児童養護施設で子どもの可能性を伸ばす!大学生サポーターの挑戦
ピースワラベでは、大学生が児童養護施設に通い、学習支援や日常的な関わりを通して、子どもたちが安心できる関係づくりを行っています。
今回は、7月から活動を続けている大学生サポーター・宮岸さんに、活動への想いや現場での気づきを伺いました。

参加のきっかけ
「自分をちゃんと見てくれる先生に救われた」
宮岸さんがこの活動に参加したきっかけは、将来「子どもたちに寄り添える先生になりたい」という想いからでした。
「中学生のとき、進路面談で“行きたい高校に行けるよ”と言われたけど、具体的なアドバイスがなくて結局受験に失敗してしまいました。そのとき、“もっと自分をちゃんと見てほしかった”と感じたんです。
でも高校で出会った先生は、相談すると倍になって返してくれるような方で、“こういう先生になりたい”と思いました。」
その経験から、子どもたち一人ひとりに寄り添える大人になりたいという想いが強まりました。
「子どもと関わるボランティアを探していて、ボランティアサークルでピースワラベの活動を知り、児童養護施設のことも学びたいと思って参加しました。」
活動を通して
一緒に学びながら、ポジティブな声かけを意識して
宮岸さんの担当は学習支援。英語などの教科を、子どものレベルや興味に合わせて教えています。
「自分も英語が得意ではないので、子どもと一緒に参考書を見返しながら勉強しています。教えるというより、一緒に考える感覚ですね」と笑います。
活動の中で大切にしているのは、「ポジティブな声かけ」。
「先生から“子どもたちに成功体験を積ませてあげてほしい”と言われてから、意識的に褒めるようにしています。勉強がうまくいかなくて落ち込んでいる時ほど、“ここまでできたね”と伝えるようにしています。」
「ただの先生と生徒」ではなく、「話せる関係」に
約3か月間、10回以上の訪問を重ねる中で、子どもたちとの距離は少しずつ縮まっていきました。
「勉強だけじゃなく、好きなアイドルの話をしたり、見た目の変化に気づいてくれたり。3時間のうち1時間くらい雑談していることもあります(笑)。
“先生”と“生徒”というより、“話せる友達”のような関係になってきたと思います。」

子どもたちの自己肯定感を育てたい
今後、子どもたちにどう成長してほしいか尋ねると、迷わず「自己肯定感を高めてほしい」と答えました。
「施設で暮らす子の中には、自分に自信を持てない子もいます。だからこそ、小さな成功を一緒に喜んで、“自分にもできるんだ”と思える瞬間を増やしたいです。」
活動を通して見えた、自分自身の成長
この活動を通して、自身の将来像にも新たな気づきがあったといいます。
「心理学にも興味が出てきて、チャイルドカウンセラーの資格や大学院進学も考え始めました。子どもの自己肯定感をどう高められるかを研究してみたいです。」
また、「教えることの難しさも実感しました」と続けます。
「自分が勉強を得意なタイプではないので、“教える”より“伝える”になってしまうことも。大学で教育法を学びながら、もっと良い関わり方を身につけたいと思っています。」
「関わることで、ポジティブな変化を起こしたい」
最後に、「支援する」という言葉の意味を尋ねると、宮岸さんはこう答えました。
「私が関わることで、少しでもポジティブな変化が起きてほしい。子どもたちが自信を持って行動できるようになったり、“やりたい”と言えるようになったら嬉しいです。」
活動の中で悩みながらも、子どもたちと同じ目線で向き合い続ける宮岸さん。
「寄り添う先生になりたい」という言葉の通り、そのまなざしには、教育者としての真摯な姿勢がありました。
ピースワラベの大学生サポーターたちは、今日も子どもたちに“信じてもいい大人”の姿を届けています。
活動に参加してみませんか?
ピースワラベの法人活動理念
あきらめなければ、きっと夢は叶う。未来は選べる。運命は変えられる。
生まれ育った環境や経済的な理由、予期せぬ困難に直面し、夢を追うことをあきらめてしまう子どもたちがいます。
特に児童養護施設で暮らす子どもたちの多くは、卒業後の選択肢が著しく限定されてしまうという現実があります。
私たちは、そんな境遇に置かれた子どもたちに寄り添い、留学体験や学習支援、異文化交流などの機会を提供することを通じて、教育や体験の格差を少しでも解消し、ひとりでも多くの子どもたちが自分の力で未来を切り拓くきっかけをつくりたいと考えています。
私たちは信じています。この活動を通じて生まれた希望の灯が、いつの日か世界を明るく照らしてくれることを。
ひとりでも多くの子どもたちに「あきらめない」という選択肢を。