ユニバーサルビーチとは、須磨ユニバーサルビーチプロジェクトの歩み
ユニバーサルビーチとは、障がいを持っている人、家族や仲間、小さなお子さんやご高齢の人まで、みんなが気軽に安⼼して海を楽しんでもらえるビーチです!
みんなの「できた!」につながるように、様々なアイテムとアイデアを駆使して、ユニバーサルビーチを実現していきます。
これまでに、全国20都道府県、23ヶ所でユニバーサルビーチ実現のための活動をしてきて、6つの兄弟プロジェクトが生まれています。
「生の感情」を原動力に、 言葉では表現できない経験をしてほしい。
人生初の海水浴”は、子どもをこんな表情にします。
海パンを忘れて波打ち際で子どもの様子を見ていたお父さん。
子どもの表情に我慢できず、思わず私服のまま、海に入ってきて撮ったツーショット写真です。
言葉では言い表せられない、衝動的に爆発する感情。それが、僕らの大切にする生の感情です。
なぜユニバーサルビーチが必要なのか
障がいを持っている人、その家族は、海を諦めてしまっています。
そもそも、海に出かけるというのが選択肢にない人が多いです。
例えば、⾞いすでビーチを通ろうとすると、⾞輪が砂にはまってしまう。
せっかく海に来たのに遠くから眺めることしかできない。
これが⾞いすユーザーの「常識」です。
そんな現状への解決策こそが、UBPが取り組むビーチのユニバーサルデザイン化です。
ユニバーサルビーチによってみんなが楽しめる海を⽬指します。
「車イスの人って海行くん?見たことないけど。」 から始まった
このページに辿り着いてくれて、ありがとうございます。NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト代表の木戸俊介です。
プロジェクトを始めた頃、こう聞かれました。
そもそも、車イスをはじめ障がいのある人は海に行くという選択肢自体がない人がほとんどです。
ビーチに行かないのではなく、ビーチに行っても楽しめない。そう思っている人が多いんです。
「車イスでは海を楽しめない」という既成概念をぶち破るため、須磨ビーチを車いすの人とその家族が一緒に海を楽しめるユニバーサルビーチにすることを目指してここまで走ってきました。
そこで生み出した「できた!」の体験、そこから始まるチャレンジを日本全国のみんなへ届けたい。
そのためにも、私たちは信念をもって活動を広げていきます。
NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト
代表 木戸俊介
「車いすでは海は楽しめない」という既成概念をぶち破りたい。
1.ユニバーサルビーチが須磨にできるまで
身の回りのものでユニバーサルビーチを
つくろうとしたけど…?
ビーチマットを導入しようと思ったものの、購入資金がありませんでした。
そこで、まずは身の回りのモノでビーチマットを作ろうと考え、一般公募で代用品のアイデアを募りました。
すると、大きな反響があり、沢山のアイデアが集まりました。
実際にそれらが可能かどうか検証会を行いました。
代用品ごとの評価を得点表に並べて比較しましたが、しかし、どの代用品も安全面に不安が残る結果となりました。
安全面だけは妥協できないので、アメリカ製ビーチマットを輸入することに決めました。
クラウドファンディングに挑戦!
海外からマットを導入するためには、須磨ビーチに必要な長さだと「130万円」が必要でした。
しかし、どうしても海を諦めている人のチカラになりたい。
他の人にも、生の感情を感じてほしい!その想いから、クラウドファンディングに挑戦することを決めました。
私たちの想いが届き、167人から159万円の支援が集まりました。
須磨の海にビーチマットが登場!
2017年5月28日。
ようやく須磨のビーチに、砂浜から海岸に向かって伸びる青い道、
ビーチマットを敷くことができました!
車イスの人も家族や仲間と一緒にビーチを進み波打ち際まで進むことができるようになりました。
それまでは、遠くから眺めることしかできなかった波打ち際が、誰もが、簡単に、間近で眺めることができりようになりました。
2.1つ目の夢が達成するまで
弱みを強みに変える逆転の発想
ビーチマットには最大の弱点があります。 それは、めちゃくちゃ重いことです。 また、須磨ではビーチマットは常設できません。 だから毎回設置・撤去する必要があり、とても手間がかかります。
でも、ビーチマットが重く、手間がかかるからこそ、こんなにもたくさんの人が集まってくれるようになりました。 今では、集まってくれる「人」がプロジェクト最大の強みになりました。
弱みを強みに変える。
これはビーチマットも、障がいも、人生も同じです。
次はアレしたい!コレしたい!を原動力に。
ビーチマットで波打ち際まで行けるようになると、やっぱり次は、海に入りたくなります。
私たちの活動のキッカケになるのは、ほとんどが誰かのやりたい!気持ちから始まります。
たくさんの人の想いに応えるために、水陸両用アウトドア車イス・ヒッポキャンプを導入することを決めました。
導入のために、寄付を募った結果、82万円が集まりました。
水陸両用アウトドア車イス・ヒッポキャンプも導入!
