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2022/06/22

「私には帰る場所があるんだ」第二の故郷や第二の家族が、私にとってのなによりの強みになった。

【地域活性化を、みんなのものに】する「村おこしNPO法人ECOFF」では、「地域活性化」をテーマにした住み込み型ボランティア「村おこしボランティア」を、北海道から沖縄、はたまた台湾やベトナムでもおこなっています。

2011年にはじまり、大学生の長期休暇にあたる夏休みと春休みに毎年実施しており、いまでは年間400名を超えるかたが参加するようになりました。

なかには、村おこしボランティアがきっかけとなり、移住するかたも。そしてもちろん、村おこしボランティアを活用して、さまざまな地域をおとずれているリピーターの方も年々増えています。

今回は、2021年〜2022年にかけて、3地域に4回も村おこしボランティアに参加してくださった小林日向子さん(当時大学院生)からの感想をご紹介します。

どうやってECOFFの村おこしボランティアと出会ったのか? なぜ、何度も参加したのか? どう感じたのか?

参加者からの生の声を読んだら、きっとあなたも村おこしボランティアに参加したくなります!

ECOFFに出会うまで

私は、旅行が好きです。長期休みには、アルバイトでコツコツ貯めた貯金でいろんな場所へ旅行に行きました。知らない土地に行き、さまざまな観光地に行くことは、ワクワクが止まらず楽しかったです。行ったことない都道府県はほとんどありません。それと同時に、行ったことある土地に再び訪れようとすることもありませんでした。

そのような私が、ECOFFに出会うきっかけを与えてくれたのは八丈島での旅行でした。天気が良い中、ダイビングや海水浴、温泉・観光地巡り、食事を楽しみました。楽しい旅行の思い出ができたと感じています。

しかし、帰る当日、快晴だったにもかかわらず、台風が近づいているとのことでフェリーや飛行機が欠航して帰れなくなりました。島では、フェリーや飛行機が欠航すると食べ物が島に届かなくなるそうで、スーパーも食べ物不足。そのような状況で、台風は八丈島を直撃しました。ニュースで八丈島が全国中継されるくらい大きな台風でした。

ずっと都会に住んでいて、これほど強い台風を味わったこともないし、食べ物が本島から届かなくて食料不足を味わったこともない大学生になり立ての私は、これからどうしたら良いのかわかりませんでした。

そんな困り果ててる私たちを助けてくれたのは、旅行中に訪れた飲食店のお母さんでした。

台風が強い夕方、何か食べるものを買いたいと思って、スーパーを訪れるとお母さんに会いました。お母さんは、私たちを見つけるとすぐに近づいてきてくれて、「食べるものないんでしょ。うちにおいで。」と声をかけてくれました。

お店は台風のため、休業しているのにも関わらず、家にあるご馳走を食べさせてくれました。今までたくさん旅行へ行ってきましたが、味わったことのない暖かい気持ちに包まれました。

台風が去り、フェリーも飛行機も再びくるようになりました。4日ほど延泊して1週間ほど滞在した八丈島から帰る際に、お世話になったお母さんのお店を再び訪れてお礼を言いました。すると、「また帰っておいで。いってらっしゃい。」と送り出してくれました。

幸せな気持ちで満ち溢れ、飛行機の中からだんだん遠ざかる美しい八丈島を見つめました。自然と共に歩むことや人と人との繋がりの大切さ、美しさを心から実感した出来事でした。

その出来事をきっかけに、2泊くらいで旅行に行くことも私にとって楽しく幸せな出来事だけれど、「お世話になったお母さんに恩返しができるようなことがしたい。」「長く同じ地域にいて地域の方たちと関わってみたい。」「短期間では気づくことができないような経験をしたり、魅力を感じたりしたい。」と強く思うようになりました。

