フェアトレードって、結局、誰のどんな変化につながるの?
学生時代、私はそんな疑問を抱きつつ、フィリピンを訪れました。出会ったフェアトレード生産者たちは、「魅力的な雑貨づくりのプロ」として、少し照れつつも誇らしげな笑顔で私たちを迎えてくれました。
その時出会った、足にタトゥーの入った若者は、照れ屋で自分では何も語ってはくれませんでしたが…現地担当スタッフは「彼は家庭が複雑で、しんどさを忘れるために薬物をやっていたこともあった。けど、フェアトレードの仕事で稼げるようになってから、すごく笑顔が増えて落ち着いたんだよ。」と話してくれました。
フィリピンで、働きたくても仕事がないと苦しむ若者やお母さんたちと一緒に働いて13年。ど田舎で事業をするというのは、原材料の調達も大変ですし、天候で船が出なかったりして、納品も一筋縄ではいきません。「これって、ものすごく不利な条件でビジネスをやるってことやんな!」と、今更ながらフェアトレードの難しさを痛感しています。
でも、フェアトレードってやっぱり大事!と思うから、辞めることはできません。「借金しなくてよくなった」「子どもにミルクを買えるようになった」といった声を聴くと、やっぱり続けなくちゃと思いを新たにします。
何より課題は、日本において「フェアトレードの真の良さ」が伝わりにくい状況にあること。伝わらないから、なかなか売り上げが伸びず、ビジネスとして成立させることが非常に難しいのです。
そんな現状を踏まえ、遠回りかもしれないけれど、「ファトレードって本当に役に立ってるの?」「どうしたらフェアトレードを日常に取り入れられる?」といった素朴な疑問に、丁寧に答えていくことを重ねたいと思っています。
長年活動し続けてきた私だから答えられることがある。
だから、どんな問いにも、いつでも真摯に答えようとするNGOスタッフでありたいなと思っています。
認定NPO法人アクセス 野田さよ
#フェアトレードに込めた想い
#女性や若者に仕事を
#フィリピン
認定NPO法人 アクセスの法人活動理念
アクセスは、フィリピンと日本で貧困問題に取り組む、京都生まれの、国際協力NGOです。
「6人に1人が、小学校を卒業できない」と言われるフィリピンで、「子どもに教育、女性に仕事」を提供する活動を続けています。
フィリピンの貧しい人々も日本で暮らす人々も、ともに地球市民として「貧困を始めとする私たちが抱える社会的な課題を、 1人1人が主体となって解決し、より良い社会を作っていく」ことをめざしています。