ヒッポキャンプを導入し、車イスのまま海に入ることができるようになりました。
人生初の海水浴を経験した子どもの笑顔、初めて家族みんなで海水浴に来てくれた家族の笑顔は、一生忘れません。
1つ目の夢が実現!
ビーチマットとヒッポキャンプのおかげで、海で楽しむことを諦めていた人、家族、仲間で海を楽しんでもらえることができました。
初年度は、ひと夏で133組の⽅(利用者アンケートに回答いただいた方)が利⽤されました。
⼈が⼈を呼び、ビーチマットで渋滞が発生。
「人が多すぎてビーチマットが通れないくらいにしたい。」 プロジェクトをはじめた頃、漠然と抱いていた夢が叶った瞬間でした。
須磨ビーチが、「できない」ことが「できた!」に変えられる、 何かにチャレンジするキッカケづくりができる場所になってほしいと考えています。
3.“みんな”でつくるユニバーサルビーチ
これは、プロジェクト開始当初からずっと言い続けている言葉です。
”みんな”というのは「たくさんの人」という意味もありますが、「色んな立場の人」という意味を込めています。色んな人が集まり、少しずつ、持てる力を出し合って協力することで、面白い化学反応が起きます。これまでも、面白い解決策が見つかることがたくさんありました。”みんな”でつくることで、ユニバーサルビーチは持続可能になります。
SUBP×アウトドアメーカー=更衣室が登場!?
今では、須磨ビーチでは車いすの人が着替える更衣室がありますが、当時は更衣室がありませんでした。
海で楽しんだあと、着替えるところが欲しい!その要望に応えるために、デカトロン社様より”Quechua(ケシュア)”ブランドのタープテントをご提供いただきました。
通常時は⽇よけテントとして、着替えをする場合は更⾐⽤テントに変⾝することができます。
用途によって使い方を変えられるこのテントは、出張ユニバーサルビーチでも活躍しています。
SUBP×エステティシャン=更衣ベッドが完成!?
タープテントによる更衣室が登場した後、こんな要望がありました。
「車イス上で着替えられないので、着替えるためのベッドが欲しい。」という相談でした。
SUBPの仲間の中に、エステティシャンの方がいました。 「ウチに、使ってないベッドがあるよ。」ということで、ベッドをご提供いただきました。
エステティシャンのベッドが、ユニバーサルビーチで更衣ベッドとして生まれ変わった瞬間です。
出会うはずの無かった”みんな”が集まることで、こんな解決策が生まれるんだと、気づかされた出来事でした。
SUBP×漁師=お手製シャワーが誕生!?
更衣ベッドが完成した頃、更なる要望がありました。
「着替える前に、シャワーで海水を流したい。」よく分かる悩みでした。
当時は、海の家か屋外シャワーがありましたが、海の家のシャワー室は車いすで入るのは難しかったり、屋外シャワーは段差やグレーチングの溝にはまったりで障がいのある人には使いづらいシャワーでした。
そこで、そんな悩みをSUBPの仲間に相談していました。 すると、地元・須磨の海で漁業を営む漁師さんが、「ウチに200ℓくらいのタンクがあるよ。綺麗に洗えば、使えるかも。」と声をかけてくれました。
タンクに水を貯めて、軽トラの荷台に載せて運んでくれば、船長お手製シャワーが誕生した瞬間です。
しかも、太陽の陽に当てていると、それだけで温水シャワーになる、というオマケつき。笑
“みんな”でつくるユニバーサルビーチ(ご支援の使い道)
私たちのプロジェクトは12人の有志が集まりスタートしました。
障がい者、海の家店主、ライフセーバー、行政マン、サラリーマン、看護師、デザイナー、記者。
みんな、色んな立場の仲間が少しずつ、持てる力を出し合ってカタチにしてきました。
色んな人が無理なく助け合うからこそ、ユニバーサルビーチは持続可能になります。
様々なアイテムとアイデアを駆使して、ユニバーサルビーチを実現していくのですが、アイテムの耐久年数もあり、継続的に活動を続けていくためには、皆さまのご支援が必要です。
皆さまからのご寄付は、主にユニバーサルビーチを実現するアイテムの購入費とボランティアの交通費として使用させて頂きます。
須磨ユニバーサルビーチプロジェクトの法人活動理念
須磨ビーチを障害を持っている方やお年寄り、小さなお子さんをお持ちの親御さんなど、みんなが気軽に安心して海水浴を楽しんでもらえるユニバーサルデザインのビーチにしようというプロジェクトです。