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2022/09/12

違いを価値に変える・・・Wisaの支援理念

Wisa(ウィサ)|NPO法人わかもの国際支援協会は、不登校・ひきこもりやその経験者の若者12名が、オンラインゲームで出会い結成した、大阪府のNPO法人です。

私たちの理念は 「違い」を価値に変える というものです。

その理念から、「社会問題を解決しない」「支援をしない支援」といった、とっても独特な支援理念を提示しています。

今回は、どうしてそんな考え方ー理念が生まれたのかについてご紹介していきたいと思います。

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オンラインゲームの海外サーバーで出会ったひきこもりの若者を中心に、「ひきこもりとは何か」、「いったい何が問題なのか」、「自分たちにとって解決とは何か」ということを語り合い、設立総会はオンラインゲーム内で行いました。


NPO法人化ー設立総会の様子(2009年)

メンバーに共通していた考え方は、「支援をしたくない・されたくない」という気持ちでした。

いまでも日本社会には「ひきこもり=問題」→解決→支援…という考え方が多くあります。

たとえば、アウトリーチといって、支援員がひきこもりの家を訪問して本人や家族と相談をしたり、フリースペースなどの居場所を提供する、といった支援、またカウンセリングをして悩みを打ち明けて下さい、といった支援、精神科医による薬物療法、サポートステーションなど、ほんとうに色々な「支援」が社会にはたくさんありました。 

しかし、オンラインゲーム上で集まったひきこもり当事者の気持ちは、「他人からの支援は受けたくない」というものでした。  

1.「支援」を拒絶したい気持ち…

 実は、そんな「支援を拒絶したい気持ち」は、きっと誰にでも理解できることだと思います。 

支援ー被支援の関係では、支援を受ける人がどうしても「困っている・社会でうまくいかない・貧しい・失敗/挫折した・何かが欠如している」イメージがつきまといます。


そして支援をする側の人は、「そうならない方法を知っている」「知識・経験がある」から「助ける」という発想を前提にしていることになります。

ですから、ひきこもりだけではなくて、たとえばホームレスを支援している人が「夜回り」の支援をしているボランティアが近づくと「いちいち来るな!」と怒鳴ったり、高齢者のおじいちゃんやおばあちゃんに「デイサービスに行こうか」といったと声をかけると、「大きなお世話だ!」と怒られたりするわけです。

考えてみれば、「人を支援しよう」という発想は、純粋な愛情や優しさから生まれているのかもしれませんが、本人が助けを求めていないうちにそれを行おうとするのは、とってもおこがましい、失礼なことなのかもしれません。

統計的にもほとんどのひきこもり状態の若者は、相談窓口や支援機関に相談をすることはしないのです…。 自分の無力感ー自己否定の感覚にあるうちに、ふたたび「誰かのお世話になる」気持ちにはなれません。

素直に誰かに相談ができるためには、ある種の心の余裕が必要なのかもしれません。

2.自分たちの特技ー強みを活かして社会貢献をする 
 そこで、Wisaは設立当初から不登校やひきこもりが「自宅でたくさん時間を過ごせる!」という強みを活かして、パソコンーインターネットを使ったプログラミングの学習会をオンラインで実施。

 地域のボランティア・福祉事業者の方を対象に、ウェブデザイン・ホームページ・動画を制作して提供する「情報化まちづくり」ボランティアをスタートしました。

 どんどんと複雑なシステムが制作できるようになると、次第に寄付や協力金を下さったり、制作に対する報酬を支払って下さる事業者がWisaを助けてくれるようになりました。

制作実績:大阪ボランティア協会 KVネットーポータルサイト


制作実績:株式会社ウチらめっちゃ細かいんで ウェブサイト 

制作実績:年賀状ー名刺デザイン


制作実績:商品説明動画 筆ペン墨絵アート/有限会社マイスタージャパン

3.Wisaの「支援」についての考え方ー「違い」を価値に変える

 

 「それまで支援の対象だった、不登校・ひきこもりが逆に社会・世界を支援する側に回る!?」

という画期的な活動が評価され、2012年にはソフトバンクテレコムなどと並んでテレワーク推進賞を受賞しました。 (参考記事:当時の団体名称は、ソル・ライフ・ネット) 

 また2016年には総務省より「テレワーク先駆者百選」に選出されました。

 その後、日本中でひきこもりによる同様のテレワーク活動が広がっていきました。

 普通の人とは「違っている」ということから悩んでいた「不登校」「ひきこもり」のレッテル(負の烙印)をくつがえし、社会の認識を変える…

 「違い」を価値に変えるーという理念は、こうして生まれました。

 現在は、学生一般ー外国人の支援を行う多文化共生の推進、自己分析などの教育開発を行い、若者支援の新しいカタチを提案しています。

 「社会問題を解決しない」「支援をしないという支援」、という発想は、ラオスでもバングラデシュでも拡大していっています。   


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Wisa

Wisaの法人活動理念

友達になることが最高の支援

わたしたちは「貧しいから寄付をください」「かわいそうだから助けてあげてください」という、わざとらしい支援よりも、支援する側と支援される側が対等な「ともだち」になって、自然と話したいときに話したいことを話せて、相談したいタイミングでなにかあったらいつでも相談し合える関係を築くことを最高の支援だと考えています。