大学生と中高生の出会いを通じて創りたい「きっかけ」とは
東京学生エスコートという学生団体で、2018年から活動し、現在300名以上のメンバーで中高生の修学旅行の受け入れを行っています。
地方から東京に修学旅行に来る中高生5~8人の班に、大学生が一人ずつ担当し、都内の観光名所、企業訪問、大学見学に同行し、大学生の力で「東京で過ごす最高の修学旅行」を作ります。
プロジェクトを始めた経緯
もともと、私たちは2011年に起きた東日本大震災の復興の一助になりたいと、岩手県陸前高田市とNPO法人SETと提携し、陸前高田の漁師さんや農家さんの家に泊まる「民泊修学旅行」を企画、実施していました。
学校から「修学旅行に行く前に学校で震災学習をしたい」と事前学習を依頼されることが多く、SETの大学生と一緒に学校に乗り込んでグループワークを行いました。
ここで出会った大学生と一緒に「地方から東京にくる修学旅行生との交流する時間」をつくろうと立ち上げたのが東京学生エスコートです。
東京学生エスコートが目指すこと
長年、学校教育の現場と関わってきましたが、修学旅行ほど大きな学びの機会はないかもしれない、と思うようになりました。
修学旅行は、多くの人がその日あったことを「何年経っても覚えている」長期記憶に残る非日常の体験です。
あるとき、学校の先生からこんな言葉をいただきました。
「修学旅行が終わった後、学校が変わったんです」
わずか1日にも満たない時間を共にしただけで、学校を変えてしまうほどのインパクトを持つ可能性があることを教えてくれました。
陸前高田民泊も、東京学生エスコートも、目指すものは同じです。
「人との出会いの力で、何かを変えたい」
何か、というのは、人の心や人生そのものです。
私ごとになってしまいますが、両親の仲が悪く暴力的な家庭で育ち、結果、私は小さい頃から人間不信でいわゆるコミュ障になりました。学生時代は人が怖くて、人前で話をすることなんてできませんでした。
でも大学生のときの、たった一回の素敵な大人との出会いがきっかけで、自分が変わることができました。
何に対しても自信を持つことができなかった自分を信じてくれる大人がいる。人間って捨てたもんじゃないって、初めてそう思えたんです。
それからは、そういう出会いをたくさんたくさん作っていきたいという思いだけでこのプロジェクトをなんとか形にしてきました。
かつての自分自身のように、自分に自信が持てない子、将来が不安でしかなかった子の心に、全員ではないかもしれないけど確実に変化が生まれていると感じています。
自分に自信がないときは、人に受け入れてもらえるかいつも不安で、その不安から自分を守るために、人への悪口に変わってしまったり、「本当はこんなはずじゃないのに」と、自己嫌悪の繰り返しです。
民泊やエスコートで、無条件にひとに受け入れてもらう経験は、自分が存在していてもいい(価値のある)人間なのだと教えてくれます。それがたった一度であっても、その経験は一生自分を支えてくれるのです。
そして、人が他人に対して抱いている不安を理解し、相手を思った行動ができるようになります。
人間はひとりじゃない。
生きるってこんなにも素晴らしいこと。
そのような学びが、学校を、そして生徒一人ひとりを変えうるのだと思います。
ひととの出会いの中にこそ、ひとを変え得る学びがある。
私たちはその信念のもとに、これからも東京学生エスコートを推進していきます。
株式会社And Natureの法人活動理念
東京学生エスコートの理念には、「Vision・Mission・Value」の3つがあります。
Vision「きっかけが循環する世界を作る」
①生徒にとって
社会に出ていくことを意識しながら、 日々学ぶ東京近郊の大学に通う大学生と触れ合うことで、 修学旅行生に将来のことを深く考える良い機会、影響を与える。
②大学生にとって
そんな東京学生エスコートを通じて、 大学生側も自分の想いや意志を表現することでお互いに成長し、 自らを見つめ直す機会となる。
Mission「心で対話し、一人ひとりに革命を、そして修学旅行に革命を」です。
生徒一人ひとりと向き合う。向き合い、何を求めてるのか、何を伝えたいのか、何を考えていてどうなりたいのか、を受け取り、その思いに応えていく。
Value
創りたいモノ、コトを創ることが当たり前のひとたち
失敗を許容するひとたち。挑戦しなければ失敗はない
「らしく」を大切にするひとたち、
背伸びしない、ありのまま
「人のために」を本気で考えるひとたち