子どもたちの未来に大きく影響してくるのが「教育」です。
日本の教育の現状は、学校だけでなく塾に通う子供が多く、学校外での学習の機会に恵まれている子どもが多い傾向にあります。
しかし、塾やその他の習い事にかかるお金はひと月1万円以上であると言われており、貧困家庭の子どもにとって習い事はハードルが高いものです。
標準的な家庭の子どもと貧困家庭の子どもの教育格差は広まると、社会的にも大きな損失となります。
この問題をどのように解決していくべきなのでしょうか?
今回は、「教育格差」をなくす取り組みがをまとめてみました。
目次
タイトルにもある通り、政府とNPO、企業の取り組み例を紹介します。
まず、はじめに政府の取り組みをみてみましょう。
教育格差は家庭の経済状況によって生まれます。
そのため、政府は経済面での支援をしています。
政府が行なっている代表的なものは、「児童扶養手当」や「母子父子寡婦福祉資金」などがあります。
児童扶養手当も母子父子寡婦福祉資金も、主に「ひとり親」を対象にしたものです。
経済的自立を支援する目的で制度が作られています。
次はNPOが行う教育支援です。
塾に通うことが難しい子どもをサポートをするために様々な学習の場が提供されています。
「経済格差」による「教育格差」を解消し、貧困の世代間連鎖を断ち切ることを目的としています。
「教育バウチャー」という言葉を耳にしたことはありますか?
そもそも、「バウチャー」というのは英語で「クーポン券」や「商品引換券」を意味する言葉です。
家庭に経済的余裕はないけれど、習い事をしてみたい子どもたちは「バウチャー」と呼ばれる券を使って自分がやってみたいことに挑戦できます。
使える場所は広がりつつあり、ピアノや塾はもちろん、 幅広い習い事をすることができます。
教育バウチャーは子どもたちにとって魔法のチケットですね。
また、もしかしたら「なぜチケットなの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
この制度がチケット制であるのには理由があります。
有効期限がついた教育専用チケットを発行することで親に生活費として使われる心配も、貯蔵されて使われない心配もないのです。
確実に教育のために使って欲しいという目的から、このようなスタイルになったようです。
相対的貧困の家庭の子どもにとって、塾に行くことはかなりハードルが高いもの。
通えたとしても、1教科しか習うことができない家庭ももちろんあります。
無料の塾ももちろんありますが、塾選びの選択肢は他の子どもと同じく欲しいものです。
そんな家庭事情を抱えた子どもには授業料を割り引く塾もあります。
また、教室を持たず、「ネット環境のみ」で運営されている塾も。
無料で見ることができる授業のほか、月額3500円でオンライン上での授業がいつでも受けられる環境が用意されています。
こうした塾を利用することで、塾を通うことを諦めていた子どもも、志望校を諦めることなく、受験対策ができますね。
参考 日経ビジネス 週1回で月謝7000円、貧困生徒を救う格安塾
政府の教育格差対策の一つとして上がっている「義務教育完全無償化」
まだ完全に無償化されていないものの、今後は義務教育期間の授業料や教材費だけでなく、給食費やその他の活動全てを無償にする計画があるようです。
現在、日本の義務教育制度で無償なのは「授業料」と「教材費」のみであり、その他の費用(毎月の給食費や修学旅行費の積立など)が保護者にとって負担であることが度々問題になっています。
義務教育が完全に無償化されれば、多くの保護者の負担が減るのは間違いないですね。
参考 公益社団法人 経済同友会 子どもの貧困・機会格差の根本的な解決に向けて -未来への投資による真の総活躍社会の実現-
国内最大級のNPO・社会的企業のボランティア・職員/バイトの情報サイト「activo」編集部です。はじめてボランティアや社会問題に関心を持った人でもわかりやすい情報を発信します。