1階に重症心身障がい児の施設、2階に学童。同じ建物にした理由
大阪府高槻市の藤の里町に、私たちの拠点のひとつがあります。約400㎡の2階建てで、2階が民間学童保育「Kids Lab.」(定員80名)、1階が重症心身障がい児・医療的ケア児のための「Kids Lab. Care」です。2025年4月に移転・拡張しました。
この配置は、たまたまそうなったわけではありません。
「専門施設へどうぞ」と言い続けるとどうなるか
学童保育を運営していると、集団の中で過ごすことが難しい子に必ず出会います。医療的ケアが必要な子であれば、なおさら受け入れの体制が問われます。
そのとき、専門の施設を紹介するのは間違いではありません。設備も人員配置も、そちらのほうが整っているからです。
ただ、それを繰り返していくと何が起きるか。その子は、地域のふつうの場所から一つずつ切り離されていきます。放課後に会う友だちも、通学路ですれ違う顔も、少しずつ減っていく。そして周りの子どもたちのほうも、「そういう子がいる」という当たり前を知らないまま育ちます。
分けたほうが効率がいい、という考え方は根強くあります。けれど、その効率が何を削っているのかは、あまり語られません。
だから、同じ建物にした
1階と2階なら、階段とエレベーターでつながっています。行事のときは一緒にできます。すれ違うこともあります。看護師が常駐している1階と、小学生が走り回る2階が、同じ入口を共有しています。
実務上の利点もあります。看護師・作業療法士・言語聴覚士・公認心理師といった専門職が同じ建物にいるので、学童のスタッフが「この子への関わり方をどうしたらいいか」をその場で相談できます。カンファレンスの日程を調整する必要がありません。
2026年4月に開校した滋賀県長浜市の教室でも、同じ考え方をとりました。学童保育と児童発達支援・放課後等デイサービスを同じ建物に置いています。
設計思想としての「分けない」
私たちは「支援を施設の中に閉じ込めない」を方針にしています。
これは、保育所等訪問支援で専門職が園や学校へ出向くことでもあり、こうして建物の中で事業を隣り合わせにすることでもあります。理念を掲げるだけでは何も変わらないので、間取りのレベルまで落とし込んでいます。
この現場で一緒に過ごしませんか
藤の里校と五百住校(大阪府高槻市)では、放課後の時間を一緒に過ごしてくださるボランティアを募集しています。週1回・2時間程度から、平日14時から19時のあいだで。
障がいのある子もない子も一緒にいる場所が、実際にはどんな空気なのか。それは説明を読むより、一度立ってみるほうが早いと思います。見学だけでも構いません。
活動に参加してみませんか?
株式会社neuroploomの法人活動理念
「ニューロダイバーシティの実現を通じて、次世代の社会モデルを創造する」。これが私たちのビジョンです。
私たちは放課後の居場所づくりから始まりました。学童保育の現場では、集団の中で過ごすことが難しく、行き場を見つけにくい子どもに出会います。専門の施設を紹介することはできます。けれど、それを繰り返すほど、その子は地域から切り離されていきます。
だから私たちは、専門機関をつくる側ではなく、地域のふつうの場所に専門性を持ち込む側になることを選びました。いま大阪と滋賀で、学童保育・子育てひろば・児童発達支援・保育所等訪問支援・相談支援を運営しています。事業は増えましたが、やっていることは創業時と同じです。「分けない」ために、必要な人手と専門性を、子どものいる場所に届け続けること。
そして、その担い手はまだ足りていません。
子どもと関わってみたい学生の方。資格を持ちながら現場を離れている方。運転で地域の役に立ちたい方。特別な経験は必要ありません。週1回、数時間から。子どもの隣に座って、一緒に遊ぶところから始められます。
「いつか保育や子どもに関わる仕事がしたい」——その「いつか」を、今日にしませんか。現場でお会いできるのを楽しみにしています。