最初は、島に長期でインターンをしたいと思い、調べていた時にECOFFに出会いました。

江田島での活動を通して

ECOFFのことは知っていたけれど、参加する勇気が湧くまで何年もかかりました。新しいことに挑戦することに対して、不安を感じました。さらに、なによりも知らない土地ではじめましての人たちと共に10日間生活できるのか、わかりませんでした。

そのような時間を過ごしているうちに、学生期間は終盤になっていました。就職活動をする中で、自分はこのままでいいのか思い悩みました。

「学生生活にしたかったこと、今したかったことを諦め続けてていいのか」と自分の心に問いた時に、「私はやっぱりECOFFに参加したい」と強く思いました。

勇気を出して、一人で江田島へ行くことを決めました。広島に向かう新幹線の中、初めての土地や人たちと出会うワクワク感と不安の入り混じった不思議な気持ちになりました。この気持ちは今まで味わったことはない気持ちでした。

はじめましての仲間たちは大学一年生から社会人であり、年齢や出身地、性格、江田島コースに参加しようと思ったきっかけだって違います。だけれど、作業を共に行って協力し合い、夜には語り合い、気がついたら出会った5人の仲間たちと一緒にいると居心地の良さを感じている自分がいました。

江田島に来て数日が経つと、就活などずっと思い悩んでいたことや初めての参加の緊張から解放され、美しい風景や満点の星空といった自然に癒され、やぎや地元の方たちと関わり、心が満たされて心から思いっきり笑っていました。

江田島に来て、学んだことがあります。それは、地域のニーズを知った上で活動していくことがとても重要ということです。

私は、はじめましての土地でボランティアをすることが初めてでした。最初は、素敵な仲間たちといつもは体験することのできないボランティア活動をすることが楽しくて、「今日は昨日よりもっとたくさん成果を出したい」とばかり思ってしまい、地域の方たちの思いより自分の思いが先走ってしまいました。

世話人の賢一さんやわかこさんとお話しする中で、「本当の意味で地域活性化をすることとはどんなことなのだろう。」「今私はボランティアというものを自分の自己満足にしてしまっているのではないか。」と感じました。

もっと地域の方の声を聞きたいと思いました。その後から地域の方の声に耳を傾けることを意識しました。言葉だけでなく、声なき声を聞くために心を傾けようと思いました。地域の方の目線に立って自分ごととして考え、地域のニーズを知ろうと自分なりに努力をしました。

ボランティア活動とは、すぐに見えるような結果が出るわけではないです。だけれど、そこに住む地域の方たちの心の声に寄り添い、自分ごととして捉えて、活動していくことが本当の意味で地域活性化に繋がるのではないかと思いました。

とある活動が心に残っています。畑を所有している地域の方が高齢なので自分ではなかなか畑を整備することが難しいとのことで手伝ってほしいと頼まれました。

私は、農業経験もなく、初めてのことでどうしたら良いかわかりませんでしたが、賢一さんに教わりながら野菜の収穫や雑草抜き、土を耕すなどいろんなことをしました。

整備が終わった後、たくさんの廃棄物が出ました。自分たちが地域の方の立場だったならばこの廃棄物を一人で処理するのはとても大変だと思い、私たちは賢一さんと相談しながら地域の方が廃棄物を処理しやすいように集めて、運びやすいところにまとめようと行動しました。

その時は私たちは何かできたのか、わかりませんでした。しかし、数日経って畑を所有している地域の方が「本当に助かった。ありがとう。」と伝えてくださりました。とても嬉しかったです。この喜びは、短期間滞在していたらきっと味わえなかったと思います。

10日間滞在し、少しずつ地域の方と交流を深め、心の声に寄り添いながらボランティア活動させていただいて本当に幸せだと感じました。

また、私たちは10日間滞在していく中でビニールハウスを完成させました。しかし、このビニールハウスは私たちだけで完成させたわけではありません。1年くらい前からECOFFに参加していたボランティアの方たちが繋いできてくださり、私たちは完成に立ち会えました。

