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更新日:2025/08/25
【大学生向け】目的も理由もいらない中高生の「過ごし場」をつくるボランティア募集
NPO法人DITTA
基本情報
成果や目的を課されない、「ユルベース」という自由に過ごせる中高生の“過ごし場”を共につくりませんか。
雑談したりゲームをしたり、安心できる空間で自然な関わりを楽しむ大学生ボランティアを募集中です。
活動テーマ | |
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活動場所 |
主に、さいたま市内(浦和・大宮)での活動が中心です |
必要経費 |
無料 活動場所までの交通費は一定金額を当団体で負担いたします。 |
所属期間/頻度 |
活動頻度:月2回からOK |
注目ポイント |
|
募集対象 |
一緒に活動する人の年齢層について20代後半のスタッフと大学生ボランティアが中心の現場です。 |
募集人数 |
5名 |
特徴 | |
応募方法 |
こちらのページから応募してください。 |
募集詳細
ユルベースとは
ユルベースとは、「なんとなく来て、なんとなく帰れる」中高生の「過ごし場」です。
誰かと話したい、ちょっと息抜きしたい、特に理由はないけれど出かけたい。
そんな気持ちを抱えた中高生が、ふらっと立ち寄れる「ユルい」空間を目指しています。
学習支援や食事提供のような「◯◯のため」の場所ではなく、目的がなく自由に過ごせる、
学校でも家庭でもない、もうひとつの選択肢としての「過ごし場」、それがユルベースです。
■ コンセプト
中高生が理由も目的もなく安心して過ごせる自由な過ごし場
■ 特徴
・目的や理由がいらない、ただ来ていい場所
・自分のペースで、何をするかを自由に選択できる
・評価、比較されず対価を求められない
・大人は過干渉しないが、安心できる空間がある
■ 対象者
埼玉県内に在住または通学する中学生・高校生
■ 実施頻度
週1回程度
■ 実施時間
17:00~20:00などの学校終わりの時間
※開催日によって異なります
■ 開催期間
2025年9月から2026年3月末
■ 定員目安
1回あたり20人程度
■ 参加費
無料
■ 空間のつくり
一つの部屋をゆるくエリアわけし、自分の過ごし方を選べる構成にする
・静かに過ごせる「ひとりゾーン」
・作業に取り組める「学習ゾーン」
・気軽に話しながら遊べる「交流ゾーン」
■ 子どもたちの過ごし方例
・スマホを見ながら1人で座っている
・友達とお菓子を食べながら話をしている
・近くにいる人とボードゲームで遊んでいる
・テスト前に勉強をする
なぜ無目的環境が必要か
子どもの貧困支援には、「学習支援」「居場所支援」「自立支援」といった「支援」が前面に出ていたり、ここで何をするのかという「目的」がはっきりしすぎていると、子ども・若者に警戒されやすく、子どもたちとつながることすらできない、または関係が築きにくくなってしまうという課題があります。私たちは、そうした課題に対して、「入口」と「出口」をしっかり設計することが重要であると考えています。
① 入口として「無目的環境」を提供し、遊びや対話を通して関係構築を図り、興味を引き出していく(自己開示)
② 引き出した興味に沿った支援(スキル獲得のサポートや職業観醸成のサポートといった目的志向型プログラムの提供)を行い、社会参画の準備を行う
③ 出口として社会に出るための最低限の武器と防具を装備したうえで社会参画を促していく
このように、「関係構築」→「支援」の順番を遵守する必要があり、そのためには入口は「無目的」であることが重要だと考えています。
そこから時間をかけて目的志向型のプログラムに移行し、仕事につながるスキル獲得をサポートし、出口として社会参画につなげることが、効果的な貧困支援になると考えています。
既存の貧困支援や社会全体の構造が、「目的」「成果」「所属」といった条件や対価を求められる中、あえて「無目的」要素を取り入れることで、既存の支援や制度が取りこぼしている層とつながるきっかけをつくりやすくなり、構造的な欠陥を埋めるモデルになると考えています。
事業の展望
本事業は「無目的」であることを軸とし、それ自体で完結する活動として設計しています。
その一方で、子どもが安全に自由に過ごす中で他者と関係性を築き、自然に生まれる興味や関心をきっかけに、
学習・体験・社会参画など、より主体的な活動へつながる選択肢を提示することも、本事業の副次的な役割として位置付けています。
あくまで「何もしなくていい場」であることを前提としつつも、子ども自身の内発的な動きがあったときには、それに応答できる構造となっています。
