国際支援はその国の文化を理解しないと進まない
【JECSAのカンボジア支援】
私たちJECSA-Total Planningはこれまでカンボジアで公立小学校の教育支援をおこなってきました。
図書の寄贈から始まり、トイレ建設、補修、水道設備の建設などの設備支援のほか、
教育の質を高めるための英語の授業の無料提供を行ってきました。
私たちの願いは、子どもたちのためになる支援をし、子どもたちの成長を見届けたいということです。
きっとそれは、私たちを通して、カンボジアの小学校に寄付をしてくださる方も同じことだと思います。
【カンボジアの方が望むもの】
学校の先生方と支援のお話を進めていくと、校門建設の要請が出てくることが多いのです。
通常の支援の感覚であれば、校門建設の要請に困惑します。
なぜなら、子どもたちに直接かかわる教室の床に空いた穴の補修や、壊れた窓、傷がついて書けなくなくなった黒板の修繕を先に行ってほしいと感じるからです。
なぜ、カンボジアの先生方は、校門にこだわるのでしょうか。
カンボジアで支援を続ける中でだんだんとみえてきたことは、
カンボジアの方は、外から見えるところにとても気を遣う方が多いのです。
見栄えというと聞こえがあまりよくないですが、見えや外見を気にするというのではなく、
貧しくともしっかりとした体裁を整えるのがマナーというような感覚です。
それは学校も同じことです。地域の代表である学校ですから、しっかりとした校門をつくることは当たり前のことのなのです。
私たちは、カンボジアの先生方の想いを理解し、校門建設のお手伝いすることにしました。
【校門建設は支援が集まりにくい】
校門建設はとても費用がかかります。USドルで4600ドル、日本円でおよそ70万円です。
カンボジア、日本、さまざまなところに支援を呼びかけますが、大きな額だけになかなか支援は集まりません。特に日本からの支援は、子どもに直接関わるものでないだけに、賛同を得にくいのです。
支援を呼びかけ、とうとう1年が過ぎてしまいました。
寄付を出してくださった方々のことを考えるとこれ以上先延ばしにするわけにもいきません。
資金は1/3ほどしか集まりませんでしたが、
足りない資金は当団体が負担することにし、校門の建設を開始しました。
【人々の校門建設への期待】
校門建設の工事を開始すると、私たちが予想もしなかったことが起こりました。
校門の土台工事をみた、村の方々から寄付が集まりだしたのです。
一人ひとりの寄付の金額は2~3ドルと小さな額ですが、
この校門建設に少しでも貢献したいと寄付を持ち寄ってくれたのです。
カンボジアの方にとって学校の校門は、地域のシンボルです。
それは、村の人々の誇りでもあるのです。
工事が進むにつれ、人々の期待が高まるのを感じます。
【校門の完成】
いよいよ、校門が完成しました。先生や生徒たち、村の人々も校門の完成に喜んでいます。
生徒やたちに尋ねると、「きれいな校門ができてうれしい」「大きな校門のある学校に通えてうれしい」と
笑顔で話をします。
この校門はモノを作る支援ではなく、人々の心を勇気づける支援だったのです。
学校の先生も、村の人々も、学校や村を良くしていこうという士気が上がります。
これは、継続してこの小学校と関わり、対話を重ねてきたから理解することができたのです。
国際支援は、相手の文化を理解することから始まるのです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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JECSA カンボジアの活動はHPよりご覧いただけます。
https://jecsa-cambodia.org/
また、孤児院にビニルハウスを建設するプロジェクトをおこなっています。
クラウドファンディングで資金を募っております。
こちらもご協力お願いいたします。
https://readyfor.jp/projects/orphanage-vinylhouse
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JECSA-Total Planningの法人活動理念
我々は、自ら未来を切り開く人材育成を大きな柱とした様々なアクティビティを企画しています。とりわけ、カンボジア貧困州の学校の子どもたちの言語能力を向上させ、知恵や知識力の獲得を促し、豊かな情操教育の向上に寄与する読書指導の充実と、地域一体型の教育を推進するための拠点として機能する学校づくりと教育環境改善をサポートすることに重点を置いています。また、スラム支援・貧困世帯の子どもたちへのマンスリーサポートなど、ピンポイントで届く支援活動も行っています。
カンボジアでは最貧地区といわれるスバイリエン州は、多くの世帯が農業で生計を立てているため、日常的に労働に時間を費やされ、教育への関心も高くはありません。州には、百数十校の公立学校がありますが、図書室には、十数冊のボロボロの汚れた本が置いてあるだけであったりします。本は、知恵や知識力を向上させ、言語活動を活発にし、より良い方法を考える子供を育てます。そして、豊かな心を育む栄養にもなります。私たちは、子どもたちが未来を担う人材として育つためには読書環境の充実が欠かせないものと考えます。具体的には、学校を直接訪問し、図書を寄贈した上で、学校図書の活用方法について学校側と協議をします。そして、授業での活用、図書の管理方法、貸し出しリストの作成、読み聞かせへの活用、道徳の副読本への活用、貸し出し図書の設置、学級文庫としての活用、地域図書館としての有効利用など、より幅の広い読書教育の充実を目指しています。