誰かの生きづらさについて、立ち止まって考えてみませんか?
特定非営利活動法人 かものはしプロジェクト
基本情報

心の奥にしまった辛い経験は大人になっても影響を与えることがあります。虐待サバイバーを支える一般社団法人Onaraとかものはしプロジェクト共催で、支援現場の日常や活動、私たちにできることを考えていきます
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無料 |
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募集対象 |
◎こんな方にオススメ 参加する人の年齢層について
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応募方法 |
こちらのページから応募してください |
募集詳細
今回のテーマは “気づき合い、支え合い、共に歩む社会へ”
誰にも言えず、ずっと心の奥にしまってきた出来事。
ふとした瞬間に思い出して、胸がざわつくような感覚。
こどもの頃に受けたつらい経験は、時間が経っても消えることはなく、大人になってからも、心や日々の暮らしに影響を及ぼすことがあります。
今回のイベントは、東京・江戸川区で活動している 一般社団法人Onara さんと共同で開催します。
「虐待を受けてきた全ての子どもたちが『生きてきて良かった!』と思える社会へ」を目指して、つらい経験と向き合いながら生きる虐待サバイバーを支える取り組みを行っています。
えんじゅの加盟団体が一堂に会する年次大会の様子(写真左:今回ご一緒する丘咲つぐみさん(Onara代表理事)
※かものはしプロジェクトは、全国のアフターケア団体がつながるネットワーク「えんじゅ」の事務局を担い活動しています。一般社団法人Onaraさんも、加盟団体としてともに活動をしています。
一般社団法人Onaraは、虐待や逆境を生き延びた ACEサバイバー(※) の未来を守るために活動しています。児童養護施設や里親制度などの社会的養護につながったかどうかに関わらず、「生きてきて良かった」と心から思える社会を目指しています。活動は、直接的な支援にとどまらず、調査・政策提言や啓発、メディア発信などを通じて社会全体を巻き込みながら展開しています。
※ACEとは、Adverse Childhood Experienceの略で、日本語では「逆境的小児期体験」と呼ばれる、子ども時代の虐待やネグレクト、家族の機能不全などの経験を指します。
江戸川区で開いている活動のひとつが 、ちょっと休憩できる居場所「おならカフェ」 です。コンセプトは“共に生きていく人たちと出会える場所。そして、いつでも帰ってこられる場所。” 地域のカフェを借りて月に1回オープンしています。
ここには、共通する痛みや経験を知っている人たちが集まり、おしゃべりやごはん、ゲーム、本を読むなど、思い思いに自由に過ごしています。
そうした安心できる空間の中で、少しずつ信頼できる関係を築いていく積み重ねが、安心や信頼を取り戻す力となり、「生きてきて良かった」と思える瞬間にもつながっていくことを目指しているそうです。
今回のイベントでは、代表の丘咲つぐみさんにご登壇いただき、そんな支援の現場での日常や、虐待や逆境を生き延びた方々の抱える困難さ、そして、その中で見えてきた希望、今後の取り組みについてもお話しいただきます。
(現在、より多くの方々に知っていただくための映画制作に向けたクラウドファンディングを準備中!詳細は、また当日詳しくお伝えします。)
丘咲つぐみ(一般社団法人Onara代表理事)
虐待や逆境の中を生き抜いてきた子どもたちの苦しみは、子ども時代だけで終わるものではありません。むしろ、大人になってからのほうが苦しいと感じる人さえいます。
どんな環境に生まれ育った子どもたちであっても、命を落とさず生き延びたその現実に、
『生きてきてよかったんだ』
― そう心から思える社会を、私はこの日本につくりたいのです。」
(WEBサイトより、一部引用)
当日のプログラム
前半|活動説明 + クロストーク
後半|ワークショップ
小グループでの対話や、お茶とお菓子を囲んだ交流タイムもご用意します。
緊張せず、リラックスしてご参加ください。
法人情報
かものはしプロジェクトの法人活動理念
【だれもが、尊厳を大切にし、大切にされている世界を育む】
「子どもが売られない世界をつくる」をミッションに掲げ、活動を開始して約20年。人身売買の現場と向き合い続けたこと、被害者や最貧困層の女性たちにライフスキルやリーダーシップを身につけてもらう活動を行ってきたこと、仲間同士の葛藤や自身への疑い・無力感を体験したこと。その中で自分たちが大切にしてきた・していきたいものを考えたとき、「尊厳」という言葉に行き着きました。このいちばんの本質=「尊厳を大切にしあう」を新たな理念として、子どもの虐待、貧困、人身売買といった、世の中の様々な不条理にアプローチをしていきます。
かものはしプロジェクトの法人活動内容
2002年にかものはしプロジェクトが設立されてから、「子どもが売られない世界をつくる」をミッションとして、カンボジア、インド、日本で活動を続けてまいりました。
