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2025/02/15

孤児院ビジネスではなく、自立に向けた支援を考える

私たちJECSAカンボジアはこれまでカンボジアで公立小学校の教育支援をおこなってきました。そして、昨年より孤児院への支援を開始しました。

 

【孤児院ビジネスとは?】

外国からの孤児院への支援は、近年問題となっていることがあります。

 

皆さんは「孤児院ビジネス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

 

「孤児院ビジネス」とは、身寄りのない子ども、貧困家庭の子どもを集めて、外国からの支援を集める運営のことを言います。

 

外国人観光客からの援助を集めるために、子どもたちに笑顔を強要させたり、観光客を喜ばせるために踊りや芸のような見せ物をさせたりします。

 

子どもたちがお金集めの道具にされてしまうのです。

 

実は孤児院にいる子どもたちは孤児ばかりではないこともあります。

家庭の貧困を理由に、食事や教育が提供される孤児院に預けられている子どももいます。

 

孤児院支援が充実すればするほど、そうした子どもたちが増え、実の親と過ごすことのできない子どもが増えてしまうのです。

 

【親元から離れて暮らすリスク】

児童養護施設の児童の臨床研究において、施設で育つ子どもたちは、児童の不健康、身体的な不成長、脳発達の低下、言語と成長の遅れ、人格障害と愛着障害のリスクを負いやすいと証明されてきました。

 

また、家庭で育った子どもたちよりも知能、社会性と行動態度が低くなるとも言われています。

 

やはり家庭で育つことが望ましいのです。

 

孤児院での支援をおこなうのであれば、これらの問題を忘れてはいけないのです。

 

【孤児院の現状】

では、外国からの支援を全くなしにすればいいかと言えば、そうではないと思います。

 

親を亡くした子どもも、貧困ゆえに孤児院内で生活するしかない親子も、養育能力のない親元で苦しんでいて孤児院にきた子どももいます。

 

そんな子どもたちの人数もまだまだ多いのです。

 

そして孤児院の運営についても、国からの援助が豊富にあるわけではありません。

外国や国内からの支援に頼らざるを得ないのも事実です。

 

実際に孤児院に滞在していると、外国からの支援でジュースやクッキーが配られると、

本当にうれしそうにほおばる子どもたちの笑顔もあります。

 

バイクや車がなければ、たやすく外に出ることのできないカンボジアの農村部では、こうした支援がとてもありがたくも感じます。

 

【これから必要とされる支援とは?】

本当に大事なことは、これから「孤児院ビジネス」と言われる支援をどのように変容させていくかです。


今起きてしまった問題をすべて悪いこととして、ただ批判できるほど、現状は簡単ではありません。

 

モノや資金の支援から、孤児院が自らの力で運営できるようになるための支援に、少しずつスライドしていかなければいけません。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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JECSA カンボジアの活動はHPよりご覧いただけます
https://jecsa-cambodia.org/

 

また、孤児院にビニルハウスを建設するプロジェクトをおこなっています。

クラウドファンディングで資金を募っております。

こちらもご協力お願いいたします。

https://readyfor.jp/projects/orphanage-vinylhouse

 

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JECSA-Total Planning

JECSA-Total Planningの法人活動理念

我々は、自ら未来を切り開く人材育成を大きな柱とした様々なアクティビティを企画しています。とりわけ、カンボジア貧困州の学校の子どもたちの言語能力を向上させ、知恵や知識力の獲得を促し、豊かな情操教育の向上に寄与する読書指導の充実と、地域一体型の教育を推進するための拠点として機能する学校づくりと教育環境改善をサポートすることに重点を置いています。また、スラム支援・貧困世帯の子どもたちへのマンスリーサポートなど、ピンポイントで届く支援活動も行っています。


カンボジアでは最貧地区といわれるスバイリエン州は、多くの世帯が農業で生計を立てているため、日常的に労働に時間を費やされ、教育への関心も高くはありません。州には、百数十校の公立学校がありますが、図書室には、十数冊のボロボロの汚れた本が置いてあるだけであったりします。本は、知恵や知識力を向上させ、言語活動を活発にし、より良い方法を考える子供を育てます。そして、豊かな心を育む栄養にもなります。私たちは、子どもたちが未来を担う人材として育つためには読書環境の充実が欠かせないものと考えます。具体的には、学校を直接訪問し、図書を寄贈した上で、学校図書の活用方法について学校側と協議をします。そして、授業での活用、図書の管理方法、貸し出しリストの作成、読み聞かせへの活用、道徳の副読本への活用、貸し出し図書の設置、学級文庫としての活用、地域図書館としての有効利用など、より幅の広い読書教育の充実を目指しています。