
NPO法人で働くことに関心があっても、「どのような仕事があるのか」「未経験でも応募できるのか」「一般企業とは何が違うのか」と疑問に感じる方もいるでしょう。
NPO法人で働くには、職員やスタッフを募集している団体の求人へ応募するのが基本です。正職員・契約職員のほか、アルバイト、パート、業務委託、副業など、さまざまな働き方があります。
仕事内容は、子ども・福祉・地域などの現場支援だけではありません。事業企画、広報、資金調達、営業、経理、人事、ITなど、団体の活動や組織運営を支える仕事もあります。NPOでの勤務経験がなくても、これまでの職種経験や専門性を活かせる求人があります。
求人を選ぶときは、団体の理念や社会課題への共感だけでなく、具体的な仕事内容、求められる経験、給与・勤務時間などの条件、組織体制を確認することが大切です。関心のある社会課題と、活かしたい経験や職種の両方から求人を探してみましょう。
この記事では、NPO法人の主な仕事内容や働き方、一般企業との違い、未経験から目指す際の考え方、求人の探し方を解説します。
また、社会課題に関わる仕事はNPOだけではありません。一般企業や社会的企業、行政を含めた選択肢は、
NPO法人の仕事は、団体が取り組む社会課題や事業内容によって異なります。現場で支援やサービスを提供する仕事だけでなく、事業企画、広報、資金調達、経理、ITなど、団体の活動を支える仕事もあります。
厚生労働省の職業情報提供サイトでは、「NPO法人職員(企画・運営)」の仕事として、新規事業の企画立案、事業計画の作成、資金調達、関係者との調整、予算管理などが紹介されています。また、小規模な団体では、一人が複数の業務を担当する場合があるとされています。
(厚生労働省「職業情報提供サイト job tag:NPO法人職員(企画・運営)」)
団体が取り組む社会課題に応じて、支援を必要とする人や地域へ直接サービスを提供します。
たとえば、次のような仕事があります。
保育、福祉、医療、相談支援などの仕事では、資格や実務経験を求められる場合があります。
社会課題を解決するための事業を企画し、実行する仕事です。
事業計画の作成、プロジェクト管理、イベントや研修の運営、関係者との調整などを担当します。団体によっては、社会課題に関する調査・研究、啓発活動、政策提言なども行います。
現場で把握した課題を新しい事業へ反映したり、行政、企業、地域住民などと協力して取り組みを進めたりすることもあります。
NPO法人が活動を継続するには、活動の必要性や成果を社会へ伝え、寄付や協力を集める必要があります。
主な仕事には、次のようなものがあります。
一般企業で培った広報、マーケティング、営業などの経験を活かせる場合があります。
一般企業と同様に、NPO法人にも経理、総務、人事、労務、法務、ITなどの仕事があります。
団体の規模によっては、担当者が複数の業務を兼任する場合もあります。求人を見るときは、職種名だけでなく、実際に担当する業務の範囲まで確認しましょう。
NPO法人で働く方法は、正職員として就職・転職することだけではありません。
activoにも、新卒・中途採用、アルバイト・パート、副業など、複数の区分の求人が掲載されています。
正職員や契約職員は、団体の事業や組織運営へ継続的に関わる働き方です。
特定の専門業務を担当する求人のほか、事業運営、関係者との調整、広報、資金調達などを横断して担う求人もあります。
新卒採用を行う団体もありますが、中途採用や転職者を対象とする求人もあります。応募時には、募集職種で必要とされる実務経験や専門性を確認しましょう。
勤務日数や時間を限定した、アルバイト・パートの募集もあります。
仕事内容は、活動現場の運営補助、利用者への支援、事務、イベント運営など、団体によってさまざまです。必要な資格、勤務時間、契約期間などは個別に確認しましょう。
広報、マーケティング、デザイン、エンジニアリング、採用、経理など、特定の業務を外部の人材へ委託する団体もあります。
業務委託は雇用契約ではありません。担当業務、成果物、納期、報酬、契約期間などをあらかじめ確認する必要があります。
正職員・契約職員では団体運営を幅広く担う求人がある一方、業務委託では特定分野の専門性を求める求人もあります。ただし、実際の業務範囲は求人ごとに異なります。
