カンボジアに"モノ"を寄付したい!が実は迷惑な理由…。
年に数回は団体の問い合わせでこういう内容があります。
「いらなくなった文房具や洋服をカンボジアの子ども達に届けたいのでどうしたらいいですか?」
「学校(会社)で不要になった物品を集めてカンボジアに寄付したいです!」
NPO法人HEROでは、こういった”モノ”の寄付は全てお断りをしています。
皆さん善意でご提案頂いてるのは十分にわかるのですが、モノの寄付には色々問題があるのです...。
”モノ”の寄付が困る理由①-届けるのにお金がかかる
カンボジアの学校にに日本からモノを届けるには郵送費用がかかります。
1.日本国内→カンボジア
重さや大きさナカミに応じて料金が変わるので一概にはいえませんが大体1kg2,000円~という感じです。(多分もっとかかります)
さらに、日本と違いカンボジアの住所制度は整っていないため全てカンボジアの郵便局宛に届きます。なので、モノが届かない、想定以上の時間がかかるなんていうのもざらにあります。
2.カンボジア国内→農村部の学校
さらに、郵便局に届いたものを各学校に届ける必要があります。
大体街中(郵便局がある)から1時間以上車でかかります。大きさに関わらず車(もしくはバイク)のチャーターが必要になるのでそれで3,000円~10,000円程度かかります。
さらには、スタッフの人件費もかかってくるので、
例えば、不要になったノート100冊届けるのに
国際郵便2,000円+カンボジア国内移動費3,000円+スタッフ人権費4,000円
合計9,000円
ざっくり計算でこのくらい届けるのに費用がかかります。
9,000円あれば、現地でノートは20円ほどで新品を購入できるので450冊を子ども達に届けることができるのです。
(さらには新品で、カンボジアの子に人気のあるキャラクターがついたノートと、中古で日本仕様のノートでは彼らの使い勝手の良さも全然違います)
もちろん、カンボジア国内での移動費や人件費は他の活動のついでに一緒に持っていくことで下げることもできますが、それでも日本からの郵送費がかかるならそのお金で新品を買ってあげたいというのが正直なところです。
なので、味気ないかもしれないですがやっぱりお金の寄付が一番助かりますし、現地の人によりあった支援が可能になるのです。
”モノ”の寄付が困る理由②-人にあげられるようなモノじゃない
何度かご支援頂いている企業さんの社長と社員さん達が国内で集めた不要品を自分達でカンボジアまで持っていくから、子ども達に届けたいということがありました。
その際は社員さん達が手分けして、各自のスーツケースや預け荷物に入れてカンボジアまで持ってきてもらったので郵送費用なども一切かかりませんでした。
学校について、子ども達に日本からプレゼントがあるということで集まってもらい手渡ししていくことに。
文房具や洋服からおもちゃまで色々なものが詰め込まれていました。
しかし、、、!
一部のモノには本当にゴミのようなモノ(壊れていたり)だったり、汚れすぎていてもらった子も喜べないような服もゴロゴロ…。
もちろん善意のもと集めたものなので、文句は言えないですが、
我々スタッフからすると(これカンボジアの子が喜ぶと思ったのか,,,ひどいな。)というようなものもチラホラありすごい残念な気持ちになりました。
大多数は子ども達も喜ぶようなものでしたが、一部のそういうモノをもらった子ども達には日本のプレゼントがどう映ったのやら、、、
日本でもカンボジアでも本当に要らないモノを集めても意味がないし、ゴミになってしまうだけです。
場合によってはカンボジアの人達に失礼にあたることも…。
そんな事情もあって”モノ”の寄付は一切受け付けないと決めました。
HEROからの提案
なので、NPO法人HEROとしてはモノの寄付を考えてる方には一旦お断りをした上でこんな提案をしています。
①日本国内で売ってお金にする
今はメルカリや中古品の売買が当たり前になってきました。
なので、日本国内で集めた不用品をリサイクルショップやメルカリで売ってお金にしてそのお金を寄付してもらうという提案をしています。
そうすればモノもムダにならないですし、集めた金額で新品のものをカンボジアの人達にも届けることができます。
何を届けたいかの要望も受けることができるので皆にとってハッピーな結果になりやすいです。
②自分自身でカンボジアに来て届ける
毎年カンボジアの学校に行くツアーを行っていますので、そのツアーに参加してもらって自分自身で直接渡してもらうということも可能です。
渡航の際に自分の荷物として持っていけば郵送費もかからないですし、直接あげることで相手の反応も見れるので十分に満足して頂けるはずです。
実際にカンボジアツアーの参加者には毎回日本でいらなくなったモノや子ども達にあげたいものを持ってきてもらうよう伝えていて、
使わなくなったアクセサリーやネイル、メイク道具は大人気ですし、塗り絵やボールなどの遊び道具で一緒に子ども達と遊んで楽しんでいる参加者ばかりです。
③諸々の費用を負担した上で届ける
どうしても特定のモノを届けたい、自分では届けることができないという場合は、上記のような費用の見積もりを出した上で費用の負担の上お受けすることも可能です。
また、他団体さんでモノの寄付を受け付けているところもあると思うのでそちらへの寄付もご提案しています。
”モノ”の寄付も”お金”の寄付もどちらも素敵な善意だと思います。
だからこそ、その善意がより無駄にならないような形で工夫できたらなと思うばかりです。
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