「行こうかな」と思ったとき、ふらっと来てくれると嬉しい/メンバー「いな」にインタビュー(後編)
ユースリンク(YouthLINK)は、生きづらさ・大学への行きづらさを抱える学生が分かち合う場を作る学生団体です。
2011年から東京都で、新型コロナウイルス感染症が流行してからは東京都での対面/オンラインの両方で、活動しています。
ユースリンクのメンバー「いな」にインタビューをしました!
後編では、いなが感じるユースリンクの魅力や、ユースリンクが運営する分かち合いの場に参加したい人・ユースリンクに加入したい人へのメッセージをお伝えします。
魅力は、生きづらさに真摯に向き合っていること
素敵なエピソードですね。いなさんから見た、ユースリンクの魅力はどういうものでしょうか?
▶いな:わたしから見たユースリンクの魅力は、生きづらさに真摯に向き合っているところだと思います。
ユースリンクの活動の前提には、その場限りとか、言いっぱなし聞きっぱなしとかを一番大事にしていることがあるんです。
ユースリンクのボイスシェアリングは、知り合いではない相手同士が、評価や指示、忠告や励ましをせずに悩みを話したり聞いたりできる場です。
分かち合いの場とかを開くとき、もしも毎月3人に来てほしいのであれば、例えばLINEのグループを作るなどして連絡し合った方が、来てくれる人を確保することは簡単になるじゃないですか。
でも、そうしたら「その場限り」の分かち合いはできないし、私たちユースリンクの負担も大きくなるだろうし、色々なトラブルが起きてしまうかもしれないから、それはやらないんです。
生きづらさに向き合うためにメンバー全員が誠実に頑張っていて、ちゃんとルールを決めてそれを守っているとか、代表を置かないことでメンバーの誰かが暴走することなく、みんなが意見を言えるようにするみたいに。
ユースリンクの歴史やボイスシェアリングのシステムの観点から「生きづらさ」や「分かち合う」っていうことに対して真摯に向き合っているっていうのが、ボイスシェアリングの参加者からしても、メンバーとして加入するにあたっても、すごい魅力的なのかなと思っています。
個人として生きづらさに真摯に向き合うために
いなさん個人として生きづらさに真摯に向き合うために、自分で意識してることとか普段から心がけてることとかはありますか?
まず、今までの先輩方が作ってくれた資料だったり、ホームページの文章だったり、残されたものを大切にしようっていう心づもりはずっと忘れないでいます。
ユースリンクは、2011年からあったそうです。わたしは2011年に中学2年生だったので、長い歴史があるなあと思っています。
ユースリンクの学生メンバーは少数精鋭なので、わたしが参加するときに学生メンバーの先輩がその日にいなかったみたいなこともありました。
でも、たまたま学生メンバーがひとりになるという危機を迎えてしまったときですら、自分ひとりだけの団体っていう気持ちは全然なかったんです。
理由は、わたしが中学生くらいの年齢から団体を作っている人がいて、その人たちと話す機会もあって、残されたものがいっぱいあるから。
だから、今ここにユースリンクがあり、行政とかとのコネクションもあり、わたしがユースリンクに加入するきっかけとなった大学の非常勤の先生がユースリンクを知っていたりとかしますもんね。
そのため、資料を読んだときに、一つ一つの言葉の選び方であったりとかも「この言葉じゃなくてこっちの言葉を使うことには多分こういう意味があるんだな」とか。
先輩からの遺産を大事にすることは、他の団体では設立者だったわたしが、かなり大事にしたいと普段から思っているところです。
ボイスシェアリングへの参加を迷っている方へ
それでは、最後にボイスシェアリングに参加したい方や、ユースリンクに参加したい方へのメッセージをいただこうと思います。まず、ボイスシェアリングへの参加を迷っている方へ、メッセージをお願いします。
▶いな:まず、誰でも行ったことないイベントに行くのは緊張すると思うし、話したことがない人と話すのも、多くの人は緊張するものだと思っています。
でも、今日会ったからって来月会うとは限らない人だからこそ話しやすいことがあるのかな、と思っています。
