特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパン
グッドネーバーズ・ジャパンは「子どもの笑顔にあふれ、誰もが人間らしく生きられる社会」を目指して
国内外のパートナーと共に、貧困及び差別の原因や災害・紛争による脅威を取り除く活動を展開している
認定NPO法人です。
・小さき声への共感力:最も困難な状況にある人々の声を聞き、寄り添う。
・透明性と誠実さ:被支援者、支援者、パートナーとの信頼関係を重視し、
活動の透明性を保ち、説明責任を果たす。
・学びと成長:子どもを取り巻く環境を改善するプロフェッショナル集団として、
社会に対して能動的に関わり、常に学び、成長する。
・地球の一員:人は皆平等で、地球の一員である。互いを尊重し、敬意を払い、協力する。
を行動指針とし、おもに
海外のコミュニティー開発事業・緊急支援活動
国内の子どもの貧困対策事業「グッドごはん」・アドボカシー活動・緊急支援活動
に取り組んでいます。
【海外事業】
実施国:カンボジア・ネパール・バングラデシュ・エチオピア・チャド・モザンビーク
★コミュニティー開発事業:全ての子どもたちが安心して暮らすための活動をしています。
◆教育支援
学校や図書館の建設・運営のほか、補習授業や情操教育、教師対象の研修など
教育の質を高めるための活動を実施し ています。また、成人識字教育も行っています。
◆医療・保健支援
健康診断やワクチンを提供するほか、未就学児童のデイケアセンターを運営し、
栄養価の高い給食を提供しています。
◆水・衛生支援
衛生環境改善のための井戸やトイレ建設、浄水器の配布、これらの使用・管理方法の指導や
衛生教育を実施しています。
◆収入向上
農業技術、漁業、畜産に必要な技術研修を実施しています。
住民の能力を強化し、生産性を高め所得の向上を目指します。
また、青少年・成人の就労・起業の可能性を広げるため、コンピューター、英語、
裁縫技術などの技能訓練を通して人材育成に取り組んでいます。
★緊急支援活動:災害時に食料等緊急支援物資の配布や医療支援を行います。
【国内事業】
★国内の子どもの貧困対策事業「グッドごはん」
国内のひとり親世帯で生活に困窮している家庭へ、生活への一助として無料で食品を提供しています。
★アドボカシー活動
より多くの人々に世界が抱える問題を伝え、市民社会の国際協力への参加を促進し、
貧困削減に向けた努力をしています。
★開発教育活動
日本国内の中・高・大学において、国際協力に関する講演・講義活動を行っています。
★イベント・セミナー・報告会・キャンペーンの実施
活動報告会・イベントの実施、サポーター交流会など。
2025/05/29更新
認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン(本部:東京都大田区、代表理事:小泉 智)は2017年より日本国内の子どもの貧困対策事業として、フードバンク「グッドごはん」を運営し、低所得のひとり親家庭への食品配付を行っています。
昨今の物価上昇により、多くの困窮家庭が食事への困難を抱えています。「グッドごはん」では2025年4月、1か月あたりの配付世帯数として過去最多となる5,180超のひとり親家庭へ食品を配付しました。食事に困窮する家庭への食品支援が急務である一方、「グッドごはん」では食品寄付が減少しており、配付に必要な食品の確保が十分に追いついていません。
本記事では、増大する食品支援ニーズに対して供給が不足するリスクについて提起するとともに、厳しい食生活にさらされる低所得のひとり親家庭の実態についてお伝えします。
フードバンク「グッドごはん」 食品配付の様子
総務省が2025年5月に公表した家計調査によれば、2024年度における1世帯(2人以上)あたりの「食料」の実質消費支出(物価変動の影響を除いた値)は、前年度比で1.0%減少しました。昨今の物価上昇により、食料の買い控えが生じていることがうかがえます。
こうした動向により家庭内で余剰食品が発生しづらくなる状況や、企業による食品ロス削減の推進なども相まって、全国各地のフードバンクで食品寄付が減少している状況がみられます。
認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン(以下、グッドネーバーズ・ジャパン)が運営する、低所得のひとり親家庭を対象としたフードバンク事業「グッドごはん」も、同様に食品寄付の減少という課題に直面しています。一方で、当事業の食品支援を利用するひとり親家庭の数は増加の一途をたどっており、配付に必要な食品の確保が喫緊の課題となっています。