賢一さんとわかこさんは、完成するとすぐにビニールハウス作りに携わったボランティアの皆さんに「完成したことを報告しよう。感謝を伝えよう。」と行動していることが印象的でした。

ECOFFに参加する際のオリエンテーションで、村おこしボランティアとはすぐに成果がでるわけではないとは学んでいました。

しかし、実際に多くの人たちが繋いできてくださった思いが実現した姿を私自身が感じることができた時、「継続」して繋げていくこと、繋がっていくことの大切さを理解できたように感じます。

そのような思いから、同じコースに「継続」して参加してみたいと感じるようになりました。

帰り際に、賢一さんとわかこさんが港まで見送ってくださりました。「いってらっしゃい。」と一人一人の目を見て、声をかけてくださいました。

久しぶりに心が思いっきり動かされて涙が出ました。悲しいや寂しいと言う思いの涙というよりは、「私には帰る場所が増えたんだなあ。」という嬉しい涙でした。

然別湖コタンの活動を通して

江田島での活動を通して、「継続して同じコースに参加してみたい。」「継続して地域の方と協働させていただきながら活動してみたい。」と感じました。学生最後の春休みに人生を変えてくれたECOFFに参加して、社会人になりたいと思いました。

どのコースに参加しようかと思った時に、然別湖コタンコースに出会いました。私は、自分自身が寒いところや雪が苦手だと思い込んでいて、スキーやスノーボードには高校生以来行っていませんでした。

北海道には、春に一回行ったことあるけれど、市街地にしか行ったことがありませんでした。だからこそ雪国のことを知りたいと思いました。

また、然別湖コタンを成功させるという目標に向かって「自然と向き合いながら全力で地域の方たちや社会人ボランティアの方たちと協働していきたい」という思いから然別湖コタンコースに参加しようと思いました。

そして、建設から運営まで参加して、然別湖や然別湖で出会った地域の方たちと「継続」した関わりを持ってみたいと思い、2回参加させてもらうことを決めました。

最初の建設ボランティアで、初めて然別湖を訪れた1/5、然別湖ではまだ降雪量が少なく、然別湖コタンの入り口付近にあるアイスバーのみが建設中であり、まだ外壁の作業中でした。

次の日からアイスバーを含むイグルーを建設するためのアイスブロックをひたすら作り続ける作業を行いました。

コンテナに、集めた雪に水をかけてシャーベット状にした雪を押し詰めて、ひたすらアイスブロックを作りました。かなりの体力を使う仕事で、-15℃の気温のはずなのに汗でびちゃびちゃになるくらいでした。

毎日、全身雪まみれになりながらも全力で作業に携わらせてもらいました。体力を使う作業だけれど、「然別湖コタンを成功させる」という目標に向かって地域の方たちや社会人ボランティア、そしてECOFFに参加している仲間たちと協働する時間は私にとって喜びのあふれる時間でした。

作業中に、地域の方たちとお話しさせてもらうこともありました。その時印象的だったのは、体力を使う作業だけれど、地域の方たちの皆が然別湖コタンに誇りと情熱を持って、楽しみながら作業をしていたことでした。

然別湖コタンは今年で41年目になるとのことです。41年前、冬の静けさの中の然別湖を見て、地元の方たちの情熱が湧いてきたそうです。自然とどう向き合うのか、どう共存していくのか、どう分かち合っていくのか、地域の方達は試行錯誤し、何度も壁にぶつかったとしても情熱は消えずに途絶えることなく、今の然別湖コタンの姿があります。

然別湖コタンで建設されているイグルーなどは、雪を固めたアイスブロックやアイスブロックを接着するためのシャーベット状の雪など自然のもの以外一切使いません。春が来るとイグルーは全て湖、自然へと帰っていきます。ここには、41年間地元の方たちが試行錯誤しながらも見出してきた自然と共に生きる姿がみられたように感じます。 