私たちは安心して話したり聞いたりできるように、いろんなことを考えて生きづらさに真摯に向き合おうとしています。
だから、行ってみてちょっと違うなと思ったら、途中で帰っちゃっても私たちは大丈夫なので、「今日は行こうかな」って思ったときには、ふらっと来てくれると嬉しいな、と思っています。
ユースリンクに加入したい方へ
それでは、ユースリンクに加入したい方やと加入を迷っている人へメッセージがあればお願いします。
▶いな:なぜ加入を迷っているのかによって、届けたい言葉はちょっと変わるんですけど……
ボイスシェアリングに参加したいかユースリンクに加入したいかを迷っているときは、メンバーとして生きづらさに向き合うことは疲れる作業でもあるので、ゆっくり考えてほしいとは思います。
でも、いざ入ってみて、しんどいなと思うことも、ちょっと面倒くさいなって思う日も、もちろんあるはずなんです。
それでも、生きづらさに真摯に向き合うことができることであったり、1人じゃなくて一緒に向き合える仲間がいるということ、OBOGやNPO法人のバックアップがある中で活動ができたりすることはすごい有り難くて、貴重なことだなとも感じています。
わたしは、学生のあいだは学生だからやりやすいことをした方がいいし面白い、と考えています。
そういう意味では、学生の居場所を作ることや、学生同士で分かち合うことは、学生以外より学生の方が自然にやりやすいので、学生の特権なのかなと思っています。
しかも、ユースリンクはライフリンクの意見交換会で休学を経験した学生の声がきっかけとなって始まっているので、休学生や休学の経験者が活動しやすいという、他の学生団体ではなかなか見当たらないかもしれないメリットもあると思います。
休学を経験したわたしが伸び伸びと活動していることに、ユースリンクが設立されたきっかけや活動内容は大きく関係している気がします。
だから、「やってみたいな」と思ったら、今しかできないこと、今が一番やりやすいことを一緒にできる仲間になってくれたら、すごく嬉しいです。
今回は、ユースリンクのメンバー「いな」を紹介しました!
他のメンバーも、熱意と愛を持ちながらユースリンクに携わっています。
学生団体ユースリンクは、様々な工夫を込めたボイスシェアリングを、参加してくださったみなさんの声を聴きながら、これからも進化させます。
「分かち合いの場に参加してみたい」と思った方は、最新の情報をSNSで確認してみてください。
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新メンバー募集イベントも随時開催しています!
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学生団体YouthLINKの法人活動理念
「ここにいてもいいんだ」。ひとりでも多くの学生がそう思えるように。
2011年10月、NPO法人自殺対策支援センターライフリンク(以下、NPOライフリンク)の学生意見交換会で、会に参加した学生が「休学していたとき、生きるのがものすごくしんどかった」という本音を語ったことから誕生しました。
そのため、YouthLINKは、NPOライフリンクの学生プロジェクトとして、NPOライフリンクのバックアップを受けながら、学生主体で活動を行っています。
設立当初は「休学生」を対象に活動を始めましたが、取り組みの中で学校に「行けている」「行けていない」は表層的な違いであり、学校に通えていても「生きづらさ」を抱えている学生が決して少なくないことに気づきました。
そこで、より視点を広げ、「様々な悩みを抱えながら周囲に本音を話すことができず、ひとり抱え込んでしまう……」そんな学生の居場所づくりに対象を拡大して、活動に取り組んでいます。
YouthLINKのメンバーも、それぞれが様々な悩みを抱えてきた学生やOBOGです。自分たちが「あったらいいな」と思える場を、日々試行錯誤しながら作っています。
「ここにいてもいいんだ」。ひとりでも多くの学生がそう思えるように。YouthLINKはこれからも活動を続けていきます。