「お互いさま」で地域課題を解決する活動 [ヒダスケ!]
岐阜県飛騨市の人口は現在約23,000人ですが、2011年から2021年の10年間で約4,000人の人口が減少しており、髙齢化率39.7%の「人口減少先進地」です。市では、このような状況下でも豊かなまちづくりを目指し、地域外の人との交流を目的とした「飛騨市ファンクラブ」を2017年に設立しました。この取り組みは、市と地域外の人の関わりを新しく生み出すことに成功し、約9,600名(2022年4月時点)のコアなファンとのつながりを創出しました。飛騨市ファンクラブ会員と交流していく中で、飛騨市や地域のために「お手伝い」をしたいという方と、暮らしの一部をお手伝いを通して体験してもらいたいと希望する市民それぞれのニーズが分かり、そのニーズをつなぐ仕組みを考えました。さらに、コロナ禍で、地方に関心がある人が増加傾向の中、地域外の方との接点をつくるために、観光や移住とは違う切り口から着想しました。
飛騨市は「みんなが楽しく心豊かに暮らせるまち」を目指しています。ヒダスケ!を通して、疎遠になりがちだった地域内外での往来・助けあいが生まれ、「お互いさま」の精神で地域の人々がエリアを超えて助けあう土壌が育まれています。2020年4月より運営をスタートし、1年間で45プログラム、飛騨市内外から400名を超える方の参加がありました。徐々に地域内でも認知度が高まり、今年度もオンラインでの開催も含め、プログラム数及び参加者数が昨年を超える勢いです。人口減少が避けられない状況でも、ヒダスケ!を通して地域内外の交流が多数生まれる状況をつくることで、まちの賑わいが生まれ、地域の魅力を維持する原動力となっています。また、小さなまちの単位で運営することで顔が見える関係性が生まれやすく、さらに、参加者に飛騨産の野菜や電子地域通貨などの「オカエシ」をする工夫をして、地域資源の循環を促進させています。
ヒダスケ!は、飛騨市民の「困りごと」と参加者の「お助け」が循環することで、地域との交流と支えあいを創出するプロジェクトです。飛騨市と関わりたい人を増やすことで、人口減少が進行するまちでも適切な規模で交流が生まれる、まちのハブとして機能しています。参加者には、主催者の創意工夫で用意する野菜等のお礼や電子地域通貨「さるぼぼコイン」を使った「オカエシ」を用意するなどして地域経済の一助にもなっています。
ヒダスケ!-飛騨市の関係案内所-の法人活動理念
ヒダスケ!は、飛騨市民のさまざまな「困りごと」に、全国の皆さんから「お助け」をいただくことで、地域交流と「お互いさま」の支えあいを創出するプロジェクトです。市民発案のプログラムに地域内外から参加者が関わることで、人口減少によって生じていた課題の解決と、まちの小さな賑わいをつくり、地域の魅力の維持につないでいきます。