そして、2022年6月に、ミッションを「だれもが、尊厳を大切にし、大切にされている世界を育む」に変更し、新しい出発を切っています。
「子どもの人身売買」も「虐待」も「貧困」も、それらをとりまく様々な社会の状況と結びついていて、シンプルな解決方法はありません。虐待をとってみても、たんに虐待する人をつかまえればいいという話ではありません。大切にされない子どもの隣りには、他者を大切にすることが難しい親(大人たち)がいる。そうさせてしまう社会の仕組みがある。それらすべてに、包括的に目を向けなければ、うわべだけの、もしくは一時的な解決にしかなりません。
私たちは、どんなに難しくとも「本質」に向き合い、根本的な解決につながることに取り組んでいきます。そして、「尊厳」を大切にしあう、強くやさしい社会を目指していきます。
取り組む社会課題:『児童虐待』
「児童虐待」の問題の現状
児童虐待の相談対応件数は年々増え続け、2020年以降は年間20万件を超えています。虐待は身体的、心理的なダメージを子どもに与え、その影響から将来にもわたって対人関係に難しさが生じたり、日常生活に支障が出たりすることも少なくないと言います。児童虐待は、20万件の先にいる一人一人の子どもの人生を大きく変えうる、人の「尊厳」に深く関わる問題です。
「児童虐待」の問題が発生する原因や抱える課題
事業立案にあたり虐待の発生原因を調べると、一つの原因があるわけではなく、複数の要因が複合的かつ重層的に絡み合っていることがわかりました。虐待に至りやすいリスク要因として、若年妊娠や親の精神疾患、子どもの障害や育てにくさ、ひとり親家庭、経済的困窮などがあり、これらが互いに影響し合っています。しかし、リスク要因があれば虐待が発生するわけではありません。
結局のところ一体何が虐待を引き起こすのか、課題を構造化しようと繰り返し試みた結果、合理的に解釈できる問題ではない、という考えに至りました。
虐待事例から被害を受けた子どもの心情を想像すると、言葉になりません。同時に、虐待に至ってしまった親の背景を知っていくと胸をえぐられるような気分になります。その人がこの社会の中で消え入りそうになりながら生きてきた痛みや悲しみが、感じられるからです。「自分は誰からも気づかれない存在」と透明人間になる感覚や、「私ばかり大変なのに誰も助けてくれない」と世界が敵に見える感覚が私にも時折あります。それらが激しく増幅したような、いたたまれない感覚を覚えるのです。
「児童虐待」の問題の解決策
虐待は決して肯定されるものではありません。でも、その人が認められたり大切にされたりしなかったことの先にその行為があるのではないか、児童虐待は「人との関わりの中で大切にされ合うこと」つまり「つながり」の欠如によって起きてしまう、構造的問題なのではないか、という仮説にたどり着きました。
こんなに深刻な問題に、そしてそれによって苦しんでいる一人一人に固有の経験や背景がある中で、こんなにシンプルな仮説を提示することに、抵抗感も恐れもあります。ただ、何かを信じてみないと、進みだせない気がしたのです。私たちはこの4年間、当事者や現場で活動する人々から話を聞き、複数のプロジェクトを実施し、解を見つけようとチームでもがき続けてきました。そしてようやくたどり着いたこの仮説は、人が本来もっている優しさや温かさを根底で信じている私たちらしいものでした。だからこそ、信じてみよう。私たちは、昨年の秋に「社会の中に豊かなつながりを育むことにより、児童虐待が発生しにくく、虐待を受けた人が回復しやすくなる社会を目指す」ことを事業方針としました。
そして、たくさんの支援者からこの問題をなんとかしたいという思いを預かっている私たちが、多くの先人たちが努力を重ね続けているこの領域で果たすべき役割は、既にある多くの力を10倍にも100倍にもしていくことだと考えました。まずは地域での事業を進め、中長期的には他地域にその学びを普及していくことや、政策に反映させ全国に波及させることを目指します。
活動実績
カンボジア
2002年
(2002年~2018年)
活動当初、世界の中でも「子どもが売られる問題」が多かったカンボジアにて、主に、
・子どもを買う人を適切に逮捕し罰することができる仕組みをつくるための警察支援
・家が貧しい女性に仕事を提供するための工房運営
・売られてしまうリスクの高い子どもを守るための孤児院の支援
を行っていました。
インド
2012年
(2012年~)
カンボジアで問題解決を続けてきたかものはしは、インドでの「性的搾取を目的とした人身売買」をなくすために、サバイバー(人身売買被害者)が自分の人生を取り戻すための「サバイバーに寄り添う」活動と、人身売買ビジネスが成り立たないような「社会の仕組みをつくる」活動の2つを現地パートナーと共同しながら行っています。
日本
2019年
(2019年~)
活動の中心であるインドに加え、日本での児童虐待などの「子どもを取り巻く不条理をなくすため」の活動を行っています。
具体的には、①現場での取り組み、②地域エコシステムに関わる取り組み、③全国ネットワーク・政策に関わる取り組みを活動の柱にすえ、「誰もが生まれてきて良かったと思える社会を共につくる」ことを目指します。