私は比較的都会にずっと住んでいるので、日々忘れてしまいがちですが、私たちは自然の中で生きていてたくさんの恩恵をもらっています。これから、私は自然と共に生きていかせてもらっている感謝の気持ちを持って日常に戻りたいと感じました。

初めて参加したB日程では、もっと関わりたかった方たちがいたり、もっと北海道の大自然に触れたいと思ったり、いろんな思いがありました。

B日程からE日程まで3週間があったので、B日程において然別湖でインプットした出来事をひたすら考えて、アウトプットしていく貴重な時間がありました。

そして、3週間後また然別湖に帰りました。帰ってくると、たくさんの地域の方たちが「おかえり!」と声をかけてくださいました。

B日程では、まだアイスバーと温泉のみが建設中であり、完成はしていませんでした。その時は、「必死になって仲間たちと作ったアイスブロックはこれからどうなるのだろう。」とわかりませんでした。

しかし、3週間経って再び然別湖を訪れると、美しいアイスバー、そして美しいコタンの姿が見られました。

地域の方たちの思いや社会人ボランティアの方たちの思い、そしてECOFF の仲間たちの思い、ボランティアに参加したくても参加できなかった方たちの思いが美しいコタンを作り上げるまで繋いできてくださったのだと思います。

こうやって41年前からたくさんの人たちの熱い思いが繋いできてくれている美しい然別湖コタンに携わらせてもらえることに感謝と喜びの思いを強く感じました。

然別湖コタンには様々なお客様がいらっしゃいました。お客様の笑顔や感動してくださっている顔を見ると、頑張ってアイスブロックを作ってきた日々がここまできたのだと嬉しくなります。

そして、地域の方が「ここは一緒に作ったところだね。」「ここは1月にみんなで作ったアイスブロックを使っているよ。」と教えてくださると、この美しい然別湖コタンの建設に携わらせてもらえたことに心から誇りを感じます。

1回目の参加の時は、まだ人間関係ができはじめている状態だったかもしれませんが、E日程で然別湖へと帰ってきた時には「おかえり!」「一緒に~しようよ!」と地域の方から積極的に声をかけてくださいました。

活動を行うおよそ10日間の期間は、寂しいことでもありますが10日間が終わってしまうと出会った仲間たちや地域の方と自分の行動次第では関わりを持てなくなってしまうかもしれません。

でも、「継続」して関わっていく、繋がっていくとそこにはヒトとヒトとのつながりがさらに深く強いものへとなっていき、私は21日間の然別湖での生活を通してここに「居心地」や「居場所」を得ることができました。そして、いつまでも繋がっていたい大切な人たちにたくさん出会うことができました。

ヒトとヒトとの繋がりは短期間で簡単にできるものでもありません。縁もゆかりもない地域から来させてもらっている私にとっては、仲間の一員として迎え入れてくださる感謝の気持ちでいっぱいです。

ヒトとヒトとのつながりは、基本的なことではありますが、「ありがとうございます」「いただきます」のような日々のコミュニケーションを基盤として大切にしていき、継続してできていくものだと学びました。

これから私は社会人になるので、なかなか然別湖に足を運ぶことが難しいかもしれません。しかし、然別湖の魅力や然別湖での生活から学んだことを友達など周りの人たちに発信していきながら、然別湖と然別湖で出会った多くの方たちといつまでも繋がっていたいと思います。

私がなにをするにしても、決して自分1人で取り組むことはなかなか難しかったと思います。今、私が見えている美しいコタンを作り上げるためにも、41年前にたった1人の地域の方の情熱ではできなかったでしょうし、地域の方たちが皆で協力し合い、試行錯誤しながら共に歩み、作り上げたのだと思います。

今回、私が作業させていただく中でもわからないことばかりでしたが、たくさんの方々が教えてくださり、支えてくださりました。だからこそ、ヒトとヒトとのつながり、仲間と共に歩んでいくことは何をするにも間違いなく、1番大切なものだと感じました。

