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2021/07/09

教育インターンシッププログラム・奨学生レポートーインターンシップでの気づきー(Mayuさん)

教育インターンシッププログラム・奨学生レポートが届きました。
2週間のプログラムで学んだ事を記事にしていただきましたので、是非読んでいただけますと幸いです。


参加プログラム :
教育インターンシッププログラム
国 : タンザニア

インターンシップを通して新たに気づいたこと

まず、固定観念的な「アフリカ」イメージというものは、既に時代遅れであるということである。野生動物と共生しており、教室もボロボロといった漠然としたイメージを持っている人は少なからずいるのではないだろうか。しかし、実際に見た学校は、日本と共通した部分もあり、制服、掲示物、清掃、発表活動など、私たちがイメージする「学校」と変わりないものであった。むしろ、ICT機器も充実しており、グローバル化の影響がいかに大きいか実感した。

次に、固定観念や主体的な考えを持ってしまっているということである。事前のタンザニアについて学ぶセッションで、ある部族の写真を見た際、heといってしまったが、She is a girlと訂正されてしまった。実際の場面であったら失礼であり、自分自身を反省することっとなった。また、SNSはSkypeやWhatsappが主体であり、日本では多くの人がコミュニケーション手段としてLINEを使用しているが、タンザニアでは使用されていないアプリである。イギリスの友人もLINEは流通していないといっていたため、LINEがマイノリティ側になることに少し驚いた。狭い範囲でしか物事を考えられていないと、実態は予想とはかけ離れている可能性に気づけないということを感じた。俯瞰的、多角的な視野を持つことの大切さを改めて感じた。

授業見学で感じた教師の改善点

第一点が、教師が話している時間が長く、児童の活動の時間が少ないことである。初めの文法についての説明や、ポエムの内容理解など、グループワークでやるというよりも、教師の働きかけが目立った。児童が発言をする際も、多くは教師からの質問への回答であり、特にクローズドクエスチョンであった。ペトラデス先生の悩みにあった通り、英語が第二外国語であるため、英語で話していることの理解と、授業自体の理解の両方をいかにバランスよく行うかということは考慮しなければならない。実際に、日本の学校現場でも同様の課題がある。パワーポイントを活用したり、説明しながら生徒も巻き込んだりするような工夫が必要であろう。

第二点が、クラスルームイングリッシュの発展性が見られないことである。よく使う表現が、Is it clear? Please applause her. Please answer this question.であった。児童もそういったフレーズを理解しつつも、決まりきった返答になってしまいがちで、子どもたちからの疑問が授業中にでてくることはほとんどなかった(先生も聞かない)。簡単な英語でいかにわかりやすく授業を進め、さらに児童の英語理解力も向上させることができるかが問われると感じた。以上のことは、教師自身の質が問われることであり、教員になる前段階での学びの深さや、現場でも教師としての質をあげようとする努力やそれに伴う制度が必要であると考える。

授業を通して参考にしたい点

もちろん改善点だけでなく、授業の切り替えで歌をとりあげたり、英語のスピード感があったり、参考にしたい点もあった。さらに、児童主体の活動が少ないとはいっても、考えながら問題を解いたり、質問を考えたりしていたため、必ずしも教師主体にはならないと感じた。どのような学びの方法が子どもたちにとって最適なのか、目の前の児童と向き合って柔軟に変化させていく必要がある。

まとめ

最後に、授業見学・発表・質疑応答等を総合し、改めてタンザニアのような途上国の学校が大きな発展を遂げつつあり、そこには国際的な援助機関の存在が欠かせない者であるということを強く感じた。一人一台タブレットを用いてテストを解いている光景には目を奪われたが、それは、スペインの援助機関からのものであるとのことであった。実際に今回のような恵まれた環境にある学校は少なく、教育機会の地域格差も問題になってくる。学校という制度が外生的に持ち込まれたタンザニアにおいても、それがスタンダートになりつつある。このような国際的な潮流を踏まえ、持続可能な教育を実現するためにはどうすれば良いのだろうか。

ただ短期的な援助をしても意味は大きくない。魚をあげるのではなく、魚の釣り方を教えるという開発手法を重視していく必要がある。もちろん開発には経済の問題もある。しかし、教育の質を向上していくためには、お金では解決できず、成功するかもわからないような測定できない部分の開発なくしては、本質の改善には不十分であると考える。今回のインターンシップで経験し、感じた「リアル」を忘れず、今後具体的にどうしていくかを考えていきたい。

また、今回のインターンシップでは1つの学校の1教員を中心に見たり聞いたりしたことであるため、他の学校や教員にも同じことが言えるとは限らないことに注意するべきである。まさにスペインからの援助でICT機器がそろっているように、一歩違う場所に踏み込んだ場合、まったく異なる世界が広がっている可能性もある。今回の体験は、実際にあることの1つであると理解し、全てをうのみにしない姿勢を持つことが大切である。

最後にーオンラインインターンシップを考えている方へー

インターンシップを通して私が大切にしたことは「挑戦」です。自分の働きかけ次第で、充実度も変わってくると思います。コーディネーターの方々も丁寧にサポートしてくださるので、失敗を恐れずに挑戦することが大切だと感じました。
私自身、失敗したと思うこともありましたが、積極的に質問したり、意見を言ったりすることを心がけることができました。また、事前にインターンの目的や目標を明確にしておくことをおすすめします。
プログラムの内容を学べることはもちろんですが、自分の成長を感じられる貴重な体験になりますので、ぜひ楽しんでください!!







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World Unite Japan

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World Unite!は 2005年にザンジバル/東アフリカで始まりました。ドイツ人のクリス・エングラーが、サステイナブルツーリズム — 旅行先の地域文化と環境の保全を第一に考えた「持続可能な観光」の旅行商品の開発を始めました。

現在、World Unite!は、各国で事業を展開。日本、中国、ミャンマー、ドイツ、オーストリア、インド、ザンジバル、タンザニア、南アフリカ、モロッコ、ニカラグア、アルゼンチン、ボリビアにて、各国に見合った事業体制(現地チームを配置、企業登録を行う、現地会社とパートナーシップを組むなど)を整え、活動しています。