チョイふるストーリー Vol.5 「みんなの幸せが自分の幸せ」理事・松井茂樹さん
一般社団法人チョイふるメンバーを紹介していく企画、「チョイふるストーリー」。
第5回目は、チョイふるの理事メンバーの松井茂樹さんにインタビューしました。
<プロフィール>
一般社団法人チョイふる ボランティア/理事
松井 茂樹(まつい しげき)
松井刃物株式会社 代表取締役社長
千葉商科大学経済学部卒業後松井刃物入社、40歳社長就任
Q1.チョイふるとの出会いは何ですか?
初めて参加したのは一昨年(2020年)の6月ごろで、松本さんの紹介で知りました。当時から出来る限り毎回参加しています。わくわく便って何だろうという状態で参加し始めたのですが、栗野さんや松本さんが懸命に活動されている姿を見て、参加を継続し続けようと決心し継続しています。その当時は、まだ教会との連携もなく食材の寄付も少なかったのですが、今は豊富な食材を支給することが出来ているので嬉しいです。
ちなみに、松本さんとは息子が同級生だったため、父の会で交友関係があり、地域のお祭りやおみこしの役員などで関係が深かったんです。疎遠になってしまっていたのですが、引っ越し先で偶然再会し、交流が再開し今でも最高の友人です。互いに丸くなりましたね。笑
丸くなった理由としては、栗野さんのような目標のために何でもやる変態と名付けたくなる素敵な人と出会えたこともあるかもしれません。
Q2.先ほど丸くなったというお話がありましたが、チョイふるの活動を通じて特に変化したなと感じる部分があれば教えていただきたいです。
物事の考え方ですかね。昔は、わがままで周囲の方の成功や出来ていることを羨ましく思ってしまうことが多くありました。凄くネガティブでしたね。しかし、松本さんとの再会やチョイふるの活動で出会う方々と交流したり、組織作りのための話し合いを進めたりする中で、刺激されることが多くありました。
この活動に参加したことで様々な事柄に積極的に参加するようになっていたのかもしれません。チョイふるの活動とは直接的には関係ありませんが、一昨年の11月に発表会をした能、書道、少林寺などをはじめたことと、その発表会で「よく頑張ったね。」と大切な人に言われたように感じた経験などもきっかけですかね。
現在では、物事を前向きにとらえることが出来るようになりました。自分はまだまだ何もできていませんが、妻の「みんなに幸せになってほしい。」という考えを大切にして日々子供と接しています。
Q3.今後やりたいことなどあれば教えていただきたいです。
施設に入所している子どもやシングルマザー・ファザーは不幸だというイメージをなくしていきたい。特に、子ども達のケアをしたいと考えています。具体的には、乳児院や孤児院などに通う子ども達と交流をしたり、母子・父子家庭の方にわくわく便を届け、交流し続けるなどが考えられますかね。そして本当に最終的には、皆が幸せになること、そして、自分は幸せだと感じるための理解力を持つことが出来るようにサポートしたいです。私の思う幸せは、何があっても笑っていられること、自分は幸せだと認識できることだと思っています。
Q4.様々なご利用者様と交流されてきて、格差が続いている理由は何だと考えられていますか?
様々な理由があると思いますが、やはり一番は、女性の役割が周知されていないことと、女性自身も自分の役割を認識しきれていないことだと思います。近年、女性の社会進出が加速しているにもかかわらず、男性は仕事をし、女性は子育てをするという考えが抜けていないことだと思います。仕事に懸命になるのではなく、家庭内のことをやるという女性の役割の囲みの中でおぼれてしまう方が多いのではないでしょうか。女性が当たり前に働くことが出来、それを応援してくれる周囲の環境がなければ貧困はなくならないです。女性の存在意義は、とても大きいですからね。女性の立場をより守り、対等にすることで補い合うことが出来たら貧困はなくなっていくのではないでしょうか。
Q5.どのようなときに女性の存在の大切さを感じますか?
わくわく便で一緒に周ると、各家庭のご様子を伺ったり、声掛けをすることがとてもうまいなと感じます。警戒心や脅威を生ませることなく、自然に会話をしていて、尊敬します。男性だけだと自分の意見を前に出してしまうので、ご利用者様より自分の話が多くなってしまうというように、バランスが崩れてしまうことが多いように感じます。
Q6.ご利用者様と交流させていただく中で、様々なご家族の形とお会いしたと思いますが、松井さんはどのような家庭環境だったのかお伺いしてもいいですか?また、最近の楽しみなどあれば教えてください。
子ども頃から恵まれた家庭環境で育ちましたね。ただ、大人になって結婚してからは奥さんと子どもと別居したので、様々な思いがあります。お恥ずかしい話ですが、自分の子どもや奥さんに対して言えないくらいひどい対応をしていました。この活動を行っているのも、その罪滅ぼしの一つなのかもしれない。月に数回ですが、20代になった子どもたちと会ってご飯を食べることが楽しみであり幸せな瞬間です。
【インタビュアーより】
今回インタビュアーさせていただいた松井さんとは、実はインタビュー時はじめてお話しさせていただきました。初めてのインタビューだったとはいえ、うまく質問することができなかったり、質問の内容もメモの内容もうまくいかなかったりと不完全すぎました。こちらの質問に対して、過去を思い出しながら丁寧に話してくださった松井さんには感謝しかありません。ご家族の話などナイーブな内容に関してもお話ししてくださったこと感謝しかありません。松井さんの気持ちは必ず伝わっているのではないかと思いました。松井さんのような大人になりたいなと思うことばかりでした。
貴重なお時間を本当にありがとうございました。
(インタビュアー・執筆 浅野楓 <チョイふる・学生ボランティア> )
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「生まれ育った環境によって子どもの将来が左右されることのない社会」を実現するために、子どもを取り巻く環境をより良くするための活動を行っています。