屋形島での活動を通して

屋形島は数十年前くらいには人口は100人に近かったそうでしたが、今は人口14人の島です。

世話人の後藤さんが「島を観光地にしたり、住民を増やそうとしたりするよりも、今いる住民の生活をすることを大切にしたい」ということをおっしゃっていると知り、江田島や然別湖コタンとは異なった環境のこの島で、「地域活性化」とは何なのかを深く考えてみたいと思い、参加を決めました。

また、私は他の自治体で「関係人口プロジェクト」に継続して携わらせてもらっており、「関係人口」についてこの島で考えたいと思いました。

関係人口とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもなく、多様に関わる人々のことを指します。人口減少や高齢化により、地域の担い手が不足しているという課題に対して、地域によっては若者を中心とした「関係人口」が地域に入りはじめていて、変化を生み出し、地域の担い手になることが期待されています。

この島に来て、後藤さんとお話しする中でとても印象的だったのが、「14万人分の10,000人の違う意見の重み」と「14人分の1人の違う意見の重み」は異なるという言葉でした。

たとえば、14人のうち13人が「たくさんの人たちに遊びに来てほしい」と思ったとして、1人が「たくさんの人たちが来るよりも自分の生活が大切だ」と思っていたら?それでも、観光を盛り上げていくことが大切なのでしょうか?

私は一人暮らしをしていますが、隣の部屋の方がどのような方なのか正直知りません。そのような都会の実態にも課題はあるのかもしれません。しかし、この島ではみんなが顔見知りです。だからこそ、都会に住んでいる私よりも地域の人たちと繋がっているのかもしれません。

しかし、それと同時に人口がかなり多い都会に住んでいる私よりも一人の人の思いが島民の中に強く反映されやすいのかもしれません。

「地域活性化」とはどのようなことなのか、屋形島で深く考えました。「島の幸せのためにはどうしたら良いか。」、休みの日や空き時間にみんなでディスカッションしました。屋形島だけに限らず、どの地域でもその地域に住む住民たちは、一人として同じ人はいません。だから、みんな一人一人考え方や価値観は違います。

多様な人たちが住んでいる中、「地域活性化」をするにはどうしたらいいのだろうか悩みました。その時に、江田島での経験を思い出しました。地域のニーズを知った上で行動しないと自分の自己満足になってしまうのかもしれないと思いました。地域の方の声に耳を傾けてみたいと思いました。

しかし、声というものはもしかしたら表面に出ている声と心の中に秘めている声なき声は異なるかもしれません。

そのため、短期間で地域の方たちの声に寄り添うのは難しいのかもしれません。然別湖コタンで2回の参加を経て地域の方たちとの繋がりが深められたと感じていることと同じように、目の前にいる方のことを理解しようと思い続けることが重要だと思います。

「地域活性化」はこういうものだとは言い切れないのだと感じました。その地域の住民や状況があって、その上で「地域活性化」というものがあり、形は変容するように感じました。

ECOFF には、屋形島コースに参加するまで3回参加していました。しかし、4人という少人数で参加することは初めてでした。そのため、少人数でしか感じられないような学びがありました。

メンバーの中には、私を含めてECOFF といったボランティア活動、共同生活を送ったことのある仲間もいれば、このような経験は初めてな仲間もいます。みんなそれぞれ期待や不安などいろんな思いを持って参加していたと思います。

4人だからこそ、深く語り合えることもできます。4人だからこそ、1人の意見の重みが10人で参加するコースとは違ってくるかもしれません。

初めてのことで戸惑いや不安もあったかもしれませんが、最終日には屋形島で感じたことや自分の思いを分かち合い、お互いのことを少しずつ理解しあえて、みんなで心から笑っていました。

10日間滞在させてもらったからこそ、じっくり屋形島のことを見つめられた、「地域活性化」について深く考えられた、地域の方やECOFF の仲間たちと少しずつ向き合えた、いただく命や生産者の方に感謝を強く抱くことができた、自分自身のことや自然のことを思いっきり感じられたように思います。