この状況を踏まえ、グッドネーバーズ・ジャパンでは食品を購入することで配付量を補う対応を実施していますが、今般の食品の価格高騰を受け、こうした対応の維持にはさらなる工夫が求められる局面となっています。
十分な食品を確保できないことは、支援を求める家庭に必要な食品を配付できないという深刻なリスクを伴い、グッドネーバーズ・ジャパンはこうした状況に強い危機感を抱いています。その背景には、近年の物価上昇により、「グッドごはん」の支援を利用するひとり親家庭が一層厳しい食生活を強いられている実態があります。実際に、グッドネーバーズ・ジャパンが2025年2月に「グッドごはん」の利用者を対象に実施した調査では、回答者の約9割が、物価上昇の影響で米、肉・魚、野菜といった食材の購入が経済的に困難であると回答しました。
物価上昇の影響で、米、肉・魚、野菜を買うことは経済的にどの程度困難か
こうした状況を受け、「グッドごはん」では栄養面に配慮した食品の配付を一層強化する必要性を認識しています。しかしながら、そのような食品の寄付も減少傾向にあります。たとえば、米を含む主食に該当する食品 [1] の寄付量(食品査定評価額ベース [2])は、2024年秋ごろから減少が続いている状況です。直近四半期(2025年1月~3月期)に関して見ると、昨年の同時期と比べ、食品配付世帯数(延べ)の合計は5割近く増加し、「グッドごはん」事業の開始以降過去最多の世帯数に到達しました。その一方で、直近四半期において主食に該当する食品の寄付は前年同時期比で約4割減少しており、需給ギャップが生じています。
フードバンク「グッドごはん」における食品配付世帯数(延べ)と主食該当食品の寄付量(食品査定評価額ベース)の推移 2024年1月~2025年3月
[1] グッドネーバーズ・ジャパンのフードバンク事業「グッドごはん」では、当団体の基準に基づき、次のような食品を「主食」に分類しています(2025年5月現在)。
米、パン、麺、シリアル、粉類等
[2] フードバンク「グッドごはん」へ寄付された食品の査定評価額は、総務省が国民の消費生活上重要な商品について定期的に調査·発表している「小売物価統計調査」の結果と、当事業での取り扱い食品とそれらの小売価格調査を照らし合わせて算出し、定期的に見直しています。
「グッドごはん」を利用するひとり親家庭の多くは、厳しい経済状況のもとで生活しています。グッドネーバーズ・ジャパンが2025年2月に同家庭へ実施した調査では、回答者の約半数が世帯年収200万円未満(各種社会手当・養育費・同居家族の収入含む)であると回答しました。
こうした生活環境において、物価の上昇はさらなる負担となり、必要な食料を自ら購入することが一段と難しくなっています。実際、食品支援がなければ日々の食事を賄えないとの切実な状況も聞かれ、グッドごはん利用者からは、切迫した様子を訴える声が多く寄せられています。
「支援がなければ、今ごろ何を食べられているのか想像もつきません。野菜もモヤシやお勤め品しか買えない日々。」
「毎月いただく食料がわが家の命綱となっています。」
「お米が買えない状態で困っていたのですが、もらえたお米でなんとか食べ繋げています」
「光熱費も物価も高騰していて生活していけるのか恐怖でしかない中、こういった支援により子供を食べさせていくことができています」
このように、食品支援がセーフティーネットの一端を担っている状況もみられる中、そのような家庭へ十分な食品を迅速に支援できないことは深刻な問題であると言えます。
グッドネーバーズ・ジャパンでは、こうした家庭の切実なニーズを広く発信することで、社会のより多くの方々に支援の必要性をご理解いただけるよう働きかけてまいります。
先述のとおり、「グッドごはん」では支援ニーズの増大に際し、必要に応じて食品を追加購入し配付量を補填する状況が生じています。この現状を鑑み、食品の現物寄付に加えて現金によるご寄付を適切に募るなど、柔軟かつ持続可能な支援体制の構築を目指します。さらに、食品の保管設備や人的リソースの維持・強化など基盤整備にも注力し、「グッドごはん」の支援を必要とするすべての家庭へ確実に食品を届けられるよう努めてまいります。
団体名 |
特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパン |
---|---|
法人格 |
認定NPO法人 |
HPのURL | http://www.gnjp.org/ |
代表者 |
福井玲 |
設立年 |
2004年 |
Twitterアカウント | GNJapan |
FacebookページのURL | https://www.facebook.com/gnjapan/ |
職員数 |
70 |