わたしたちがカンボジア支援が必要と考える理由
【カンボジアで支援する理由】
私たちJECSA-Total planningは長年カンボジアでの教育支援をおこなってきました。
なぜ私たちがカンボジアの教育現場に支援が必要と感じるかというと、それはこの国の歴史的背景にあります。
【カンボジアに起きた悲しい歴史】
1975年〜1979年、ポル・ポトが指導した「クメール・ルージュ」によってカンボジア全土が支配されましました。「クメール・ルージュ」は原始共産主義を掲げ、格差・階級のない原始時代のような社会をつくるため、通貨を廃止し、教育や文化を否定しました。
教師や医師、僧侶、政治家、公務員、歌手、俳優などは資本主義の手先として次々に殺されました。
外国語を話せる、眼鏡をかけている、手が白くてきれいというだけで知識人と疑われ、拷問、処刑されたと言われています。
この時、病気や餓死なども含めるとカンボジアの当時の人口の約1/4~1/3が犠牲になりました。このようにしてわずか49年前、学校は破壊され、教師は殺されたのです。
【クメール・ルージュ後も十数年続いた内戦】
1979年1月ベトナムの支援を受けた元幹部らがプノンペンに入城し、クメール・ルージュは終焉を迎えます。その後、ベトナムの支援をうけた人民革命党政権が徐々にカンボジアを支配していきますが、冷戦が深まる当時の社会情勢は人民革命党を支持しませんでした。
ASEAN諸国、西側諸国は虐殺をおこなったポト・ポト派を含む三派連合を支持する形となり、カンボジア国内の内戦はその後も十数年続きます。この内戦により人々の生活はさらに困窮することとなりました。
【カンボジアの公立学校の現状と就学率】
内戦後、カンボジアの人口は著しく増加しました。
こちらはカンボジアの人口分布です日本と比べると子どもの多さは一目瞭然です。
多くの小学校では就学児童に対して教室や教師が不足しているため、午前(7時から11時)と午後(13時から17時)の二部に分け、生徒を入れ替えて授業を行っています。
例えていうなら1.3.5年生は午前の授業、2.4.6年生は午後の授業というような具合です。
国語や算数などの主要教科の授業が大半を占めており、図工や音楽、体育など教科はおこなえていない学校もあります。授業ができる時間が少ないので、授業スピードが速かったり、内容が一部飛ばされていることもあるようです。
カンボジアの学校教育は日本と同様6.3.3制で最初の初等教育6年と前期中等教育3年を合わせた9年間が義務教育です。初等教育でも試験をクリアしないと留年となります。
同じ4年生でも10歳の子もいれば14歳の子もいます。
ひとつのクラスを見ていても生徒の学力差が大きいことに驚かされます。
クラスの中には学校以外の時間は有料のプライベートスクールに通っていて、学びの多い子もいます。反対に家の手伝いや仕事をしなければいけないため、休みが多く勉強に遅れている子もいます。
勉強に追いついていけないと、だんだんと学校から足が遠のいていきます。こうして小学校、中学のうちに学校を退学してしまう生徒も少なくないのです。
2020年-2021年度の就学率は初等教育87.4%、前期中等教育48.1%です。日本の中学校にあたる前期中等教育を卒業できていない生徒が半数を超えてしまっているのです。
このような歴史的背景と公立学校の現状から、カンボジアでの支援を続けてきました。
もちろん私たちだけで全てを解決することはできません。
しかし小さなことでも、その場その場で出来ることがあります。
諸外国の支援、そしてカンボジアの方々の支援、一つ一つは小さな力だとしても、たくさんの善意が集まると大きな力となります。
私たちは、このたくさんの方々の善意の力を信じています。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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JECSA カンボジアの活動はHPよりご覧いただけます。
https://jecsa-cambodia.org/
また、孤児院にビニルハウスを建設するプロジェクトをおこなっています。
クラウドファンディングで資金を募っております。
こちらもご協力お願いいたします。
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JECSA-Total Planningの法人活動理念
我々は、自ら未来を切り開く人材育成を大きな柱とした様々なアクティビティを企画しています。とりわけ、カンボジア貧困州の学校の子どもたちの言語能力を向上させ、知恵や知識力の獲得を促し、豊かな情操教育の向上に寄与する読書指導の充実と、地域一体型の教育を推進するための拠点として機能する学校づくりと教育環境改善をサポートすることに重点を置いています。また、スラム支援・貧困世帯の子どもたちへのマンスリーサポートなど、ピンポイントで届く支援活動も行っています。
カンボジアでは最貧地区といわれるスバイリエン州は、多くの世帯が農業で生計を立てているため、日常的に労働に時間を費やされ、教育への関心も高くはありません。州には、百数十校の公立学校がありますが、図書室には、十数冊のボロボロの汚れた本が置いてあるだけであったりします。本は、知恵や知識力を向上させ、言語活動を活発にし、より良い方法を考える子供を育てます。そして、豊かな心を育む栄養にもなります。私たちは、子どもたちが未来を担う人材として育つためには読書環境の充実が欠かせないものと考えます。具体的には、学校を直接訪問し、図書を寄贈した上で、学校図書の活用方法について学校側と協議をします。そして、授業での活用、図書の管理方法、貸し出しリストの作成、読み聞かせへの活用、道徳の副読本への活用、貸し出し図書の設置、学級文庫としての活用、地域図書館としての有効利用など、より幅の広い読書教育の充実を目指しています。