活動最終日には、お世話になった屋形島ゲストハウスの裏庭にタイムカプセルを埋めました。タイムカプセルとして埋めたのは、「10年後屋形島に訪れる私たち」に向けて、「今屋形島にいる私たち自身が感じていることや伝えたいこと」を手紙にしたものです。

10年後、この手紙を読んだ自分は何を感じるのかな。その手紙を読んで、何かを感じたのならばそのまた10年後に屋形島にいる自分に向けて手紙を書こう。いつか、自分の子どもや孫が10年前屋形島にいる私の思いに会いに来てくれたら嬉しいな。

未来の屋形島と未来の私たち自身に向けて、今屋形島にいる私たちの思いを「継続」しました。村おこしボランティアを今まで4回行かせてもらい、私自身は村おこしができたのかは言い切れません。

だけれど、私が江田島にいた、然別湖にいた、屋形島にいたという事実は揺るがないし、そこで必死に活動し、感じて、考えたことは確実だと思います。

何事にもいつかは終わりが来ます。だけれど、その時の思いや愛はいつまでも消え去らないと思いますし、私は屋形島にいた「今の私の思い」を未来の屋形島と未来の私にいつまでも「継続」していきたいと思います。

それが、屋形島でたどり着いた「私が屋形島といつまでも繋がっていたい、関係人口でありたい」と思い、考え抜いた結果でした。

もちろん、10年後じゃなくても屋形島に訪れて、屋形島と屋形島で出会ったかけがえのない方たち、ヒオウギ貝と再会したいと思っています。

学生から社会人になる私に向けて

大学生とは、小中高と12年間の学生生活からこれから始まる社会人へと大きく変わる大切な時間だと思います。大きな変化というものは、誰だって悩むこともあるし、不安や壁にぶつかることもあると思います。その時に武器になるものとは何なのでしょうか。

ECOFF に出会うまでは、自分の武器が分からず、これからの社会人としての自分に強く不安を感じていました。あの悩んでいた時期に江田島コースに参加をして、就活を経て、然別湖コタンコース、屋形島コースに参加をさせていただいて自分の武器が見えてきたように思います。

社会に出た上で、資格や免許を持っていることは大きな武器になると思います。とても大切だと思います。だけれど、これから社会に出る変わり目に立っている今の私にとって、自分の強み、武器だと強く思うのは「帰る場所がある」ということです。

ECOFF を通して、たくさんの人たちに出会いました。かけがえのない時間を過ごしました。帰る時には「いってらっしゃい。いつでも帰っておいで。」と送り出してもらいました。

社会人になったら、きっと学生の時期には味わったことのない悩みや壁に出会うと思います。そのような時に、「辛いときに私には帰る場所があるんだ。」と感じられる第二の故郷や第二の家族が私にはいると思うだけで強くなれそうな気がします。それだけで、これからの新生活に自然と勇気が湧いてきます。

ボランティアと聞くと、相手に何かを与えるということを数年前の私は想像していました。でも、それ以上に今の私に村おこしボランティアを通して出会った多くの方たちや自然、動物が与えてくれたものは大きいと思います。

あと1ヶ月で、小中高大大学院と続いた私の18年間の学生という旅が終わります。だけれど、新しい旅に向けて、前向きに歩みを続けていられているように思います。いつまでも感謝の心を持って、いつまでも出会った地域や地域の方、仲間たちと繋がっていきたいです。

いってきます! また帰ってくるね!


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村おこしNPO法人ECOFF

村おこしNPO法人ECOFFの法人活動理念

村おこしNPO法人ECOFFは、都市を知る人と田舎を知る人が集まり、日本の農林漁村を元気づけるためのプロジェクトを実践するために設立されました。

ECOFFでは、「田舎のこと、農業のことを都会の人にももっと知って欲しい!」

という思いから、主として農林漁村でのボランティアの紹介と、ボランティアと農家さんが力を合わせて作った商品の販売事業を行っています。