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2020/06/14

『学び』で自分を好きになる〜私たちが不登校生のための家庭教師をする理由〜

初めまして、
不登校生のための家庭教師「あいむ」代表の藤野荘子(ふじのそうこ)と申します。

簡単に、私の自己紹介をさせてください。

私は福岡出身で、大学は大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学というところで過ごしました。

その大学に入った理由は、途上国のことを勉強したいというものでした。

実際に、バングラデシュにも1年間インターンシップにも行きました。

帰国したときは、これからも途上国支援に関わっていきたいと思っていたのですが、日本に帰ってきて「日本は意外とまずい状況にあるのかも」ということに気づいたのです。

そして、私が特に課題だと思ったことは、日本に住む子どもたちが直面する課題についてでした。

日本に帰国した時になんとなく日本はもう豊かな国ではないと感じました。

経済的には豊かかもしれませんが、精神的には豊かなのだろうか。
自分の人生を生きて、他者に手を差し伸べることが出来る人、
人生の時間をいきいきと過ごせている人はどのくらいいるのだろうかと。

今回は、私たち「あいむ」が取り組む「不登校」の課題、そして、私達が大切にしている「自己肯定感」について、記事を書きたいと思います。

まず、前提として、私たち「あいむ」のスタンスは、
自分が納得できていれば、不登校状態であったとしても、課題とは認識していない」ということです。

不登校を決して否定はしていません。
そのスタンスでいることをまずお伝えします。

では、早速ですが、現在、不登校、あるいは不登校傾向にある状態の子どもたちはどのくらい日本にいるでしょうか。

不登校・不登校傾向の割合が最も高いとされる中学生で43万人、約13.3%、約8人に1人の生徒が不登校、あるいは不登校傾向にあるという発表がありました。
(日本財団の調査「不登校状態にある子どもの実態調査」より)

もう不登校の子どもは珍しくない状態ということが分かります。

また、不登校、あるいは不登校傾向にある原因の調査結果として、TOP10内に常に学力が関係することが入っていました。

(日本財団の調査「不登校状態にある子どもの実態調査」より)

学校という場所柄、学力不振で悩み、不登校、不登校傾向にある子どもは多いのです。

家庭、学校という居場所が自分のすべてと認識しやすい子ども時代に、
学校に行っていない、あるいは行きにくい状態であるということは、
大きな悩みになることが多いということは容易に想像ができます。

そして、その状態である子どもが日本には何十万人といること。

また、ここで私の経験についてお話させてください。

私は精神的に体調が優れない経験をしたことがあります。
自分にはなにか出来ることはあるんだろうか。
そんなことを思っていたこともあります。

そして、なかなか特徴的な性格をしている(自分でも思いますし、周りからも言われます)かつ、ADHDという診断を病院から受けています。

人ができることを思うように出来ない…
でも、そんな私でも自分の個性を生かして働きたいし、生きていきたい。

そんな思いから、「自分らしく生きて人を増やす」というビジョンを作りました。


では、そのためには何が必要なのでしょうか。

「自分らしく生きていく」ためには、レジリエンス(困難に立ち向かう力)がだと考えています。

また、レジリエンスは、自尊心や自己肯定感と深い関係していると言われています。

フレーザー(2009)は「自尊心とは、自分の対処能力、価値、差異をもたらし、困難から退くのではなく直面し、成功と失 敗の両方から学び、自己とも他者とも尊敬をもって接する能力について個人がもつ感情や考え方 を含むものとして理解される」と述べています。

そこで、小田川華子は、「自己肯定感が高い子供は、レジリエンスが高く、たとえ生活上の困難に陥っても、それを跳ね除け、その状況から抜け出すことができ ると言われています。 」と述べています。

ここで、不登校、不登校傾向にある要因の一つであった「学力」と「自己効力感」を見てみましょう。

小中学生の学びに関する調査報告書(2015)では

小学生の成績上位者では87.0%が自己効力感を持っているのに対して、成績下位者で自己効力感を持っているのは74.2%と低い。
また中学生でも同様に、成績上位者では83.7%なのに対して、成績下位者では68.0%と低くなっている。 
また、学力(成績)を規定する要因としてまず考えるのは「学習時間」である。自己効力感と学力には相関が見えるが、では学習時間との関係はどうなっているのだろうか。自己効力感と平日の学習時間との関係をみてみると、小学生で1時間以上学習している割合は、自己効力感の高い子が約7割なのに対して、自己効力感の低い子は約6割と、その割合には差が見られる。また中学生においても同様の傾向がみてとれる。自己効力感が高い子どものほうが、より長い時間をかけて 学習している割合が多いことがわかる。  

とあります。

(「学習の質」、「認知的・メタ認知的学習方略」、「自己動機 づけ方略」は学力とは関係がなかった)

学力、とりわけ、学習時間と自己効力感には相関関係があるということが出来ます。

そこで、あいむでは不登校あるいは不登校傾向にある生徒で勉強時間が確保できていない生徒に対して、「自分らしく生きていく」ことを目標として、家庭教師を行っています。

自分がそうだったのですが、個性をどうにか型にあてはめて生きていくのは、
とても大変なことですし、悲しくなったり、無力感に襲われることもあります。

そうではなく、自分らしく生きていってほしい。
そんな思いで私達はこの社会課題に取り組んでいます。

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