落点検の実施、住民と住民、住民と市町村の間での話し合いの促進等を実施
すると説明されています。
住民同士で集落を維持していくためのアドバイザーのような立場にある仕事です。
地域活性化事業を展開するNPO法人で働く
地域の過疎化や経済力の低下という問題を抱えた地域のために活動しているNPOで働くのも一つの手段です。
仕事内容としては、地域社会を活性化させる仕組みづくりや資金調達など多岐にわたります。
地域ごとの問題に合わせて活動が展開されます。
起業や独立をして仕事する
その地域をアピールするために、webデザイナーやカメラマンなどのクリエイティブなスキルを持つ方は地域活性化に役立ちます。
また、自分が興味のある分野で起業することも一つの手段です。
「ボランティア」に参加する
「仕事があるけれど、まちづくりに参加してみたい」
「副業や複業でまちづくりに携わりたいが、どんなことができるか分からない」
「将来まちづくりに関係する仕事をしたい」
このような方は1度ボランティアに参加してみてはいかがでしょうか。
実際にその土地で活動する中で新たな視点や発見が得られるでしょう。
学生の場合は、長期休みを利用してガッツリボランティアすることも可能ですね。
1〜2週間以上現地で過ごすことで、その土地への理解が深まります。
参考 村おこしNPO法人ECOFF
ソーシャルビジネスとは、社会問題をビジネスの力で解決すること
経済産業省によるとソーシャルビジネスについて以下のように説明されています。
地域社会の課題解決に向けて、住民、NPO、企業など、様々な主体が協力しながらビジネスの手法を活用して取り組むのが、ソーシャルビジネス(SB)
ソーシャルビジネスは「社会的企業」とも言われます。
また、ビジネスを通して社会課題が解決されるだけでなく、地域の雇用を生み出すため、地域活性化につなげることも目的とされています。
実は、10年ほど前は、ソーシャルビジネスはイギリスや米国などの海外ですでに広がっていたものの、日本では盛んではありませんでした。
しかし、ここ数年で日本におけるソーシャルビジネスは広がりを見せています。
◆単体記事 ソーシャルビジネスについて
ソーシャルビジネスを仕事にする6つの手段
ここまででソーシャルビジネスとは、社会問題を解決するためのビジネスであることが分かりました。
次に、ソーシャルビジネスに関連する5つの仕事を紹介します。
事業型NPOで働く
事業型NPOとは、一般的な企業と同様にサービスを提供して事業収入で運営を行うNPOのこと。
寄付金や会費、助成金などを中心として運営される支援型NPOとは異なり、事業で収入を得て、ビジネスで社会のために貢献します。
事業型NPOで有名なところでいうとCROSS FIELDSがあります。
CROSS FIELDSでは、スキルを持つ一般企業の会社員を新興国に派遣する「留職」プログラムを実施しています。
日本を離れ、新興国で働く事による日常業務では味わえない経験を提供すると同時に、新興国に技術提供し、発展を支えるプログラムです。
こういった、社会問題とビジネスを掛け合わせた事業は広がりつつあります。
NPOで働くためには「NPO求人サイト」「NPOサポートセンターなどの中間支援組織」「インターン」を利用する
NPOを見つけるのに一番便利なのはwebです。
ただし、求人サイトに求人を載せず、自社HPのみに募集を出す場合もあるため、理念に共感できる団体を探すことが重要です。
また、webでの情報収集だけでなく、NPOサポートセンターなどの中間支援組織を利用することも一つの手段。
さらに、学生の場合はインターンを通してNPOとつながりを作っておくことで就職に結びつくことも多いようですね。
社会的企業・ソーシャルベンチャーで働く
社会的企業・ソーシャルベンチャーと呼ばれる会社は、社会的目的を持った企業のことです。
一般的に企業の利益は株主に分配しますが、社会的企業の利益は、社会問題解決にむけた活動へ再投資します。
参考 内閣府 社会的企業の概要
企業のCRS担当として働く
CSRとは企業の社会的責任のことを指します。
CSRは企業が社会のために行う活動であるため、無償で寄付をしたり、環境保全活動などがされており、企業の取り組みは様々です。
しかし、実際にCRS担当になるには、人事異動が絡んでくるため、自分ではコントロールできないむずかしさがあります。
また、一般企業であるため、活動にうまく予算が使えるかどうかわからないなどの問題もあるようです。
NPOや社会的企業を立ち上げる
組織を立ち上げるのも方法の一つ。
本業がある状態でも、まずは週末プログラムとしてスタートさせ、軌道にのればプロジェクト自体を本業にすることも可能です。
NPO法人ETIC. では起業家などの次世代のリーダー育成がされています。
NPOで副業をする
NPOに興味があるけれど、いきなり本業にすることに不安を感じる方はNPOの副業から始めてみてはいかがでしょうか。
本業で一定の収入を得ながら、NPOの活動をすることで、次第にNPOで働くビジョンが見えてくるはずです。
また、NPO業界に転職希望がない方も、社会貢献事業に関わりたい気持ちがあれば、「自分がやりたかったこと」をNPOの活動を通して実現することができますね。
パラレルワーク(複業)で社会貢献事業に関わる
パラレルワーク(複業)とは本業を持たず、複数の仕事に関わること。
副業可能な企業であれば、違う組織に所属して社会貢献事業に関わることも可能ですね。
また、スキルがある場合は、スキルを生かした働き方をすることができます。
例えば、デザイナーのスキルを持っている場合、社会問題に関するポスターを作ったりすることができますし、カメラマンの場合だと、地方創生のためのアピールする写真を撮ることもできます。
パラレルワーク(複業)や副業について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧下さい。
ソーシャルビジネスにどう関わりたいのかを考える
ソーシャルビジネスに関わる前の準備は大切です。
もう一度ご自身の興味や関心について考えてみましょう。
「何に興味があるのか」「今何をやるべきか」を考える
仕事を通じて知ったことやネットの記事で知ったことなど、生活の中でソーシャルビジネスに関心を持ったきっかけがあるはずです。
何に興味があるのかを書き起こしてみましょう。
次に、興味を持った分野に自分はどのように関わりたいのか、関われるのかを考えます。
もし、スキルを持っているのなら、その生かし方も考えてみましょう。
興味がある分野の情報を集め、団体の活動に参加する
ネットで情報を集めたり、新聞やソーシャルビジネスに関する本や雑誌を読んで、知識を深めましょう。
気になる団体が見つかれば、SNSでコンタクトをとってみたり、実際に活動に参加してみることをおすすめします。
現場に出ることで、問題の本質を知り、新たな発見が得られるはずです。
参考 堺市 ソーシャルビジネス入門書