ひとことで言うと、「耳が聞こえない・聞こえにくい」障がいのことですが、聞こえ方にいくつか種類があるのをご存知でしょうか?
今回は、聴覚障がいをテーマに「聴覚障がいの種類」を中心として、「聴覚障がいの方の生活や職業」「聴覚障がい分野で活躍するNPO」についてもお伝えしていきます。
目次
聴覚障害とは、身の周りの音や話し言葉が聞こえにくかったり、
ほとんど聞こえなかったりする状態
とされる、身体障害のひとつです。
聴覚障害者は「中途失聴者」「難聴者」「ろう(あ)者」に分かれます。
ちょうど耳をふさいだ時のように、音が聞こえます。
あまり騒がしくない場所で、大きな声で話しかけられれば、内容を聴き取れることが多いという傾向があります。
「伝音性難聴」の方は、補聴器などで音を大きくすると、よく聞こえるようになる場合があります。
伝音性難聴の原因は、中耳炎や鼓膜の損傷、耳の奇形などです。
左右両方の耳が感音難聴の場合は、大きな声で話しかけられても、その内容を理解することは難しいでしょう。左右どちらかの耳が感音難聴の場合は、音がどこから聞こえるかが分かりづらかったり、騒がしい場所で話を聴くのが難しかったりするでしょう。
この感音性難聴の原因は、先天的なものであると、胎児の発達異常や遺伝性があります。
後天的なものであると、加齢や過度の騒音、事故や病気などです。
伝音難聴と感音難聴の両方の症状が見られます。音が小さく聞こえ、聴き取りが困難になることがあります。
「混合性難聴」は「伝音性難聴」と「感音性難聴」のどちらの要素が大きいかによって聞こえ方が異なります。
聴覚障害がいは人によって聞こえ方がかなり違うことがわかってきました。
では、耳が不自由な人がコミュニケーションをとったり、安全に暮らすためにはどのようなサポートを受けているのでしょうか?
聴導犬とは耳の聞こえない人や耳の聞こえにくい人たちに必要な情報を伝えてくれる身体障害者補助犬のこと
聴導犬は、道を歩くときに「自転車のベル」が鳴っていることを知らせてくれたり、家にいる時には「インターフォン」を知らせてくれたり、非常時では「火災報知器」や「非常ベル」など、生活のあらゆる音を知らせてくれます。
障がいを持つ方のために働く犬は他にも「介助犬」「盲導犬」などがあります。
詳しく知りたい方は以下のURLからご覧ください。
「手話」は手や指だけでなく、顔の部位も使って言葉を表す「コミュニケーションツール」です。
視線や眉、首の向きなどを使うことを「非手指動作」といい、「非手指動作」を使うことで、「命令」なのか「疑問」なのか、など文法的な意味を表すことができます。
手話について詳しく知りたい方は以下のURLからご覧ください。
手話が使えない聴覚障がいの方が使うことが多いのがこの「筆談」。
電車やバスなどの公共交通機関では筆談具が置かれていることが多いです。
筆談について詳しく知りたい方は以下のURLからご覧ください。
かつては、聴覚障害の子どもに特化した学校として「聾(ろう)学校」がありました。
しかし、2007年に「聾(ろう)学校」は他の「盲学校」「養護学校」と共に「特別支援学校」へと一本化することになり、「聾(ろう)学校」は「特別支援学校」へと名称が変わりました。
そして今では「特別支援学校」か「一般の学校」のどちらかを選ぶ仕組みになっています。
特別支援学校では、耳が聞こえにくい子どものためのために様々な工夫がされています。
例えば、廊下の踊り場には大きな鏡をつけて階段での事故を防いだり、授業と休み時間がわかるように、設置されたランプが点灯するなどの工夫がされています。
参考 Silent Voice 【工夫が沢山】聴こえない子どもたちの学び舎・京都府立聾学校へ行ってきました。
聾学校在学中にインターンシップ実習で仕事を体験した印刷会社に就職したMさん。
仕事はパソコンを使って行う仕事や、ラベルを貼ったりする包装作業です。
コミュニケーションは簡単な手話を使って健常者の社員と話したり、筆談で仕事の連絡をやりとりしています。
聴覚障がいの方が自立して暮らしていけるような活動をされているNPOをいくつかご紹介します。
例えば、手話教室や聴覚障害者の就労自立支援が行われていたり、耳が聞こえない人のためのグループホームを設立し、手話でコミュニケーションできる環境づくりをしているNPOもあります。
特定非営利活動法人にいまーるさんでは上記のような活動をされています。興味のある方はサイトをご覧ください。
特定非営利活動法人東京都中途失聴・難聴協会さんでは、聞こえに困っている方が福祉制度をより活用できるように、この基準を世界保健機関(WHO)の基準に沿ったものにする「デシベルダウン」運動の活動をされています。
興味のある方はサイトをご覧ください。
今回は聴覚障がいをテーマにお話しました。
難聴にも分類があって、聞こえ方は人それぞれ違うことがわかり、より個人個人のケアが必要であると感じます。
もし、聴覚障がいのある方とお話する機会があれば、「どちらの耳がより音を聞き取りやすいのか」「喋る環境は適切か」などを考えるとよいでしょう。
また、街で聴導犬や他のお仕事をしている犬に出会った時は、いくらかわいくても、なでたり見つめたりしないようにしたいですね。
少しでも障がいの特性を知って、少しの気遣いをするだけでより住みやすい環境になるのではないでしょうか?
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