ボランティアの皆様にお願いしたいこと
ユルベースでは、学習塾のような「特定のスキルや知識を指導する」のではなく、「安心して過ごせる環境をつくること」を主な役割としています。「目的」「評価」「成果」を求める関わりではなく、ゲームや雑談などを通じて自然に関係を築いていただくことをお願いしています。
① 来室者の温かな受け入れ
・来室した中高生の名前を覚えて呼びかけるなど、安心感を持てる関わり
・今日はどんなことをして過ごしたい気分かの確認
② 安心できる空間づくりと自然な交流
・1人でゆっくり過ごしたい子には過干渉にならず、誰にも見張られていないけれど誰かがちゃんといる程よいバランスの取れた関わり方をする
・積極的な交流を求める子とは、ボードゲーム等を用いてコミュニケーションをとり関係構築を図る
・勉強や趣味活動を求める子には、ちょっとした手助けを行う
・自然な形で全体を常に見渡し、子どもたちの活動内容を把握する
・全体で何かしたいときは、声かけを行い意思を尋ねる
③ 運営補助
・会場準備、整頓や清掃
・お菓子や飲み物の準備、片付け
・必要に応じた備品の管理
④ 安全、健康面の確認
・体調不良やその他困っている様子の察知と報告
・参加者同士のトラブル報告
・緊急時のスタッフ補助
⑤ 活動報告
・関わった子どもの言動で気になる点があれば、スタッフ、ボランティア間で都度共有
体験談・雰囲気
特徴 |
---|
法人情報
代表者 |
谷川航 |
---|---|
設立年 |
2025年 |
法人格 |
NPO法人 |
DITTAの法人活動理念
団体名「DITTA」は、当団体のスローガン「DIVE INTO THE ADVENTURE 〜飛び込もう、新たな冒険へ〜」に由来しております。
人は誰しも、何かに対して「やってみたい」という好奇心を抱くものだと思います。
しかし、「お金がない」「才能がない」「自信がない」といった理由で、その好奇心に蓋をしてしまうことが少なくありません。
私たちは、子どもたちのそうした「諦め」に寄り添いながらも、大きな一歩を踏み出す「きっかけ」を提供したいと考えております。
できなくていい、失敗してもいいから新たな世界、知らない世界に飛び込んでみる。
不安を抱きながらも困難を乗り越え前に進み続けた経験が、やがて価値ある自分の武器となる。
「夢」や「希望」といった大それたものでなくていい。
どんな環境に置かれていたとしても、子どもたちが抱いたその「小さな好奇心」を信じて挑戦できる、
新たな冒険へと飛び込める社会を目指して、私たちは活動しております。
DITTAの法人活動内容
私たちは、不条理な困難を抱える子ども・若者の経済的制約で狭められた選択肢と視界の拡充を図り、
より開かれた選択肢から自らの意志で将来を選択できるようになることへの寄与を目的とした団体です。
私たちは、子どもの貧困という社会課題に対して、
「ユースベース事業」、「スキルアップサポート事業」、「キャリア形成サポート事業」
といった三つの事業を行うことで、効果的な支援を行うことができると考えております。
取り組む社会課題:『子どもの貧困』
「子どもの貧困」の問題の現状
社会問題である「子どもの貧困」とは
日本の子どものうち、9人に1人が相対的貧困状態にあり、ひとり親家庭の2人に1人が同様に相対的貧困状態にあるとされています。
相対的貧困とは、その国の生活水準と比較して困窮している状態であり、世帯の所得がその国の等価可処分所得の中央値の半分(貧困線)に満たない状態のことを指します。
相対的貧困線 | 中央値 | |
1人世帯 | 1,270,000 | 2,540,000 |
2人世帯 | 1,800,000 | 3,600,000 |
3人世帯 | 2,200,000 | 4,400,000 |
4人世帯 | 2,540,000 | 5,080,000 |
出典 : 厚労省2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況
また、親の年収は、子どもの教育機会の差や体験機会の差を生み出し、それが学力の差につながるとされています。
この学力差は、進学や就職の機会、さらには雇用形態にまで影響を及ぼし、結果として所得格差を拡大させます。
こうした一連の流れにより、子どもが成人しても貧困から抜け出せず、「貧困の連鎖」が生じています。
「子どもの貧困」の問題が発生する原因や抱える課題
子どもの貧困支援の課題
貧困の連鎖を止めるために一定の効果があるとされている貧困世帯向けの「学習支援教室」において、学習インセンティブの低い子も含めより包括的な支援を行うために、「居場所」要素を付加すると、以下のような問題が生じます。