本業を続けながら、NPOや社会的企業の仕事に副業として関わる方法もあります。
副業は本業との関係を示す働き方であり、契約形態は業務委託に限りません。雇用契約を結ぶ場合もあるため、求人ごとの条件を確認しましょう。
副業の仕事には、大きく分けて次の2つがあります。
本業の収入やキャリアを維持しながら、関心のある社会課題へ仕事として関われる点が副業の特徴です。
一方で、本業の副業規定、利益相反、稼働時間、責任範囲、報酬などを確認する必要があります。仕事内容だけでなく、団体の理念や取り組む社会課題に共感できるかも重要です。
NPO法人と一般企業には制度上の違いがありますが、職種や日々の業務には共通する部分もあります。
法人格だけで捉えるのではなく、団体が誰に価値を届け、どのような方法で活動を継続しているのかを見ることが重要です。
内閣府はNPOを、さまざまな社会貢献活動を行い、構成員に収益を分配することを目的としない団体の総称と説明しています。
「非営利」とは、事業によって収益を得てはいけないという意味ではありません。得られた収益は、構成員へ分配するのではなく、団体の活動へ充てられます。職員への給与は労働の対価であり、利益の分配とは別です。
多くの事業では、商品やサービスの利用者が対価を支払います。
一方、NPOの事業では、支援やサービスを受ける人と、活動資金を負担する人や組織が異なることがあります。
たとえば、子どもや生活困窮者への支援では、受益者本人から十分な料金を受け取ることが難しく、寄付金、助成金、行政からの委託費、企業からの協賛金などで活動を支える場合があります。
そのため、受益者へサービスを届ける仕事だけでなく、次のような仕事も重要になります。
ただし、利用者が料金を支払う事業や、企業向けのサービスを提供するNPOもあります。受益者と資金負担者が異なることは、すべてのNPOに共通するわけではありません。
広報、営業、経理、人事、IT、事業企画など、一般企業と共通する仕事もあります。
一方で、受益者、寄付者、企業、行政など、異なる立場の関係者と協働する機会もあります。自分の担当業務が誰への価値につながり、誰によって支えられているのかを理解することが大切です。
NPO職員の給与や待遇は、団体の規模、収益構造、職種、勤務地、雇用形態、求められる専門性などによって異なります。
NPO法人の求人には、一般企業の同種職種と比べて給与が低く見えるものもあります。ただし、NPO職員全体と一般企業を同じ条件で比較できる統計は限られており、一律には判断できません。
法人格だけから待遇を判断せず、個別の求人で次の項目を確認しましょう。
理念や社会課題への共感だけを理由に、生活を続けることが難しい条件を受け入れる必要はありません。
未経験からNPO法人へ応募する際は、「未経験」の意味を分けて考える必要があります。
NPOで働いた経験を求めていない求人でも、営業、広報、経理、福祉など、その職種に関する経験や資格を求めている場合があります。
すべてのNPO職員に共通して必要な資格はありません。
事業企画、広報、営業、経理、ITなど、資格を必須としない仕事もあります。
ただし、保育、医療、福祉、相談支援など、担当業務によっては資格や実務経験が必要です。法人の種類ではなく、担当する仕事内容と応募条件を確認しましょう。
NPOでの勤務経験を必須としない求人もあります。
中途採用には、NPOでの勤務経験を必須とせず、募集職種で活かせる専門性や実務経験を求める求人があります。
「NPOについて詳しくないから応募できない」と考えるよりも、求人に書かれた仕事内容と、自分が経験してきた業務との接点を確認することが大切です。
一般企業などでの経験は、次のようなNPOの仕事へつながる可能性があります。
| これまでの経験 | 活かせる可能性がある仕事 |
|---|---|
| 営業 | 企業連携、寄付営業、協賛提案、利用者獲得 |
| 広報・マーケティング | SNS、Web運用、広報企画、寄付キャンペーン |
| 経理・財務 | 会計、予算管理、助成金管理 |
| 人事・採用 | 職員・ボランティアの採用、組織づくり |
| IT・デザイン | システム運用、業務改善、Web・制作物 |
| 教育・福祉 | 支援事業、相談業務、プログラム運営 |
| プロジェクト管理 | 事業運営、関係者調整、進行管理 |
