「地域包括ケアシステム」といわれてもあまり聞いたことがない・・・
という方が多いのではないでしょうか?
聞きなれない「地域包括ケアシステム」のしくみについて簡単にお伝えします。
目次
地域ケアシステムは国が主体となって、「2025年」めどに、市町村ごとのシステム整備を進めています。
厚生労働省によると地域ケアシステムは、
可能な限り住み慣れた地域で生活を継続することができるような包括的な支援・サービス提供体制
と定義されています。
このシステムを「2025年」までに整備しています。
また、「地域包括ケアシステム」は30分以内に必要なサービス(病院・介護施設など)が提供される状態を理想としています。
現在、日本の65歳以上は国民の4人に1人。そしてさらに高齢化は進むと言われています。
高齢者が住み慣れた土地で自立した生活を送るために、地域の特性に応じたケアシステムを作ることが大切になってきますね。
上の図は「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」が相互に関係しながら、地域を支える様子を表したものです。
高齢者本人やその家族が在宅生活をする心構えをした上で、必要な医療サービスや介護予防サービスが受けられることを示しています。
「自助」 自分で健康管理をし、健康を保つとともに、民間のサービスも利用する
「互助」 地域のボランティアや住民らで助け合う
「共助」 社会保険制度によるサービスを受ける
「公助」 生活が苦しい場合は生活保護を受けたり、人権を守ったり、虐待対策をする
参考 厚生労働省 地域包括ケアシステムの5つの構成要素と「自助・互助・共助・公助」
このシステム自体が「地域全体でケアする」という考え方であるので、お互いに助け合う「互助」や「共助」、公的なサービスを利用する「公助」という概念が取り入れられています。
地域の高齢者の総合相談、権利擁護や地域の支援体制づくり、介護予防の必要な援助などを行い、高齢者の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援する
市町村が主体となって「保健師」「社会福祉士」「主任介護支援専門員」を配置して住民の健康と生活の安定を守ります。
この3職種はそれぞれで仕事をするのではなく、チームとなって協力することで高齢者を支えます。
主な業務内容は介護予防や住民の幅広い相談にのり、解決すること。
問題によっては、行政機関・保健所・医療機関・児童相談所など別の団体につなぎ、問題を解決に導くこともあります。
地域包括ケアシステムは整備中ですが、先駆けて行われているものもあります。
地域の支援例として学生とNPOが主体で行う北海道当別町での例を紹介します。
長年農作業をしてきた方が認知症になり、続けられなくなっても、認知症に理解を持ったコミュニティの中で再び働ける場所を作った取り組みです。
農作業ができなくなり、生きがいを失って自分に自信を無くされていた方が老人ホームや自宅から出勤することで「いきいき」と働くことができるようになったそうです。
このコミュニティでは作った野菜を使ったレストランも併設しているため、高齢者だけでなく、障害者や地域の人たちとの交流の場となっています。
高齢になると、車や自転車を運転することも難しくなり、遠くへ行けなくなります。
いざ何かがあった時に徒歩圏内で全てのサービスが揃っている環境はとても住みやすいですね。
しかし、今のところ「地域包括ケアシステム」の認知や理解があまり広まっていません。
住民の関心が高まることで、さらにシステムがうまく機能しそうですね。
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