■ 居場所より学習を重要視した場合
・学習意欲が⾼い⼦どもへのアプローチが優先されるため、学習意欲がない、低学⼒の⼦が排除される(⼦どもが参加しなくなる、または参加させないようにする)
・⾼校受験が終わるor ⾼校⽣になると学習ニーズが低下し⽣徒の参加率が下がる
■ 学習より居場所を重要視した場合
・学習意欲がない⼦どもに合わせたペースで運営されるため、より⾼度な⽀援を求める⼦が排除される(⼦どもが参加しなくなる)
・⽬的がとりあえず進める学校に⾏くことになり学習⽀援の本来の⽬的が薄れる
つまり、どちらかを優先するとどちらかが排除される構造になっており、学習と居場所は両立し得ないという「学習と居場所のディレンマ」という問題が生じています。また、学習支援だけでは「仕事」についての知識獲得にはつながらないという問題もあります。
さらに、「学習支援」「就労支援」「自立支援」といった「支援」が前面に出ていたり、ここで何をするのかという「目的」がはっきりしすぎていると、子ども・若者に警戒されやすく、子どもたちとつながるきっかけがつくりにくくなってしまい、関係が築きにくくなってしまうという問題も生じています。
私たちが考える子どもの貧困の課題
私たちは、子どもの貧困の課題を、「二つの環境問題」と定義しています。
■ 物理的環境問題
物理的環境とは、生活や学習などの作業を行う現実の空間や状況を指します。
・空調やパーソナルスペースがないことにより健康に影響を及ぼすなどの「住環境の質の低さ」
・集中して学習に取り組めるスペースがない「学習環境の質の低さ」
・トラブルに巻き込まれるなど「商業施設の危険性」
などが具体例としてあげられます。
■ 社会的環境問題
社会的環境とは、生活や活動を行う中で影響を受ける社会的な条件や状況を指します。
・家庭内不和や親との軋轢で頼れる大人が不足する「家庭の不安定さ」
・経済的制約から学習機会や体験機会に差が生じる「教育リソースの不足」
・地域コミュニティからの孤立や特定の人物への執着など「地域社会からの孤立」
などが具体例としてあげられます。
子どもの貧困の課題まとめ
上記の内容をもとに、私たちは以下の点を子どもの貧困の課題として考えています。
・親の不安定雇用が「子どもの不安定雇用」にもつながり、貧困が世代を超えて続いている
・学習と居場所は両立するものではなく、「学習と居場所のディレンマ」という問題が生じる
・学習支援だけでは「仕事」につながるスキル・知識を得られない
・「物理的環境」と「社会的環境」の不足という二つの環境問題
これらをまとめ、以下の二つの内容を重点的に取り組むべき課題であると考えています。
① 学習と居場所を両立させる方法の実証と物理的環境の整備
② 社会的環境を整備し仕事に関する知識を身につけ不安定雇用を解消
「子どもの貧困」の問題の解決策
課題解決策
私たちは、私たちが考える重点的に取り組むべき課題について、三つの支援事業を行うことで効果的な支援となると考えています。
①ユースベース(子ども・若者の居場所)事業
②スキルアップサポート事業
③キャリア形成サポート事業
欧州における「ユースセンター」という、主に青少年(12~30歳)を対象に安全で自由に過ごすことができ、文化・スポーツ・就労準備など若者の多様なニーズに応えるプログラムが提供され、若者の余暇活動拠点となっている施設と同様の役割を担う拠点を、私たちは「ユースベース」と呼称しています。
このユースベース内に、以下の三つの機能を取り入れ、それぞれが相互に影響を与えることで「居場所から仕事」までのサポートが可能になり、より効果的な貧困支援を行うことができると考えています。
■ 自由活動機能
ユースベースに「無目的」を取り入れ、安全で1人でも目的なくても自由に過ごすことができる環境を提供する
■ スキルアップサポート機能
ユースベースに学習スペースを設けて、プログラミング学習などのスキルアッププログラムを提供する
■ キャリア形成サポート機能
地域企業との連携による職場見学や実践的学習の機会を提供し、職業イメージの形成や実践的スキルの獲得の機会を提供する
自由型の機能と目的型の機能を明確に分離することで学習と居場所を両立させ物理的環境を整備し、その中で仕事につながるスキル獲得プログラムの提供や、職業観の醸成機会の提供などの社会的環境を整備し、不安定雇用の解消を図ることを狙いとしています。
ユースベースに無目的(自由活動機能)を掲げ子どもとつながるきっかけをつくりながら、ユースベースでの活動を通し多くの人、もの、環境に触れ思い悩みながらも自身で考え選択できるようになることが、目指すべき支援形態です。