大学生による児童養護施設支援―“ともに笑い、ともに成長” 現場直前2日間レポート
10月初旬、児童養護施設に暮らす子どもたちへの伴走支援プロジェクト「JUMP」の活動を担う大学生サポーター研修を行いました。
「自分に寄り添ってくれる誰かがいる――」
JUMPプロジェクトは、児童養護施設で暮らす子どもたちの“今”に大学生サポーターが伴走する取り組みです。学び、遊び、趣味、悩み…子どもたちの日常に、信頼できる“お兄さん・お姉さん”として関わります。目指すのは、子どもたちに自己肯定感と挑戦する力を届けること。そして、施設を巣立った子どもたちが今度はサポーターとして次世代へバトンを渡していく“循環型コミュニティ”。この想いに共感した大学生が全国から集まります。
9月からの全国公募には多くの応募があり、選考を経て、熱意あふれる11名の大学生が新メンバーとして決定。児童養護施設での活動開始前に、2日間に渡る濃密な研修が行われました。
【1日目:対話と信頼、支援の基本を学ぶ】
選ばれた大学生らの初めての顔合わせの日。初日の会場は、張り詰めた緊張で包まれます。
ですが、アイスブレイクの自己紹介で“意外な一言”を交えて話すうちに空気が柔らかくなりました。
「自分は子どもたちにどんな存在でありたいのか」。
施設運営や子どもの権利、社会人としての基本的マナー、リスク管理や個人情報の守り方…支援の土台となる幅広い内容をじっくり学びました。
現場で起こりやすい事例――「LINEを交換したい」「SNSでDMがきた」など、年齢の近い大学生だからこそ起こる“断りにくい場面”もグループ討議。正解を押しつけるのでなく、「なぜそのルールが必要なのか?」と“理由”まで考えること。支援者としての責任と葛藤を「自分の言葉」で考える時間になりました。
【2日目:遊びと体験で深まる仲間の輪】
2日目はレクリエーション中心の研修を行いました。
「人間ビンゴ」「フルーツバスケット」で、お互いの意外な個性や共通点を発見し、心がぐっと近づきます。懐かしい「椅子取りゲーム」には、全員が本気!会場に大きな笑いが響きました。
後半戦は、白熱のカードゲーム大会。
「はぁって言うゲーム」では普段見せない表現力やユーモア、新たな一面にみんなが爆笑。
続く「犯人は踊る」では、はじめての人もルールを教え合い、すぐに夢中に参加。

それぞれの遊びを通して感じたのは、遊びには不思議な力があるということ。
「本気で笑う」「本気で悔しがる」、うまくいかない場面も、笑いと仲間のサポートで力に変わっていきます。言葉や技術を超えて、信頼はこうして育つのだと皆が実感しました。
研修交流会の集大成!BBQで語り合う夜。
そして夕方、葛西臨海公園のバーベキュー広場へ移動。
準備から片付けまでみんなで協力し、火を囲んで食材を焼いて語り合う――
――その時間はまさに“JUMP大学生サポーター研修の集大成”でした。
「お肉、最高!」「この焼き具合どう?」など、
何気ない声かけの中にも、自然に思いやりと仲間を大切にする温かさがありました。
1日が終わるころ、一人ひとりが感想をポロリ。
──「子どもに寄り添う前に、自分自身と向き合うことができた」
──「この仲間とのつながりを、子どもとの関係に活かしたい」
──「初対面なのに、本音で笑い合える時間が持てて本当に嬉しい!」

たった2日間ですが、悩みも喜びも分かち合い、笑い合った経験がこれからの活動の力に変わっていくと感じます。
JUMPプロジェクトは、
ただ単なる児童養護施設への支援ではありません。
大学生と子どもたちが関わることで「誰かを応援したい」「自分自身を変えたい」という温かい連鎖が、世代を越えて続いていきます。
今ここで生まれた輪を、これからもっと広げていきます。
あなたも、子どもも、誰もが自分らしい声で「またね」と言い合える未来を
一緒に作りましょう!
活動に参加してみませんか?
ピースワラベの法人活動理念
あきらめなければ、きっと夢は叶う。未来は選べる。運命は変えられる。
生まれ育った環境や経済的な理由、予期せぬ困難に直面し、夢を追うことをあきらめてしまう子どもたちがいます。
特に児童養護施設で暮らす子どもたちの多くは、卒業後の選択肢が著しく限定されてしまうという現実があります。
私たちは、そんな境遇に置かれた子どもたちに寄り添い、留学体験や学習支援、異文化交流などの機会を提供することを通じて、教育や体験の格差を少しでも解消し、ひとりでも多くの子どもたちが自分の力で未来を切り拓くきっかけをつくりたいと考えています。
私たちは信じています。この活動を通じて生まれた希望の灯が、いつの日か世界を明るく照らしてくれることを。
ひとりでも多くの子どもたちに「あきらめない」という選択肢を。