「子ども達が前向きに生きる力」の現状
◆「子ども達が前向きに生きる力」とは?
小中高生の自殺が増加する一方であるとの報道が毎年のように大きな話題となっているのを、目の当たりにしている方は多いのではないでしょうか。

一般に自殺対策というと「いのちの電話」やLINEを始めとしたSNS相談などが思い浮かぶ方が多いと思いますが、それはあくまで対処療法でしかありません。
つまり誰かに相談してその場では救われても、その子がそこまで追い詰められた原因(挫折や困難、理不尽など)が取り除かれない限り、生きるかどうかの瀬戸際にずっと戻ってきてしまう。
そしてそれを取り除けるのはただ一人、他の誰でもないその子自身なのです。
1つの道が途絶えたときに別の道を探して進む、あるいは新たな道を作り出して進む。
時には「逃げる」ことだって選択肢になり得るでしょう。
その子自身が自分の力で進んでもいいし、誰かに助けを求めて複数人の力で進んでもいい。
いずれにせよ、必要になるのは①その子自身が自分の頭で考え自分の手で選択し、自分の足で動く力。
そして②「こんなことしてみたい!」「あんな風になりたい!」「こう在りたい!」という目標や原動力。
もちろん「やってみたらハマった!」ということも往々にしてあるので、
①と②は鶏と卵の関係でどちらが先になっても良いものなのでしょう。
この2つを合わせたものが、「前向きに生きる力」であると私は考えています。
◆それは、「なんとなく日々を生きる」だけでは得難いもの
日本は先進諸外国において子ども若者が「将来に夢や希望を持てていない」「失敗を恐れて挑戦できない」といったデータや、「学年が上がるごとに学んだことやできることは増えているはずなのに自己肯定感は下がっていく」といったデータが出ています。



同様の調査は他にも多くありますが、それぞれの課題は独立したものではなく絡み合ったものであると私は考えています。
つまり根っこは同じで「自分の進みたい先が分からないから、ずっと同じ位置にとどまっていることによる停滞感」ではないでしょうか。
なんとなく生きる停滞感の中にいると将来への希望は見出せず、失敗するかもしれないことには手を出せず、目指す先に向かって進めている感覚がなければ自己肯定感が下がっていくのは当たり前です。
◆なぜこの問題が深刻なのか?
たまに「大切なのは分かるけど、貧困みたいに命には直結しないよね」という声をいただくことがあります。
しかし前向きに生きる力が育たないと、様々な面で負の影響が出ます。
例えばやる前から「どうせ無理」とあきらめたり、少しのつまずきで「やっぱりだめだ」と離脱するようになると、子どもが本来持っている可能性や興味が育ちにくくなります。
挑戦する前から諦めると精神や能力の成長が乏しくなるため自己肯定感が落ち、
自己肯定感が落ちると余計に挑戦する前から諦めるようになる…負の連鎖におちいります。
負の連鎖が続くほど慢性的な不安やストレスにむしばまれ、長期的には心の不調にも繋がりやすくなります。
心の不調があると挫折や困難があったときのダメージはとても大きいです。
私たちがやっている活動は飢えている子に食糧を与えるような直接的なものではありませんが、
・子どもが挫折や困難に遭うことを予防する
・子どもが挫折や困難に遭っても乗り越えられる力を育む
といった2つの観点で子ども達の命を守っている、と考えています。
活動に参加してみませんか?
非営利型一般社団法人Nancyの法人活動理念
発明王エジソンの母親ナンシー・エジソンのファーストネームを由来とした団体名です。
学校を退学になってもエジソンの才能を信じ抜き、エジソンの疑問を一切否定せず一緒に考えたり実験しながら才能を開花させた母Nancyのように子どもたちの才能を信じ抜き、その可能性に伴走する存在でありたいと思います。
また、エジソンは決して天才ではない、と言われています。電球の実用化では20,000回の失敗をしたそうですが、それに対してエジソンは「20,000回失敗したのではなく、20,000のデータを取ったのだ」と答えたと言われています。夢や目標を持ちその実現のためなら困難にも立ち向かい、何度でも挑戦して新しいものを生み出していく"次世代のエジソン"を育む存在になりたいと思っています。