同じ職種名でも、実際に求められる役割は求人によって異なります。経験の有無だけでなく、具体的な業務内容まで確認しましょう。
求人に「未経験可」と書かれていても、何について未経験でもよいのかは異なります。
応募条件、歓迎条件、具体的な仕事内容を読み、分からないことは面談などで確認しましょう。
NPO求人では、団体の理念への共感が重要です。しかし、理念に共感できるだけで、仕事として自分に合うとは限りません。
団体が目指すこと、実際の事業、担当する仕事、働く条件を分けて確認しましょう。
まずは、団体が取り組む社会課題や理念に共感できるかを確認します。
そのうえで、実際にどのような方法で課題を解決しようとしているのかを見ましょう。
理念には共感できても、事業の進め方や担当業務が自分の希望と合わないことがあります。反対に、職種や条件が合っていても、団体の目指す方向に納得できなければ、働き続けることが難しくなる可能性があります。
職種名だけでは、実際の仕事が分からないことがあります。
たとえば「広報担当」でも、SNS運用が中心の場合もあれば、イベント運営、寄付者対応、営業などを兼任する場合もあります。
求人では、次の点を確認しましょう。
最低限、次の条件を確認します。
仕事内容への納得と、無理なく働き続けられる条件の両方が必要です。
小規模な団体では、一人が複数の業務を担当する場合があります。
次のような体制も確認できると安心です。
すべてを応募前に確認する必要はありません。求人票に記載がないことは、選考や面談の中で質問してもよいでしょう。
NPO求人は、利用する求人サイトを選んだうえで、社会課題、地域、働き方、職種などの条件から絞り込むと探しやすくなります。
NPO・社会的企業に特化した求人サイトでは、一般的な求人サイトでは見つけにくい団体や仕事を探せます。
activoは、NPO・社会的企業の職員やアルバイトなどの求人も扱う募集プラットフォームです。求人のほか、ボランティア募集も掲載されています。
DRIVEキャリアは、ソーシャルベンチャーやNPOなど、社会課題に取り組む仕事に特化した転職支援サービスです。求人によっては、キャリアコーディネーターによるサポートも用意されています。(DRIVEキャリア「DRIVEキャリアとは」)
サービスによって掲載対象や探し方が異なるため、自分が希望する分野や働き方に合わせて使い分けましょう。
幅広い業界を扱う求人サイトでも、NPO法人の求人が掲載されることがあります。
「NPO」だけでなく、興味のある社会課題や職種を組み合わせて検索すると探しやすくなります。
たとえば、次のような組み合わせです。
求人サイトを網羅する必要はありません。まずは特化型サイトと一般的な求人サイトを併用し、候補を確認してみましょう。
関心のある社会課題が決まっている場合は、活動分野を起点に探します。
理念だけで応募先を決めず、実際の事業内容、担当業務、条件も確認しましょう。
活動分野を一つに決められない場合は、これまでの経験を起点に探す方法もあります。
理想は、関心のある社会課題と、活かせる経験の両方が重なる求人を見つけることです。
ただし、最初から完全に一致する求人だけへ絞る必要はありません。どちらか一方を起点に、実際の求人を見ながら候補を広げていきましょう。
NPO法人で働くことは、特別な経歴を持つ人だけの選択肢ではありません。
NPOでの勤務経験がなくても、これまでの専門性や職種経験を活かせる求人があります。正職員や契約職員だけでなく、アルバイト、パート、副業、業務委託など、働き方も一つではありません。
NPOでは、社会課題への貢献と自分の仕事とのつながりを感じられる場合があります。団体や職種によっては、受益者や活動現場との距離が近く、仕事によって生まれた変化を実感しやすいこともあります。
一方で、社会課題への関心や理念への共感だけで仕事を決めず、仕事内容、給与、働き方、組織体制を確認することが大切です。
最初から就職や転職を決める必要はありません。まずは関心のある社会課題か、活かしたい職種のどちらかを起点に、実際の求人を数件見てみましょう。
すぐに仕事として関わることに迷いがある場合は、ボランティアやイベントを通じて団体の活動を知る方法もあります。ただし、ボランティア経験は採用の必須条件ではないため、経験を活かせる求人があれば直接応募することも可能です。