「老老介護」「認認介護」なんて聞いたことがない・・・
と思われる方も、もしかしたら多いかもしれません。
しかし、「老老介護」「認認介護」はすでに現代社会の介護問題の一つです。
その実態と原因について簡単に説明します。
目次
「老老介護」と「認認介護」はどちらも高齢者同士の介護をする状態をさしている言葉なのですが、実は少し意味が違います。
その違いについて簡単に説明します。
65歳以上の高齢者が介護者(介護をする人)となる状態を「老老介護」といいます。
例えば、65歳以上の夫婦の場合、夫の介護を妻がみたり、高齢の親子の場合であると90歳の母親の介護を65歳の娘がみたりしますよね。
厚生労働省「国民生活基礎調査」平成28年のデータによると、介護する人の男性の70.1%、女性では69.9%が60歳以上というデータがとられています。
多くの人が高齢になって介護をしていることが明らかですね。
認知症の家族の介護をする人も認知症であることを「認認介護」といいます。
認知症の人が介護をするとなると、薬の把握がうまくできなかったりして、介護ケアをうまく行えなくなる危険性があります。
「老老介護」や「認認介護」はなぜ起こるのでしょうか?
いくつかの例を紹介します。
健康寿命とは「生活が制限されずに自立して過ごすことのできる期間」のことです。
日本の寿命は医療技術によって伸びましたが、その分、介護される期間が増えてしまいました。
現代では、三世帯ですむ家族は少なく、親と子どもが離れて暮らす人が多いですね。
離れて暮らしていると、日常的に子どもに頼ることが難しくなります。
よって、近くに頼れる人がない高齢者世帯は夫婦間で介護を見なければいけません。
施設に入居するためにはかなりお金がかかることをご存知でしたか?
入居する老人ホームによって費用は異なりますが、公的施設だと月額6万から15万、民間施設だと15万以上はかかります。
たとえ、介護をする人が高齢であっても、お金に余裕がないと、家庭で介護をするという選択しかできませんね。
この2つの問題はさらに高齢化が進むにつれて拡大していくと予想されます。
老老介護は身体的にも精神的にも重い負担がかかりますので、高齢者虐待や他の介護問題に発展する可能性があります。
周囲の目があることで、介護に悩む人が相談できたり、息抜きをすることができるでしょう。
介護問題における「地域の人の役割」を考えることが、高齢化社会を暮らしやすくするヒントになるのではないでしょうか?
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